mini日録   3月

(最新の情報アップを目的に新設しました。原則 3行以内で簡潔に記入します)

 


2002. 3. 31(日) <マタイと ざぶとん>

昨日のマタイには疲れました。

先週末頃から風邪と腰痛に悩んでまして、昨日は小さなクッションを持参致しました次第。(笑)

でも持っていってよかった…のが実感です。

協会の木のベンチに4時間( 正確には3時間半でしたが)は、腰痛持ちにはつら〜い。

 (不謹慎ながら、ざぶとん1枚ちょうだ〜い、と叫びたくなります)

演奏は、さわやかタイプのマタイで、これもとても良かったです。

大島さんのエバンゲリスト、宇野さんのイエスは近頃珍しいクヴァストフばりの熱演、

それにしても、フラウト・トラヴェルソの有田正広さんをはじめ豪華な器楽陣には驚きです。

チェンバロを弾いているのが何と 渡辺順生さんとは…

リュートの響きも格別、もう一度聴いてみたいと思います。


2002. 3. 30(土) <明治学院バッハ・アカデミーのマタイ>

今月のオーラスは、初稿によるマタイ受難曲演奏。

それにしても驚きは古典四重奏団の川原さんと田崎さんのタフなこと。

20日の大阪いづみホールの<4人のカンタータ公演>(古楽器)の翌々日には

モダン楽器に持ち替えて、つくばで ラズモフスキー3曲の公演、それを 27日に

第一生命ホールでやったあと、再び古楽器に替えてこの公演とは!!

 (しかもラズモフスキーを全曲暗譜演奏とは!!)

プロとはそういうものさといえば、それまでですが、う〜む すごい (絶句)……

 

<受難節特別演奏会(礼拝形式)>

  2002年3月30日(土)17時開演(4時間)  明治学院大学 白金校舎チャペル

   明治学院バッハ・アカデミー(芸術監督:樋口隆一 名誉顧問:ヘルムート・リリング)

  マタイ受難曲」BWV244b(初期稿1727/1729)

  指揮: 樋口隆一 

  福音史家: 大島 博

  SOP: 佐々木典子

  ALT: 小原伸枝

  TEN: 辻 秀幸

  BASS: 宇野徹哉

 Vn: 川原千真、大西律子、渡辺慶子、神戸愉樹美ほか

 Va: 小田 透ほか

 Ce: 田崎瑞広

 フラウト・トラヴェルソ: 有田正広、斉藤紫都

 オーボエ: 川村正明 

 リュート: 竹内太郎

 チェンバロ: 渡辺順生

      ほか

 


2002. 3. 27(水) <古典四重奏団ベートーベン弦楽四重奏曲全曲演奏会第3回>

ラズモフスキー3曲というヘビーなコンサートは、 花寒のリバーサイド、第一生命ホールへ

は散ったし、寒い、寒い、寒い……
 


2002. 3. 26(火) <読売日響モーツァルト・ガラの感想>

大変遅くなりましたが、上記の感想を少々…

ドン・ジョバンニ役の青戸 知が絶品、昨年の新国立劇場公演を聞き逃したのが悔やまれる。

・指揮者なしで演奏するプラハ室内管弦楽団が緊張感にあふれた演奏でこれまた絶品。

 アルブレヒト が加わると彼流の音楽にガラッと変わる面白さ!

  でもどちらかというと、指揮者なしでの緊張感あふれた演奏が忘れられない。


2002. 3. 9(土) <体力コンサート

昨夜は、読売日響のモーツァルト・ガラ・コンサートへ行きました。
昼下がりの午後2時に始まり終わったのは9時10分、間に計2時間の休憩をはさんで
えんえん7時間の演奏です。
 詳細はこちらへ


まあ、コンサート聞くのも体力勝負。
実はこのコンサート、全部では3日間、
オール・モーツァルトの連チャンなんですよ。
(モストリー:ほとんど というのはあるが
 すべてモーツァルトというのは世界的にも珍しいそうです)
最初の日だけは通常の2時間ちょっとですが
2、3日目は、7時間勝負。
昨日はその2日目だったんですね。

さて、今日は……
止めときました。(笑)
(気力・体力はまあまあですが、金力にかげりが(笑))

会場でお会いした地方にお住まいの年上の知人ご夫妻は
なんと、全日空ホテルに泊まって、3連チャンだそうです。
旅行へ行ったと思えばいいのさ、とのお話でしたが、
なんて、リッチな、お元気なと…絶句。


2002. 3. 6(水) <3連チャンを終えての感想 Bコシ・ファン・トゥッテ

                    …ちょっと修正しました 03.10

 <3月3日 東京文化会館>

超満員の文化会館。
こんなに入るのに、1日だけとはもったいない感じ。
(1日しかないからこんなに入った?)

