洛西:黄檗

 

宇治の手前にある

ここも有名な宇治同様、市中よりかなり離れています。宇治の手前にある、くらいのつもりで計画を立てるほうがいいでしょう。実際、宇治を見て廻り、帰りに途中下車して黄檗に寄る、というコースも可能です。

とても静か

JR奈良線、あるいは京阪宇治線の黄檗駅に降り立ちます。市中からだと、京阪のほうが便利かもしれません。

京阪の黄檗駅から降りて、踏み切りを渡り、静かな住宅街を歩いていくと、忽然と大規模な寺が現れます。黄檗山萬福寺です。

萬福寺の項に記してありますが、ここの最大の特徴は明時代の仏教と、それにまつわる文化を直接持ち込んだ点です。しかし、そういうことをまったく知らなくとも、市中から離れた山の麓で座禅に勤める人々がいたことを考えると、ここの静けさと、地味な空気と、それにもかかわらずあでやかな原色が煌めく様は、不思議な調和を感じさせるものがあります。

食べることに関心がある向きなら、予約の上で普茶料理も味わえます。

ちなみに、すぐ北には宝蔵院という塔頭があります。ここは江戸時代に入って初めて制作された、普及版の大蔵経の収蔵庫が公開されています。江戸時代に行われたNPO的な文化事業の一つを、現在でも使っている様子が見える、大変貴重な場です。

黄檗に近い三室戸

なお、黄檗だけなら、ほとんどこれだけで終わりです。宇治とのセットが多いことは、最初にも触れました。

他に、京阪宇治線で次の三室戸駅で降り、15分ほど山へ歩いた先に、三室戸寺があります。平安京以前に開創され、平安の仏像(建造物は室町期)、ツツジや蓮などの庭園がつとに有名です。宇治を簡単に済ませるなら、こちらもコースにいれる手もあります。