「かおる」からお礼の電話だったかな?と思い、シャワーを浴びたあと、ビールを片手に、留守電の再生ボタンを孝一は押してみた。
「こんばんは・・・。かおりです。ボストンから帰ってきました。今、成田なの。孝一くんの声、聞きたかった・・・」
え?「かおり」!? 孝一は、飲みかけのビールを手から落としたことも気が付かなかった。
半年まえに、成田空港で「かおり」が残していった言葉、「孝一くんは、一緒にいて楽しい。でも、それだけかな。」