2000夏京都・7/31

●ゆっくり歩こう

最終日は目的地に向かうのを止め、とにかくぶらぶらすることにする。土産選びなどはあるが、基本は足の向くまま、気の向くまま。
チェックアウト後、クロークに荷物を預けて出発。

●寺町二条界隈から八坂神社へ

二条界隈は昨日ブションで夕食をとったが、まだゆっくり歩いていなかった。少しペースを落として、二条寺町から北へ向かい、丸太町通、御所の南端まで。

ツレにつきあって書の店を数件、また古道具屋なども少し見ていると、三月書房を発見。一見、京都の商店であり、ただの街の本屋なのだが、サブカル的蘊蓄本の在庫多数。店主の趣味で統一されたそこは、いってみれば工作舎やペヨトル書房の書店版。1980年代の文化系オタク街道まっしぐら、しばらく見入ってしまう・・・

丸太町から戻って、今度は寺町を南下。寺町京極も見つつ、八坂神社へと散歩が続く。

31日は祇園祭の最終日、疫神社(八坂神社境内にある)で茅の輪くぐりが行われている。連れが興味を持ち、並んで茅の輪をくぐっていく。茅の輪をくぐって神殿で神主にお払いを受けるのだが、どうも茅の輪のあたりに透明な膜があって、ぽよんと中に入る段階で落ちるものが落ちて、神主が払うと完全にきれいになるように見える。外から見ていると、とても不思議。

●お土産と昼食難民

鍵善良房の本店が混雑していたので、高台寺店へ向かう。八坂神社の南門から高台寺に至る途中。
ここも混雑していたが、本店ほどではない。必要なお土産を買っておく。せっかくなので、ついでに葛切りも食す。

戻る道すがら、八坂神社の近くにある「やよい」でちりめん山椒なども購入。

そろそろお昼なのだが、心当たりの店がことごとくタイミングが合わない。
祇園の萬樹は臨時閉店、先斗町の長竹も満員で入れず。これじゃ昼食難民。歩いていて頭に来てしまう。今回は中途半端に安いものを食べてしくじることがあったが、帰る日くらいは外したくない!

結局、先斗町と木屋町の間、先斗町歌舞練場の近くにある、町家を活かしたフレンチの店「コルドンブルー」に入ってみる。
ランチの終了間際だったようだが、にこやかに2階へと案内される。入ってみれば、一組しかいない。町家作りだが、冷房はよくきき、木屋町がすぐ近くと思えぬほど静か。
また、コース料理は、京野菜を使ったもので、箸でいただく。味に手抜きなし。会話を無理に中断しないサーヴといい、味といい、とても落ち着けた。

聞けば南禅寺の近くで町屋フレンチを始め、ここにも店を出したという。ジャズのライヴも時々行うという。落ち着いた食事にはいい店だ。

ただなぁ。コルドンブルーといえば、フランス本国での三つ星レストラン。喩えるなら、日本料理店をフランスで経営しようというフランス人が、「吉兆」とか「美濃幸」とか名乗るようなところがあるんだよな…
いや、とってもいい店なんですよ、それはいっておきます。

[注]コルドンブルー木屋町店はその後閉店されたが、南禅寺や岩倉の店は健在だそうだ。

●東へ

満ち足りた足取りでゆっくりホテルへ戻る。預けておいた荷物を受け取ると、京都駅へ。

新幹線に乗る前に、ジェイアール伊勢丹に寄ってみた。地下の食品売り場が思ったより充実していた。みやげも弁当も意外にある。
しかも 、ふたばの豆もちを発見、早速おさえた。これは帰りのおやつだ。至福。

新幹線が東へ動き出し、あっという間に鴨川と東山が背後に去っていく。
いつも思うのは「あぁ、もう帰るのか」。
なんだかまだまだ足りない。だから性懲りもなく何度も来てしまうんだろうな。

 


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