人気をさらったのは、雰囲気がフジTV菊間千乃アナウンサー似のデスピーナ。
歌唱はもとより、
足でドアを蹴り開けるなど、堂に入った天衣無縫な役作りは絶品。
デスピーナがいいとコシは精細を帯びてくる、との
『i教授の法則』がこの日も証明された。
(すみません、私が名づけました。→「モーツァルト2つの顔」p139参照)
まさに、藤原歌劇団の高橋薫子さんと並んで、我々は素晴らしいデスピーナを得たと思う!!

セットがアール・ヌーボー風なので、ちょっと時代が違うよ!
といいそうになったが、プログラムを読むと
ファイナル・ファンタジーで有名な天野喜孝氏の
オリジナル・デザインだそうな。
彼の大きな画を有効に使った場面転換が見られた。

衣裳はこの日も伝統的なもので、フィオルデリージと
ドラベルラとを青と赤のドレスで象徴させるなどは、これまでにも
何度も見たような気がする。
士官姿はりりしく、フェランドとフィオルデリージの
美男美女二人並ぶとまるで宝塚のよう…。
(日本では気の毒に、せっかく美男美女が並ぶと必ずこう言われてしまう
  → ボキャブラリーの貧困! う〜む 反省 (^^;))

フェランドとフィオルデリージの歌唱は、期待通り
立派なものだが、こちらの期待が大きすぎたか
それを越えるものではなかった。
(世界レベルの歌唱を期待したのだが…)
グリエルモとフェランドとは、体型もウリ2つで、こういうことは滅多にないケース。
ルイジ・アルバ以来、モーツァルト・テナーは小柄なことが多かった!?
したがって、軍服姿ではどちらがフェランドなのか、判別しずらかったほど。
アルバニア人の服装になってからは、赤と緑の服色で区分された。

ドン・アルフォンソは、役作りも衣裳も頂けない。
冒頭 テーブルに足を投げ出すなど、粗野下品で2人の士官がつきあう
哲学者には見えない。田舎の土建屋のオヤジみたい。
(一見、勝新 風といったらおわかり頂けるかしらん)

ドラベルラに触れないで申し訳ありません。難しい役ですね。                                                                                                    どうしてもフィオルディリージの引き立て役になってします。                                                                                                    近年見たコシで満足したドラベルラは、小澤のコシで歌ったモニカ・グルップのみです。                                                                この日のドラベルラも好演ではあるが、物足りないものがありました。                                                                                    (エラそうに…スミマセン (^^;))

字幕は誰の作か、ちょっと悪乗り、オヤジ・ギャグの意訳の氾濫。
<ユーロや、関西弁、番茶のでばな、取らぬ狸の……等>
お客が字幕を見てどっと来るのが、舞台とズレて、違和感となる。
意訳もほどほどに、と言いたくなる。

そういえば今回の字幕では
大詰めで、フィオルディリージが恋人の軍服を着る際に
誰の服を着るのか、訳されておりませんでした。
以前、見た字幕の記憶では、
<フェランドのは私にピッタリ。グリエルモのはドラベルラにピッタリ!>
意訳もいいけれど、こういう決めセリフは省略しちゃあいけませんよね。
フィオルディリージは、本来恋人であるグリエルモの服を着るべきなのに
なぜか、フェランドのを選んでしまうんです。

(以前、この点に着目してエッセイらしきものを書きました。
下記に掲載してありますので、興味ある方はご一読ください)

http://www.asahi-net.or.jp/~tk2k-fkc/essays.htm#コシの軍服考

ほかに気づいたのは、小道具の花の扱いで
二幕戸外シーンでは、青いスミレやパンジーらしき花の鉢、
フィオルデリージが陥落する室内では白い花の鉢が飾られていた。
図像学をふまえてのものか、興味深い。
よく検討してみましょう。

冒頭序曲でのオケは、覇気がなく大丈夫かしらと思った。
気のせいか、短縮版を使ったのかと思えるほどあっさりとした演奏だった。
指揮の現田さんは、最後まで立ちっぱなしの力演。
オケも後半は活気づき、フィオルデリージ陥落のシーンでの
聞かせ所、オーボエの一吹きもいい気持ちそうに吹いていたし
フィナーレの二回のグランド・パウゼも見事に決まり痛快に終りました。

3月1日〜3日まで、魔笛→フィガロ→コシの3連チャンでした。
そんなリッチなと思うなかれ、魔笛は新国立劇場の研修生公演で1500円(!)
翌日のフィガロも助成公演なのでA席5000円、コシもC席6000円の
計12500円、外来オペラのD席1回分以下ですから。
ありがたいことです。

******
ドン・アルフォンソ:志村文彦
フェランド    :錦織 健
グリエルモ    :境 信博
フィオルデリージ :澤畑恵美
ドラベルラ    :坂本 朱
デスピーナ    :足立さつき

演出  : 今井伸昭
美術  : 天野喜孝
装置  : 鈴木俊朗
衣裳  : 小野寺ちなみ
指揮  : 現田茂夫
演奏  : 神奈川フィル
プロデュース:錦織 健


**舞台写真はジャパン・アーツHPへ

 


2002. 3. 6(水) <3連チャンを終えての感想 Aフィガロの結婚

 
<3月2日 新宿文化センター>

井坂さんのケルビーノが絶品!!
歌唱、演技とも実に見事。
聞いている内に感動でふるえてきました。
こんな経験は久しぶりのことです。
二期会のケルビーノとしては、何十年か前の
松本美和子(当時大評判だった)以来の
快演に思えました…!!

