1.ドラッグの使用
ストリートチルドレンがドラッグにハマっていく過程には一つのパターンがあります。
小さい頃にまず酒、タバコをはじめ、すぐマリファナも吸うようになります。タバコとマリファナは子ども達の認識のなかではほとんど違いはなく、マリファナのほうがより平和な夢見心地にさせてくれるということです。
ここ数年はそれと同時に10歳にも満たない子までが接着剤をビニール袋に入れて吸引するシンナー遊びを盛んにしています。吸引すると1〜2分で効果が現れ、陶酔状態になった子どもとはコミュニケーションも困難になります。その姿は真っ昼間の繁華街などでも簡単に見ることができる程です。
ここまでは非常に安価で子ども達でも入手しやすいものですが、早い子では10歳前後から、多くは18歳以降くらいになると粗製のヘロインを使うようになります。ヘロインは最強の麻薬とも言われ、精神的な非常に強い快楽と身体的な快楽をもたらし、中毒になる早さと抜きん出た激しい禁断症状により一度使うとやめるのは非常に困難なものになります。オーバードーズ(薬物の過剰使用)による死者も後を絶ちません。また、もっとも効果的な使用法として静脈注射をするため、注射針の仲間との共用からHIVへの感染も起こっています。
子どもの頃の酒、タバコなど合法的なドラッグからはじまり、オーバードーズやHIVに至る道が彼らの前には大きく広がっています。
しかし薬物の危険を理解しその使用を避けるストリートチルドレンもおり、彼らは薬物を使わない者同士で仲間を作り生活しています。薬物を使う子との分離はシンナーの使用を仲間が始めるときに起こることが多く、シンナーを使う子はスリや盗みへのコミットを強めてゆき、使わない子はプらスティックを集めたりアルバイトのような仕事をして暮らしてゆく傾向にあります。
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