• [種別]寺院
  • [名称]永観堂(正式には禅林寺)
  • [宗派]浄土宗西山禅林派総本山
  • [地域]洛東の有名コースでは、中部に位置する。哲学の道より南下する。また、南禅寺の北。
  • [特徴]平安初期に弘法大師高弟が創建。後に永観律師が念仏修業をしたことで知られる寺。東山の紅葉が美しく鑑賞できるところとしても有名。
  • [拝観料]2002年、600円(紅葉の11月は値上がりする)。
  • [+α]個人的には紅葉より新緑がお薦め。

概略

正式には禅林寺といい、浄土宗のお寺。哲学の路からさらに南へ下ると、洛東高校が見えてきます。そのすぐ先。

東山の斜面を利用した造り。玄関から廊下を通ってお堂を進むに連れて、回廊を上がってはお堂に入る、それを繰り返す構造です。秋の紅葉が有名ですが、一年を通して有名なのは、みかえり阿弥陀と呼ばれる仏像。念仏修行に励んでいた永観律師(平安中期)がいつものように歩みつつ念仏を唱えていると、ご本尊がともに歩んで念仏を唱えだし、驚いて佇む永観に「永観遅し」と叱咤したという由来。

どの季節に来ても落ち着いた佇まい。ただし、春と秋の混雑もすごいです。

山の斜面を利用していることからわかるように、明るくからっとした印象はありません。そういう空気は禅寺に多く、ここはもっととろりとした山の空気をふんだんに残しています。

妙な経験

私はここで以前、妙な経験をしています。回廊を歩いて、ご本尊のあるお堂へ向かう時です。障子が閉まっていましたが、「障子を開けてご自由にお参りください」と書いてあります。男性や女性の話し声が聞こえています。何を話しているかはわかりませんが、先客がいらっしゃるかと思いつつ、優しく障子を開けました。

誰もいません。とりあえず、お参りだけすると、回廊へ出ました。やはり誰もいません。何となくそのまま先へ進みました。別に怖くはありませんでしたし、嫌な気配もなかったし、変なことも起きませんでしたが、印象深いことではありました。

大学1年が終わった際の春休み(とは言っても2月)の経験です。寒くて人も少なかったことを、よく覚えています。