売り物の宮本演出は、奇をてらったものでなく
中央にプロセニアムを組んだ装置ともども
納得できるものでした。
衣裳も伝統的なもので、装置とマッチ。

オケはこの日も好演。流行りのピリオド奏法とは縁ナシ の                                                                                  いつものパスカル=東京フィル路線で安心して聞けた。                                                                                    レシタティーボ伴奏のチェンバロが随分雄弁に聞こえたと思っていたら、                                                                プログラムを読むとフォルテ・ピアノとチェロをでやっていたそうな。
 

伯爵夫人、スザンナの女性陣は文句なしの好演であったが、
男性陣 フィガロ、伯爵には少々注文が…
フィガロは結構、難役でなかなか満足する演奏がないが
この日のフィガロも今一つ。
役柄はピッタリなのだが、低音が今1つ決まらなかったように
思えたし、歌詞がハッキリ聞こえない。
伯爵は、歌唱は良かったが、衣裳・メークに文句がある。
ユル・ブリンナー風のスキン・ヘッド、あれでは後宮のセリムだ、
伯爵夫人と並ぶと、まるで<王様と私>の舞台のよう!?
これって、誰のアイデア?

*********
伯爵    :泉 良平
伯爵夫人  :大倉由紀枝
フィガロ  :稲垣俊也
スザンナ  :松原有奈
ケルビーノ :井坂 恵
バルバリーナ:赤星啓子
マルチェリーナ:竹本節子
ドン・バルトロ:池田直樹
ドン・バジリオ:近藤政伸

演出  : 宮本亜門
装置  : ニール・パテル
衣裳  : 前田文子
指揮  : パスカル・ヴェロ
演奏  : 東京フィル
合唱  : 二期会合唱団

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 詳細は二期会HPへ


2002. 3. 5(火) <3連チャンを終えての感想 @魔笛

 <3月1日 新国立劇場>


今回の魔笛の特色は、語り手が進行役として登場し、
歌手による語りを最小限とした試みだが
これの当否については、どちらとも言えないと思いました。
 研修生公演ということを考えると、
せっかくのセリフ訓練の機会が失われたというべきか、
逆にその分 歌唱に集中出来たという利点をあげるべき
か。う〜む…
(ついでに字幕費用も節約できた)

個々には、まずタミーノの衣裳が頂けない。
頭に黄金の鉢巻、タンクトップに黄金の腹帯といういでたちは
まるでダボシャツに腹巻の土方風。
かってのレオナルド熊みたい(古い!)

歌手は総じて高水準の好演と思いました。
ザラストロ、低音が苦しく時々フェイクしていたようだが、
決まった声域での歌唱はとても素敵。

冒頭の龍を群舞で表現したのはグッド・アイデア。
ただ、同じやり方で動物たちを描いた場面はちょっと頂けない。
 

オケはなかなか好演。
合唱団は少々乱暴なところもあったが、特筆すべき好演と思う。

ラストシーンは夜の女王が改心し、和解するという最近流行りのコンセプト。
 

まずは、楽しく拝見しました。(これで、1500円とは新国 エライ!!)


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ザラストロ: ジョン・エイムズ(賛助出演)
夜の女王 : 山本 美樹(賛助出演)
タミーノ : ジャンウオン・リー(賛助出演)
パミーナ : 谷口サチヨ
パパゲーノ: 青山 貴
パパゲーナ: 九嶋香奈枝
弁者   : 安藤常光(賛助出演)
第一の武士: 塚田裕之(賛助出演)
第二の武士: トッド・ロビンソン
第一の侍女: 安藤赴美子
第二の侍女: 増田弥生
第三の侍女: 青木素子

演出  : デビッド・エドワーズ
装置  : コリン・メイズ
衣裳  : コリン・メイズ
指揮  : ジェフリー・リンク
演奏  : 東京フィル
合唱  : 新国立劇場合唱団

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2002. 3. 3(日) <いよいよ コシ>

 いよいよ錦織のコシ・ファン・トゥッテで〜す。

I教授の家〜花壇のKADANさんによる九州公演のレポートを読んで期待が高まります。


2002. 3. 2(土) <続いて フィガロ>

 3連チャンの2日目、二期会の フィガロ、評判の宮本亜門演出によるもの。

モーツァルト・ファンのS・Sさん(女性)と英国人の音楽ファンG・Aさんとご一緒する。


2002. 3. 1(金)  <まずは 魔笛>

 今月は私にとって、今年前半のコンサート通いの山場、

とりあえず今日から 魔笛→フィガロの結婚→コシ・ファン・トゥッテの

3連チャンとなる。

まずは、新国立劇場研修生による 魔笛公演へ


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