カイコウラの楽しみ方はまだまだあります。アルバトロスツアーというのがあって、その大きな鳥の姿が見られるのもいいかなとも思ったのですが、やはり宿から歩いていけるシールコロニーを訪ねつつ、半島一周を歩いて回ることにしました。
シールコロニーで思い出すのは、オーストラリアのカンガルーアイランドでのシールたちです。ここも決まった海岸に休んでいるアザラシがいるという場所で、南極から吹き付ける風の中、なかなか見応えのある所でしたが、ここはどんな感じなのでしょうか。
宿からひたすら海岸線に沿って歩いていきます。何度か入り江を越えていくと何か突然のことでした。灌木の向こうに黒いものがある。そう、砂浜ではなく草原や岩の上に思い思いというか無造作にアザラシがいるのです。しずしずと行くと、かなり近くまで行っても全く動く気配なし。海で疲れた身体をゆったりと日の光を浴びることによって回復させる、だからひたすらのんびりするんだ。俺たちの邪魔はしないでね、といった雰囲気が伝わってきます。海の中では颯爽と泳ぎ回る彼らも、陸の上ではドテドテというか、ヨチヨチとしか動けないのですから。こちらも刺激しないように、でも近くで見たいからゆっくりと動き、じりじりと近づいていきます。そうしているうちに、結構近づくことが出来るようになりました。まあそこいら辺は節度を持って一定の距離は保って置くことにしましょう。
海からシーカヤックで訪れる人もいたりして、皆それぞれの楽しみ方をしています。素朴ながらもなかなか楽しいコロニーでした。