かおりとかおる−3

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 孝一が家に戻ると、留守電の赤いランプが点滅していた。

「かおる」からお礼の電話だったかな?と思い、シャワーを浴びたあと、ビールを片手に、留守電の再生ボタンを孝一は押してみた。

「こんばんは・・・。かおりです。ボストンから帰ってきました。今、成田なの。孝一くんの声、聞きたかった・・・」

え?「かおり」!?  孝一は、飲みかけのビールを手から落としたことも気が付かなかった。

半年まえに、成田空港で「かおり」が残していった言葉、「孝一くんは、一緒にいて楽しい。でも、それだけかな。」


 


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