猫時間通信

2002年12月

 

■2002/12/21■ 赤穂の天塩

Links! Links! に1件、追加。


赤穂の天塩。値段の割にいい味で、たいへん重宝していたが、今月買ったら、今までと違う。なんか妙にさらさらしていて、味も変わってしまった。塩加減を考え直さなきゃいけないし、前のほうがよかったような・・・。


■2002/12/19■ 読み物、聴くもの

XML Japan 2002のページにも書いたけど、来月のJavaWorld誌に載る難波氏の記事、面白いです。携帯電話のJava環境で、実際にXMLを扱うアプリケーションを動かすもの。内容だけでなく、この方の所見自体も面白く、読み応えあります。


闘病通信」の「●後書き●」を公開。長めです。でもまぁ、重く受け取らず、軽く読んでください。


先月末に出た岡野玲子「陰陽師」第11巻は、第10巻までじっくり説明が行われた話を土台にして、急激かつたっぷりと展開していく。天智・天武から始まった都の文化が、終わる瞬間。その瞬間が、安倍晴明が史実に名前を出てくるととらえる炯眼(当たり前だと作者から言われそうな気がする)。そして、この厚さ、この内容の濃さ、この印刷の美しさ。これで価格据置ですから、驚いた。ご丁寧に巻末に解説まで付いている。というか「ここまで書いてまだ解説がいるか?」と編集にこぼしてますが、本編でじゅうぶんに話が展開されていると私も思う。それでも解説があるのは、ファンサービスなのでしょうね。

年末はいろいろな漫画や小説の単行本が一斉に出るので、どれを買うか迷うのだが(他にもいろんなものがいっぱい出るからねぇ、私のも年末だし)、とりあえず気に入ったのは、西村しのぶ「ライン」第3巻と、岩明均「エウレーカ」(全1巻)。「ライン」はいつもの西村しのぶの世界。ヤングユーの連載より安定していて面白いぞ、なんであの「アルコール」は今一つなのか。

「エウレーカ」は、古代ローマが帝国になる前(共和制時代)、カルタゴが北アフリカを中心に覇権を争っていた頃、シラクサの天才数学者アルキメデスにまつわる人々の話。戦争、武力、技術開発、政治。技術が国境やそれまでの習慣や道徳まで変えていく現在こそ知るべし、という話だ。岩明均の歴史物は、読むに値する。ただ、これは「剣の舞い」に比べるといまひとつか。いいんだけど。

「本格小説」と「陰陽師」があまりに面白かったので、今年は何を読んでも少々かすむ・・・


今年は第9の当たり年らしく、年末に向けて3枚も出た。サイモン・ラトル/ウィーン・フィル、小澤征爾/サイトウキネン・オケ、佐渡裕・新日本フィル。全部ライブ録音。サイトウキネン・オケと18世紀オケ以来、ライブははやりか(そういえば、佐渡の師匠、バーンスタインもウィーンフィルとのライブがあるな)。

試聴盤で聴いた限りでは、どれも買うほど食指が動かなかった。小澤はモダンな正統派、佐渡は巨匠的な正統派。ラトルはすべてを一度洗い流して、楽譜全てを読み直す。買うなら、ラトルかなぁ、合唱のアクセント制御もすごくおもしろい。でも、なんだかいまいち。このやり方をもう数年かけて極めて、ベルリン・フィルと入れてみたら面白いだろうな。というのは、ベルリン・フィル就任記念ライブ、マーラーの5番、これが結構良かったのだ。ラトルにベルリン、小澤にウィーンは、実はすごくよかったのかもしれない。実際、活気づいてるし。

第9は、19世紀の入り口で生まれ、19世紀の西欧を方向づけた音楽だ。それが21世紀の始めに続々と出てくるのは、象徴的。20世紀が19世紀からの連続性を持ちつつ変化していった側面があるのに対して、21世紀は少々勝手が違うように感じる。第9は復古なのか、そうでないのか。それは我々が生きながら示していかなければいけない、ということだろうか。

そういや、近々出る雅楽のCDもあったな・・・。


 

■2002/12/16■ iTunesの音

沖データ通信のプリンタMicrolineシリーズのドライバが、Mac OS X 10.1〜10.2で正式版となった! うれしい!


