書院
Shoin

庭一面にきれいな苔が生えている。参観者は苔を踏まないように飛び石を伝って歩き、それぞれ石の一つに立って説明を聞く。書院は、右から古書院、中書院、新御殿と雁行形に建てられている。
ブルーノ・タウトは、数寄屋造りに近代性を見つけたということだ。数寄屋造りと近代建築は、ともに簡素だ。また、曲線よりも直線を好むという点で、桂離宮と都市の高層建築はとても似ている。
対極には日光東照宮などの装飾性に富んだ、曲線を多用する建物がある。東大寺の大仏殿も鎌倉期までは直線的だったが、江戸時代に再建された今の建物は正面が唐破風になっている。古来の神社は直線的だが、後に本殿以外の建物には曲線が多用された。以前訪れた修学院離宮では千歳橋がややこれに近い。
曲線の方が建築上は難しいにしても、その技術を持ちながら、直線主体の設計をしたところに数寄屋建築の面白さがあると思う。   次へ