■嶋村悟志くんの場合  album.gif (3626 バイト)

 


→患者
→患者の家族
→発症前の様子
→発症の経緯
→医療機関との協力
→現在の病状
→療育と日常
→写真館

【患者】

嶋村悟志 1995.8.15生まれ 男児
1997年発症 MLD(異染性白質変性症)幼児型

【患者の家族】

父、母
姉(93年生まれ。HLA適合せず)

【発症前の様子】

 妊娠中から標準より小さめと言われていた悟志は、予定日より4日遅れ、2620gで生まれました。新生児の時から、上の子に比べて泣いている時間がすごく長かったように思いますが、4ヶ月検診でも特に異常はみられず、標準より小さいが、悟志なりに順調に大きくなっている、と言われ、心配もしていませんでした。離乳食もなんでもよく食べましたし、10ヶ月でつかまり立ち、11ヶ月で伝い歩きができるようになり、語彙も徐々に増えて、1歳過ぎくらいまでなにも異常は感じられませんでした。
 1997年の年が明けた冬から春にかけて、伝い歩きができだしてから、もうだいぶん経つというのに、ひとりで歩けるようにならないことが心配になってきました。でも、男の子のほうが遅いと言うし、個人差もあるのでもう少し様子をみよう、と考えていました。1歳半の検診で相談しましたが、ひとり歩きができない以外には異常なこともないので、様子を見ましょうと言われていました。
 5月(1歳9ヶ月)のゴールデンウイークには、家中よく動き回り、姉(当時5歳)のおもちゃを横取りしてけんかしたり、階段を手をついて上ったりと、非常に元気よく、もうすぐ歩くと期待していました。6月になって、市の保健婦さんから電話があり、まだひとり歩きできないことで、整形外科の受診を勧められ、受診しました。その結果は、脚の緊張が強いが整形的な異常はないというものでした。そこで、歩行訓練のために、施設を紹介され、入所を考えていました。

【発症の経緯】

  そのこともあって、より注意深く、悟志の動きを見るようになりましたが、その頃(6月中旬以降)から、きげんが悪いことが多く、泣いてばかで、階段も上らなくなり、伝い歩きもあまりしなくなりました。7月にはハイハイが移動手段の中心になっていき、そのハイハイも片手、片足ずつ動かすのではなく、カエル跳びのように両手を同時に前に出してバタバタして進みます。さらにテーブルや壁に捕まって立っている時、移動していないのに突然ドスンと後ろにひっくり返ったりすることが何度かありました。
 たまたま7月下旬に、悟志がカゼをひき高熱を出したので、枚方市民病院の小児科にかかりました。その時、手足の緊張が強いことから別の難しい病気の可能性を指摘され、カゼが治った時点で改めて検査入院することを進められました。姉(5歳)の世話のこともあるので、実家に近い岡山の大学病院に紹介状を書いてもらい、7月末に岡山大学の大学病院小児神経科の診察を受け、8月中旬から検査入院しました。
 入院前は、まだ自分で食べたり、座ったりといったことはできていました。しかし8月末頃から寝たきりになり、首も座らなくなり、次第にはなしかけてもめだった反応がなく、笑いもしなくなりました。食べるのも噛んで食べることができず、流動食になりました。 入院中の40日の間に、ほぼ現在の状態に近いところまで進行したのです。

【医療機関との協力】

 退院後は検査結果を枚方市民病院に送ってもらい、現在通院中。
 岡山大学病院入院中から骨髄移植の可能性も示唆されましたが、家族から適合者がなく、この病気への効果や、手術に悟志自身が絶えられるかどうかという不安もあり断念。 1997年11月にリハビリなどを受けるため、療育園に入所しましたが、カゼや中耳炎で入退院を繰り返していて、療育園に通える状態ではありませんでした。年が明けてからはやや安定してきましたが、それでも1回/月はカゼで高熱を出し点滴を受けに通う状態で、抵抗力がないので、インフルエンザが流行ったりしている寒い時期に外出することの不安もあり、結局1度も療育園には通うことなく、この3月で退所しました。

【現在の症状】

  嚥下の機能はまだ残っていて、とろみをつけた流動食を日に3度とっています。冬の間は便秘がちでしたが、現在は便通もよくなっています。 話しかけても、めだった反応はありませんが、お風呂は気持ちよさそうな顔をしますし、便通があるときは、顔をしかめて気張っています。目は視点が合わないので、どれくらい見えているかわかりません。音に関しては敏感です。
 手足の緊張が強く、布団に寝かせても、エビ反り状態となり、痛がって泣きます。だっこが一番リラックスできるようです。食事もだっこで行っています。夜の寝つきも悪く、寝返りもできないせいか、定期的に泣き、母子ともに疲労がたまってきています。
 これから暑い夏を迎え、悟志にはまたきつい季節となります。水分を一度に多く取れないため、脱水にならないよう、度々お茶や牛乳など取らせるように気をつけていかないといけません。

【療育と日常】

 現在は外来として、月2度、療育園に通いリハビリを受けています。昨年の発症時から付いてくださっている市の保健婦さんが、いろいろと役所、医師、療育園の理学療法士さんなどと連携をとってくださっています。 ボランティアも保健婦さんが探してくれ、現在2団体から週2日(1日2時間程度)の家事手伝いや、療育園への送迎など、協力をいただいています。
 とはいえ、首が座っていないので、車で移動する時も必ず2人(運転者とだっこする人)必要で、平日は母親しかいないため、通院、通園に不便も感じています。病院も保健婦さんもいろいろと気にかけてくださり、そのほうの不満はないのですが、リハビリが月2回のみで、かつ外来で出かけなければならないことに関しては、もう少しどうにかならないか。訪問でのリハビリが受けられないかと思っています。そのことで、先日、市議会議員に会う機会があり、働きかけを行ってもらうように要請しました。

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