私の自宅でのメインとなるコンピュータ環境は、Macintoshだ。よく聴くCDをiTunesにリッピングして、ヘッドフォンで流したりする。音はあまり良くないが、コンピュータのノイズ(ハードディスクやファンの音)を遮断する、一番手っ取り早い方法なのだ。

最近、Mac OS XではCarbon Sound Managerが新しくなった(ソフトウェアアップデートで自動更新される)。これ、要するにiTunesを含むCarbon環境(MacOS 9とMac OS Xで共通に使えるソフトウェアを作る土台のこと)で、音を扱うソフトウェアが新しくなった、ということ。

結果的にどうなったかというと、iTunesの音が変わった。耳が痛くなるような音が減って、前より高域が少し伸びている。全体に、曇っていたガラスを拭いて、前よりいくらかクリアになった印象。また、音量が前より控えめになった気もする。これって、私だけの現象だろうか。音がよくなったのはうれしいけど、音量やら何やら、今まで慣れていた環境も一緒に変わってしまって、慣れるのに少しかかる。


■2002/12/12■ TRONSHOW 2002、ASIMO

TRONSHOWを見学兼取材。今年はものすごい盛況で、昨年までと人の入りが全然違う。昨年、T-Engineを発表した時は、この不況下で何もしなかったらいかん、と坂村先生が檄を飛ばし、いち早く開発に名乗りを上げた企業以外はほとんど皆が及び腰だった。今年はまったく違う。T-Engineが従来のTRONアーキテクチャを発展させて、非常に速く開発を可能にするレベルに持っていき、効果を出していることから、多くの企業が「我が社も対応しています!」と競って参加、テレビ取材も入っていた。

TRONというと、地味な業務用機器か、パーソナルメディア社のBTRON多国語対応の「超漢字」がいつも話題の中心だったが、今年はT-Engineがユビキタスの大きな勢力になっていることをはっきり伺わせるものだった。

しかし、むしろすごいのは、8ビットのマイコン用にITRONの最小仕様を1985年あたりに始めてから、基本構造をほとんど変更せずに、32ビット組み込みCPU(メモリもメガバイト)時代に到達しても続けられる仕様ではないだろうか。拡張性と将来性も考えられている。ただ、さすがにメモリ保護やプロセス保護が必要になってきており、今年のITRON関連ブースは皆、それを強調していた。この分だと、簡単にSymbianやMicrosoftに取って代わられることはないと思う。というか、そうであるべきだ。


ホンダのASIMOが「知能を持った」として、ソフトウェアを含めたデモがプレスに向けて行われた。その様子を、PCWatchの記事から見ることが出来る。

これ、一般の方々が見たら「お〜、すげぇ〜!」となるのだろうか。

白っぽい壁、そこに赤と黒のツートンカラーの女性がいて、ASIMOに声をかける。音声認識は最近は結構なレベルで出来上がってきているし、この条件は機械認識側にとって、相当に見分けやすい条件である。現在安定しているソフトウェアを見せただけかもしれないが、人物の認識や、聴覚での聞き分けも、もっと進んだ研究がある。たとえば産業技術総合研究所や北野共生システムプロジェクトだ(学会発表などが中心なので、目に触れる機会が少ないのかもしれない)。北野共生システムプロジェクトは、今月出る私の著作でも軽く触れている。

一つの私企業がここまでやったのは、本当に快挙。ホンダには拍手を送りたい。ただ、日本はもっと様々な開発が行われていることは、もっと多くの方々に認識してもらったほうがいいのではないか。


■2002/12/06■ 京都ページを更新

寒暖差が激しいが、今日の夜から冷えるそうな。


京都ページ・観光を更新。取り上げるスポットを増やしたわけではないけど、今まで取り上げたもののデザインを一新(ここ1ヶ月ほど、少しずつ空き時間を集めてやっていた)。フォーマットに一貫性を持たせて、自分でも利用しやすい方向にまとめ直した。やっと芯が定まった。この方向で、少しずつ増やしていきます。


■2002/12/04■ 久々の雨

雨がざーざー降っている。久しぶりだ。

対外的な活動が多かったためか、少し内省モードになる。猫なら眠るところだけど。


11月末はXML Japanに関係して少々忙しく、少々風邪がひどくなったが、なんとか持った感じ。最終日はのどががらがらになっていたが、熱は出さずに済んだ。というか、それまでこもっていた風邪の症状が、イベントで自分の持っているものを出すモードに入った瞬間に、表に出てきた感じ。整体でも同様のことを指摘されて、やっと少し落ち着いた。

こういう時に、身体はやはり右が前に出ている。姿勢を整えつつ、お腹に心が落ち着いていくのがわかるのが、不思議。それとともに、やっと内省が可能に切り替わる。要は、ハイになったまま戻っていなかった。私、これが多いなぁ。


 


猫時間通信・目次へ