Ai Nikkor 135mm F3.5

Aiニッコール135mmF3.5

Last update 13/09/2002

Ai Nikkor 135mmF3.5

【Ai Nikkor 135mm F3.5の外観】

 Ai Nikkor 135mm F3.5は、Ai方式の非Sタイプの望遠レンズである。全長は9cm足らずで、この焦点距離にしてはコンパクトで旅行や登山に向いている。 鏡胴は当然アルミ合金製である。絞り値や距離目盛はきちんとエングレーブされて墨入れされている。 被写界深度標はカラフルで、望遠レンズの割には細かく入っていてF8、F16、F22、F32が刻まれている。

 フードは組み込み式で、引き出して使う。ニコンの組み込み式フードはどれもやや短めだ。 それでも別に長いフードを持ち歩いたりするよりはマシと思っている。 古い135mmF3.5・105mmF2.5用のスプリング式フード(HS-4)も使えるが、このレンズの中古価値に比べて HS-4フードの値段が高いので手に入れていない。

 ヘリコイドはやや重いが、これは私所有のレンズ固有のものかもしれない。 フィルター径は多くの単焦点共通の52mm。 コーティングはグリーンのマルチコートの面とシアンの面がある。

Ai Nikkor 135mmF3.5

【Ai Nikkor 135mm F3.5の操作感】

 Ai Nikkor 135mm F3.5のピントリングは無限遠から最短1.3mまで約220度回る。 最近のレンズはピントリングの回転角が小さくなってしまって、微妙なピントあわせが 難しいレンズも多いが、このレンズは遠距離でも微妙なピントあわせが可能だ。 反面すばやいピント合わせは苦手だったりする。 このレンズの後に出たSタイプの方はもう少し回転角が小さくなっている。 MF用のAiレンズなのでピントリングはグリスのねっとりとした感触を伴いつつ滑らかに回る。 組み込み式フードもスムーズに引き出せ、最大に引き出した状態では摩擦が大きくなっていて 勝手に引っ込まないようになっている。

 絞りリングは金属のカチカチという感触とともに滑らかに回る。 クリックは1段ごと。F3.5とF5.6の間にF4の表示はないがクリックはある。

Ai Nikkor 135mm F3.5

【Ai Nikkor 135mm F3.5の描写】

 Ai Nikkor 135mm F3.5の色調はニュートラルだが、やや渋めの発色かもしれない。 この当時(1977年発売開始)のニッコールとしては普通の発色傾向と思う。 4群4枚という単純な構成なのでヌケはよい。  絞り開放からコントラストはかなり高く、非常にシャープ。 いかにもニッコールというコントラストの高さだ。そして解像度も高い。 単純なレンズ構成で価格も安かったレンズだが、あなどれない。

 特筆すべきはシャープなのにボケ味が良好なことである。 二線ボケや口径食がない。背景が渦巻いたりせず、 点光源のボケがほとんど円形になっている。 また、ピントが非常にシャープなため、ピントの合ったところとそうでないところが はっきりしている。少しでもピントがずれるとボケる。 被写界深度内であってもピントの合っている点はただ1点。 個人的には半段絞ったF4あたりで撮影するのが好みだ。  逆光には比較的強いが組み込み式フードが短いのでハレ切り等併用したほうがいい。

【Ai Nikkor 135mm F3.5その他】

 このレンズ、ある写真家のサイトでピントがシャープとされていたので購入した。 現在は後継のSタイプも含めて製造中止だが、もともと廉価なレンズで製造本数も 多いので中古価格は非常に安い。安すぎるので中古カメラ屋が扱うのを 嫌がるのか、探すと意外になかったりする。MFレンズをよく扱う店、廉価なレンズも 扱う店で探せば見つかる。

 重いF2.8クラスの望遠ズームを持ち歩くことを考えればコンパクトでシャープな 本レンズはお買い得と思う。重さで4分の1以下中古価格で10分の1以下で 性能は勝るとも劣らないのだから。 

【Ai Nikkor 135mm F3.5の仕様】

焦点距離;135mm/口径比;1:3.5/最小絞り;F32/レンズ構成;4群4枚/
画角;18°/絞り羽根枚数;7枚/最短撮影距離;1.3m/最大撮影倍率;1:7.5/最大径;φ65/
フィルターサイズ;φ52/全長;89.5mm/重量;400g/
その他;内蔵式組み込みフード

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※2002年9月13日作例「Yokohama」追加

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