■折山茉由ちゃんの場合   album.gif (3626 バイト)


→患者
→患者の家族
→発症前の様子
→発症の経緯
→医療機関との協力
→現在の病状
→療育と日常
→写真館

【患者】

折山茉由(おりやま まゆ) 1992年7月24日生まれ 女児
1994年12月発症(2歳5ヶ月) MLD幼児型

【患者の家族】

父、母、本人

【発症前の様子】

生まれたときは、予定日より3週間早く、身長47cm、体重2750gと小さめでした。4ヶ月で離乳食を始めてから食欲は旺盛で、体の発育も平均より上でした。10ヶ月で突発性発疹を経験しましたが回復も早く、その後は風邪をひいてもじっとしている様子もなく、微熱がでる程度の軽い症状で済み、2歳までの定期検診では特に問題もなく、順調に成長している感じでした。
 行動面はとても活発で、7ヶ月から週1回スイミングスクールに行き、水に慣れることからはじめ、飛び込み、バタ足などもできるようになり、喜んで通っていました。1歳1ヶ月で一人歩きをし、1歳6ヶ月ごろは追いかけっこをしたり、ジャングルジムや滑り台を好み、特にジャングルジムでは少しくらい踏み外してもびくともしないで、いちばん高いところまでよじ登ると両手をあげてポーズをとり、見ている方がハラハラさせられるほど怖いもの知らずのところがありました。体を動かすのは得意でしたが、指先を使った積み木などの遊びはぎこちなく苦手でした。
 2歳頃は大人のまねをしたがり、食事や衣服の着脱など、簡単な生活習慣は見よう見まねで覚えて、父親の世話をするようなおませなところがありました。言葉はよくしゃべるときとそうでないときがあり、年齢のわりにオウム返しが多いようにも感じましたが、自分の意志を言葉で伝えることはできていました。

【発症の経緯】

 2歳5ヶ月ごろに37.2度前後の微熱が出て、食欲もなく、不機嫌に泣くことが多かったので、かかりつけの病院で診察を受けました。風邪ということで薬を服用し、様子を見ていましたが、微熱が続き、少し遊ぶと寝そべる日が多く、片足を突っ張らせてぎこちなく歩くようになったのが気になり、再度病院へ行きました。診察後、血液検査をしましたが異常なく、また、整形外科にもかかりましたが、成長期で足の筋肉がついていけないため、よく歩くようにと言われました。冬の寒い日でしたが、毎日散歩にでかけました。抱っこをせがみぐずることもあり、歩いてもよく転ぶような状態で、日に日に体調が悪くなる不安もあって、2歳6ヶ月のときに名古屋第一赤十字病院の小児科で診察を受けることにしました。
 すぐ検査入院し、血液、脳波、骨髄液、そして最後のMRI検査から脳の脱髄症状が確認されました。その時点でMLDの疑いもありましたが、ゆっくりでも日常生活をしていたため、他の疾患を前提とした治療が進められました。その後は一時的に走れるような状態まで回復しましたが、水疱瘡にかかり、それが完治したすぐ後で40度の高熱が続き、はじめての発作がおきました。こういった状況の中で急激に症状が進み、3ヶ月くらいの間にほぼ寝たきりになりました。入院中、白血球と線維芽細胞の検査を受け、MLDと診断されました。

【医療機関との協力】

 入院中は病気の進行を少しでも早く止めたい一心で、骨髄移植をする方向で進め、ドナーの方も最終検査までしてもらいましたが、病気がそこまで進行した状態でリスクの大きな移植を受けることへの迷いがでてきて、結局断念しました。退院後は月1回の小児科の外来と、週1回のリハビリで通院しています。

【現在までの症状】

 自分の体が動かなくなった歯がゆさと、強い緊張の恐怖から、たびたび興奮状態になり、毎日抱っこの生活が続きました。病気になって初めての夏、3歳になった頃、口から食事や水分が十分摂れず、むせやすくなったため、よく病院に点滴に行きました。本人もそれが負担になってきて、ぼーっとした無気力状態が続き、体重も減る一方でした。チューブを入れることに抵抗もありましたが、3歳2ヶ月から経管栄養をはじめることになり、練習のため2週間ほど入院して、その間に体調も回復、表情もずいぶん穏やかになりました。3歳7ヶ月、風邪で3週間入院。高熱と呼吸を止めるような発作を繰り返し、デパケンを服用、眠らないため、トリクロ、ダイアップセニランを交互に毎日使用しました。その後は視力の低下や体温調節が悪くなり、夏と冬は特に気をつけて体調を見ています。それ以降は高熱がでたり、大きな発作を起こしたりということはないのですが、温度や湿度の変化で、痰がからむことがあり、吸引を行っています。
 現在は落ち着いている日が多いですが、まれに眠らない日があると思えば、眠り続けるような睡眠のむらがあり、以前はセニランやダイアップで対応していましたが、今は使用することで痰がからんだりむせたりすることが多く、使うのを控えています。

【日常の療育】

 小児科の外来は月1回、リハビリは月2回のペースで通院しています。また、足の緊張による股関節の脱臼の可能性があるため、定期的にX線による検査を行い、整形外科の診察を受けています。体調の良い時期に、気分転換を兼ねて旅行にも連れていくようにしています。

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