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Starnet++に関するメモ


[開発者によるStarNet(オリジナル)の概要とTIPSの要約] [参考]

【強調の目安】

【処理例】

星雲のデータが取得できていなければならない。 Starnet++で処理すると、星雲が自然に浮き出てくるわけではない。 以下の例のように強調処理前は判然としていなくても、ヒストグラムのMODE付近で二値化してみると、 データの取得状態がわかる。 前処理の段階でフラット補正、光害カブリの除去等が適切に行われている必要がある。

前処理が終わった段階で、ImageMagickを使用して2x2のビニングをかける。 これはS/Nの向上とStarnet++の処理時間の低減を目的としている。 なおImageMagickのビニングでは輝度は変わらない。

[ImageMagick: binning]
 magick convert -filter box -resize [num] INPUT OUTPUT

・サイズは整数倍!
・平均化されてピクセルが結合される。
・scaleでもビニングのときは同じ結果になる。
 なおアルゴリズムが違っているため、Box filter とまったく同じではない。

強調処理をする際にはマスクを使い、恒星の変形や星雲の飽和を抑える。 カーブ処理が主体となるが、ここでは上下の帯域を切り詰めることはしない。 輝度50%辺りを目安に露出設定をして撮影しているので、30%辺りとなるくらいを目安に、繰り返しカーブ処理をかける。 不十分であれば明るさを調整して持ち上げ、再度カーブ処理を行う。 処理強度は目視で星雲が背景と分離していればよく、過剰に処理しないようにする。 今回の例は真夏に撮影しておりS/Nが良くなかったので、通常よりも低めの強度で処理している。

[撮影画像(stacked)]
image [撮影画像のデータ取得状態確認]
(白)=恒星,星雲 (黒)=背景
image [強調処理] imgur#1
image image [恒星除去] imgur#2
image [完成画像] imgur#3
image

【バッチファイル】

Starnet++は実行時に処理対象の画像ファイルを、ソフトウェアと同じフォルダーに置かねばならないが、 いちいちフォルダーを開いてファイルを操作するのは面倒である。 何よりプログラムフォルダーを開きたくないので、簡単なバッチファイルを作成して処理するようにしている。

以下のサンプルの強調部分(環境変数)を、環境に合わせて適宜修正し、パスの通ったフォルダに保存する。 この例では「starnet comb.tiff」として実行すると、出力ファイルはcomb_starless.tifとなる。 STRIDEをデフォルトから変えて実行した場合、例えば「starnet comb.tiff 32」だと、test_starless32.tifが出力される。

▼starnet.bat
 starnet [InputFile] (STRIDE)

@echo off
set InstDir=C:\USR\LOCAL\StarNet_Win\
set WorkDir=D:\VAR\photographs\zW\zT\_work\
set AddWord=starless

cd /d %WorkDir%
if "%1"=="" goto error1
if not exist "%1" goto error2

:main
move %1 %InstDir%~%1 >nul
cd /d %InstDir%
rgb_starnet++.exe ~%1 %~n1_%AddWord%%2.tif %2
move ~%1 %WorkDir%%1 >nul
move %~n1_%AddWord%%2.tif %WorkDir% >nul
cd /d %WorkDir%
goto end

:error1
echo.
echo starnet [InputFile] (STRIDE)
goto end

:error2
echo.
echo File not found!

:end
echo.

【検証】

Starnet++により生成された恒星除去画像が、支障無いものであるかどうか検証したい。 「入力画像=恒星除去画像+恒星画像」であれば問題無いのであるが、完全に一致しているかを目視で判断するのは無理がある。 そこでImageMagickで検証することにした。 ここでも必要に応じて、上記のstarnet.batと同様の設定を行う。

▼starnet_chk.bat
 starnet_chk [InputFile] [StarlessFile]

@echo off
set WorkDir=D:\VAR\photographs\zW\zT\_work\

cd /d %WorkDir%
if "%2"=="" goto error1
if not exist "%1" goto error2
if not exist "%2" goto error2

:main
magick composite -compose difference %1 %2 - 2> nul | magick composite -compose plus - %2 out.png
echo.
echo [result]
magick convert %1 - 2> nul | magick compare -metric psnr - out.png null:
echo.
magick convert %1 - 2> nul | magick compare -metric ssim - out.png null:
goto end

:error1
echo.
echo starnet_chk [InputFile] [StarlessFile]
goto end

:error2
echo.
echo File not found!

:end
echo.

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初出:2021-01-12 改訂:2022-03-11
(C) YamD