トルコ旅行記(6日目)


6月25日

 代わりばえしない、ホテルのバイキングで食事を済ませたあと、今日はボスフォラスクルーズに出ることにする。
 再び、トラムでエミノニュまで行き、チケットを買い船を待つ。
 クルーズの船に乗る人はそれほど多くなく、せいぜい40〜50人程度。船の大きさからすると余裕である。日本人を1人ほど見かけたが、他は欧米人か地元の人。
ボスフォラス大橋

 船では、側面が大きく開かれたあたりの席に陣取る。天気は薄曇りといったところ。船はエミノニュを出て、ドルマバフチェ宮殿、ルメリヒサールと、沿岸を進んでいく。ドルマバフチェ宮殿は、オスマントルコの晩期の宮殿。ルメリヒサールは、ビザンチン帝国攻略時にトルコが建造した要塞である。途中、ボスフォラス大橋 (写真) をくぐる。瀬戸大橋を電車で渡ったときほどの驚きはない。
 第2ボスフォラス大橋が近づいてきたころ、ちょうど向かい側に座っていた、トルコ人の青年が日本語で話しかけてきた。向かいに座っているカップルの視線がなんとなくさっきから気になってはいたのだ。ずっと、話しかけようとしていたらしい。
 彼らは、どちらも、日本語の勉強をしているとのことである。日本語の簡単な会話はなんとか出来た。彼は18歳で働いており、彼女は22歳くらいで、学生をしているとのことだった。
 これ幸いとばかりに、こちらも、この後、途中で下船したら、バスとかがあるのかということを聞いた。要するに、どこで下船するとか、帰りも船で帰るとか、ちゃんと決めていなかったわけである。
 彼らから得た情報をもとに、ヨーロッパ川の最終寄港地である、ルメリ・カヴァウで下船して、バスで帰ってくるというプランにする。
 それから30分ほどでルメリ・カヴァウに寄港。彼らとはお別れである。親切な人達であった。感謝感謝。

 ルメリ・カヴァウからイスタンブール新市街方面へのバスは1時間に1本であった。なんか突然田舎に来てしまった感じである。店もそんなに多くない。とりあえず、バスの時間まで30〜40分ほどあったので、昼飯をとることにする。
 海に面したレストランに入る。魚料理のレストランで、メニューがよく分からんと言ったら、食べる魚をウインドウの中から選べと言う。ただ、みなそれなりにいい値段がしていたので、一番安い魚にしてもらった。
 しかし、これが時間がかかってなかなか出来てこない。バスの時間は迫るし、乗り過ごすと1時間待ちになるしで、えらい焦る。さんざんせかして、料理が出て来たのは、バス発車の10分前くらい。しかし、こういう時に限って、うまいんだよな。得体の知れない白身魚であったが、あっさりした塩味に仕上がっていてうまかった。けれどもバスは来るので、食い散らかす感じであわてて食べて、2人とも断腸の思いでバス停に走った。
 おかげで、バスにはなんとか間にあった。もっと、ゆっくり食いたかったな。全く。

 トルコは乗り物の値段がやはり安い。新市街までバスで30分ほどの距離を戻ったのだが、1人5万TL。でも、まあ、そうだろうなというぐらいバスはぼろい。運転手のすぐ後ろの席に座っていたのだが、どんなにすっ飛ばそうと、スピードメータが0のまんま。しっかり壊れている。さらに、トルコのバスって、乗降用口の扉を開けて走ります。ま、暑いからだろうけど。もちろん冷房なんてないし。

 バスは、海沿いの新市街のはずれあたり(名前を忘れた)で終点である。そこからは、ドルマバフチェ宮殿が近いので、とりあえず歩くことにした。
 宮殿前で記念写真を撮った後、いよいよ楽しみにしてた軍事博物館に向かうことにする。お目当てはメフテル(軍楽隊)の演奏である。地図で見ると、歩いて行けそうな感じの距離にも見えたが、2人とも結構へばっていたので、タクシーを拾うことにする。タクシーはぼったくられるということで敬遠していたが、ちゃんとした運ちゃんにあたったらしい。10分ほどの距離であったが、およそ、50万TL。
 結果的に見ればタクシーに乗ったのは正解だった。というのは、直線距離は短くても、新市街の中心部というのがかなり高台にあるからである。こんな高いところをかつてのオスマン艦隊は越えたのか、と変に感心したりする。

 軍事博物館は、かなり立派な建物である。係員も多いし、展示物もすごく多い。ただ、平日ということもあって、そんなに混んではいない。やはり、欧米の観光客が目立つ。おそらく、展示物を見るために来てる人はほとんどいなくて、メフテルの演奏を聞くのが皆の目的である。
 毎日、3時から4時の間に、休憩をはさんで、2度演奏がある。演奏会場は立派なホールになっていて、およそ200〜300人くらいは収容可能である。
 3時になると、ホール背面の壁が左右に開いて、メフテルが行進曲を演奏しながらに入場してくる。壁の向こう側は中庭につながっていて、噴水のわきをメフテルが更新してくる。写真を撮って下さいよという絵だったので、写真をしっかり撮った (写真)
メフテル  メフテルの音楽は結構有名で、私も知っていたのだが、相棒は知らなかったらしく、たいそう感激していた。やはり、実際の演奏を間近に見て聞くというのは迫力がある。とくにこの手の音楽は。
 感激の中に2回の演奏は終わった。相棒は疲れたのか、2回目の演奏中寝ていた。こんなににぎやかな中で寝ることが出来るとはたいしたものである。出口でCDを販売していたので、しっかり買った。1枚100万TLと非常に安い。

 その後、新市街の中心部のタクシム広場まで歩いて、トラム、地下鉄を乗り継ぎ、ガラダ橋まで移動する。新市街のトラムは、「ちんちん電車」と言った風情で、新市街のメインストリートをのんびりと走っていく。地下鉄は「世界一短い」という名のとおりかどうなのかはわからないが、あっという間だった。新市街が高台のため、かなり急な勾配を降りていく。
 そこからガラダ橋を渡って、再びトラムに乗り、ホテルに帰る。疲れたので、昨日と同じレストランで、ケバブ。さすがに日本食が恋しい。

 ブルーモスクのライトアップを見に9時頃に外出する。実の所、出かけるのが面倒くさくなってて抵抗があったのだが、相棒がどうしてもというので行くことになったのであった。結局は行って良かったので、相棒に感謝した次第。
 ブルーモスクのライトアップが始まる前は一種のショーである。音楽と、なんやらよく分からないナレーションとともに、いろんな色やパターンでブルーモスクが照らしだされる。それが、5分ほど続き、最後にブルーの照明に落ちつく。
 三脚がなく、この美しい様子を撮影できなかったのが残念であった。

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