• [種別]寺院
  • [名称]仁和寺
  • [宗派]真言宗、門跡寺院
  • [地域]洛東の有名観光コースではやや南寄り。南禅寺から神宮道を南に進む。あるいは、円山公園から知恩院方面へ北上していく。
  • [特徴]平安初期の仁和年間、宇多天皇の創建。門跡寺院として、つとに有名。地名が御室となるのは、宇多天皇退位後の御所がここにあったことに由来する。
  • [拝観料]2002年、寝殿500円。(オンシーズンに霊宝館の拝観あり、500円。)
  • [+α]周囲に高い建物がまったくなく、五重塔と寝殿、金堂の美しさを堪能できる。嵯峨野大覚寺と並ぶ大きな境内だが、こちらは大きく優雅で力強い。境内だけでも見る価値あり。

概略

大覚寺、曼朱院、青蓮院と並ぶ門跡寺院(皇族が出家すると入寺するところが門跡寺院)。仁和寺は歴史も古く、実際に法親王が住職を務め続けたお寺。

大きな門、入ると白い砂利が広がり、左手に寝殿と勅使門、右手に霊宝館。まっすぐ眼が五重塔へ伸び、そちらへ進めば小さな門。そこから上っていくと、金堂と五重塔を間近に出来る境内へ。小門の左手に、有名な御室桜が広がります。この境内だけなら、無料です(ただし、桜の季節は花見料がいります。)

旧御所の遺構、御室桜

青蓮院のように庭を楽しむというより、御所から移築された遺構が目に入ります。寝殿の美術も悪くないですが、庭越しに見える大きな勅使門、またそれらが周囲の壁や屋根と大きなバランスをとるところなど、大きく力強い建物でありながら、細工の優雅さが併存しています。それは紫宸殿から移築した金堂も同様です。建材の作り出すラインに、清潔な印象があるのですね。

御室で有名なのはもちろん桜。ここでの花見は2001年の旅日記に書きました。暖かさが本格化する4月中旬から下旬、花に酔えるすてきな光景。ただし、夏でも葉が生い茂り生命力豊かな桜を見る楽しみもあります。

霊宝館

春と秋の観光シーズンには、霊宝館の一般公開があります。別料金ですが、常時公開の寝殿よりも見ごたえがあると個人的には感じています。たとえば、門跡のつけていた筆書きの帳面に宿曜経(仏典の中で、インド占星術の理論を伝える)などを学んだあとがかいま見えたり、雅楽の美しい楽器が並んでいたりすると、何を見、感じ、考えていたのか、いろいろ想像が広がっていきます。それは、通常の公開ではなかなか得られない想像です。