概略
臨済宗は南禅寺派の総本山。そして、本山の周囲に塔頭もあり、それぞれ見所多数。永観堂からたどり着くと、脇の門からぐるりと廻って山門に至ります。観光バスは幅の広い参道を通って、駐車場から山門に至ります。とにかく大きく、周りには湯豆腐料理を供する店が建ち並びます。
山門
山門は、方丈とは別に拝観料が必要です。ただ、昇ったことがないなら、一度は急な階段を手擦り伝いに上に行ってみるのも乙なものです。
石川五右衛門の「絶景かな絶景かな」、三島由紀夫「金閣寺」で小僧が隣の金地院の茶席を覗き見る場面など、文芸の名シーンに登場してきましたが、それだけでなく、見晴らしよい東山のお寺を廻る楽しみを理屈抜きで味わえます。現在は街中に高い建物があり、見晴らしは悪くなっていますが、やはり楽しい。
方丈
方丈は、小堀遠州の枯山水、狩野探幽の襖絵が特に有名。虎の絵はインパクトがあります。たいてい混雑しているのですが、ここは天竜寺や東福寺のように空間に余裕があるので、割合ゆったり見られます。
個人的には、真夏、さるすべりの咲く時分に訪れるのも好きです。枯山水を見て、襖絵を少々暗い光で鑑賞してから、奥の庭に出て視界が開ける瞬間、苔の絨毯に紅のさるすべりが落花し、補色が目に焼きついてきます。特に美的というのではないのですが、やはり補色の印象はとても強いです。
南禅寺周辺
さっぱりした禅のお寺らしい空気を味わいつつ、近くにある疎水のインクライン、塔頭の南禅院、天授院、金地院などを見る楽しみもあります。
参道には湯豆腐の名店やら、天ぷらのお店やらが並んでいます。個人的には特に好きなお店はないです。いずれにせよ、東山を銀閣寺から下ってくると、このあたりで空腹になります。ここで食べるか、岡崎方面(動物園や平安神宮のあるあたり)に出て食べるか、どちらかしかないようです。
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