E-1で撮影したRAW形式は、Photoshop CSのRAW現像プラグイン(バージョン2.1)で現像しています。このプラグインには、色収差の補正など面白い機能が付いていますが、通常はデフォルトのまま使っています。
プラグインを使い始めてまもなく、あることに気付きました。RAW形式と同時に撮影したJPEG画像と比べると、RAW現像したJPEG画像の方は、色収差が減っているのです。色収差が小さい場合には、プラグインのRAW現像によって、色収差がほとんど消えてしまいます。
どれだけの効果があるのかは、実際の画像を見た方が分かりやすいでしょう。以下は、色収差がほとんど消えてしまった例です。画像の一部を切り取り、ピクセル等倍で表示しました。
E-1のSHQ
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プラグインのRAW現像
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ごらんのように、見事に消えています。ただし、例が悪いためか、RAW現像の画像は、単にモノクロ化したように見えますね。でも、そうではありません。他の部分に、ちゃんと色が付いています。RAW現像プラグインが生成するのは、色の乗りが悪い画像(彩度が高くないので、レタッチなどの後処理がしやすい画像)です。そのため、この例のように、たまたま色がないように見えることも起こりえます。
RAW現像プラグインでは、「高度な設定」の「収差補正」の中に、色収差を補正する機能があります。この機能がデフォルトで働いているのかと思いましたが、設定値はゼロ(つまり機能がオフ)のままでした。
それでは、どの機能が関係しているのでしょうか。それを調べるために、いろいろな設定項目を変更しながら生成し、関係している機能を見付けました。「詳細補正」の「偽色の低減」です。この項目の設定値は、デフォルトで25となっています。偽色をある程度減らすような設定なのでしょう。この値をゼロに変更すると、色収差の低減もなくなって、E-1のJPEG画像と同じ程度の色収差になりました。
これも、実際の画像を見た方が分かりやすいでしょう。「偽色の低減」をゼロに変更した以外は、デフォルト設定のままです。
E-1のSHQ |
プラグインのRAW現像
(「偽色の低減」がゼロ) |
プラグインのRAW現像
(デフォルト設定) |
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こうして画像を並べてみると、「偽色の低減」をゼロにした画像は、色収差が元と同じであることが分かります。それにしても、RAW現像プラグインのデフォルト設定では、色収差が見事に消えていますね。まあ、色収差が小さいからですが。
せっかくですから、色収差がもう少し大きな例も用意しました。残念ながら、色収差が大きなレンズって、E-1に付けられるものを持っていないのです。というわけで、探した中で一番大きな色収差の画像です(色収差が一番大きくなる、画像の四隅のカド、本当のカドでした)。当然、表示はピクセル等倍。
E-1のSHQ
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プラグインのRAW現像
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色収差を完全には消していませんが、かなり小さくなっています。これなら、ほとんど気にならないですね。こんなに効果があるなんて、凄いです。
色収差がこれ以上大きなレンズなら、撮影に使いたくないでしょう。と言うことは、RAW現像プラグインのデフォルト設定で現像している限り、色収差は気にしなくて構わないことになります。
それにしても「偽色の低減」って、どんな処理をしているのでしょうか。後で調べて分かったら、ここで補足したいと思います。