(じゃもかもまつり)

 生麦の蛇も蚊も祭りは、昔は原、本宮地区が一緒になっておこなわれてきましたが、明治の中ごろから「生麦蛇も蚊も」と本宮『蛇も蚊も」に分かれておこなわれるようになりました。
 以前の「蛇も蚊も」は、6月6日、町内の青少年たちが茅草を集め、本宮では道念稲荷神社、原では神明社の境内で、長さ十五間、胴回り三尺余の蛇形を作ります。目は貝殻、舌は菖蒲、角は木の枝、尾は二尺くらいの木剣をそれぞれとりつけます。
 この蛇体を大勢の子供たちが」かついで、町内各家の門口に蛇頭を差し入れます。
 この「蛇も蚊も」は、疫病除けの行事であるとともに、農漁村であった頃の稲作の雨乞いを祈願する行事、豊作・豊漁とも結びつき、さらには子供のすこやかな成長を願う節句祝いもかねておこなわれました。当日は、各家で柏餅を作ってふるまいましたが、今は、そのような風習はなくなりました。
 現在は、「生麦蛇も蚊も」「生麦本宮蛇も蚊も」と、それぞれ保存会が設けられ、両地区とも6月第一日曜日に祭事をおこなっています。
 両者の違いは蛇体の作り方で、双方とも「茅」を材料とした珍しい民族行事です。
「鶴見の歴史と人々の暮らし」
鶴見の歴史と人々の暮らし編集委員会 発行 より引用




道念稲荷神社



神明社


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