フェラチオが一番うまい♀職は――まーちゃん編

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「はぁい、ぺろぺろしてあげますよー、痛くないですからねー♪」
 まーちゃんがにこにこしながらそう言って、僕のズボンのひもを引っ張っても、まだ実感がなかった。
 ちっちゃな手が器用にひもをほどいて、下着ごとズボンの前を下げた。僕のてろんと垂れたものが、プロンテラ東のおだやかな陽の光の下に出てくる。あ、かわいいっ、とまーちゃんが目を輝かせた。それで僕は、彼女の幼い冗談なんかじゃないことを理解した。
 焦ってまーちゃんのクリーム色の髪を押す。
「だ、だめだよ、そんなことしちゃ」
「どうして? みんな喜んでくれますよ」
 まーちゃんはお団子頭を傾けて、不思議そうに言う。僕は驚く。
「みんなって……他の人にもしてるの?」
「はい♪ たまにそういう人がいるんです。まーちゃん、ぺろぺろしてくれないかなあって」
「どうしてそんなことするのさ」
「えっ? だって、お金もらえるんだもん。一回で300Kもくれる人がいるんですよ。あたしが一週間ミルク売ってもかせげません」
「そんなのいけないよ! そんなの……しちゃいけないんだよ!」
「どうしてー?」
 まーちゃんは本当に困ったように眉を下げる。
「みんな気持ちいいって言うのに……あたしも、ぽうっとなってあったかいのに」
「ま、まーちゃん!」
 僕が顔を真っ赤にして叫ぶと、まーちゃんは、ぱっと顔を輝かせた。
「あっ、わかった。アコさん、したことないんですね?」
「し、したことって……それは、その……」
「だからこわいんですね。よーし、それじゃあ教えてあげちゃいます。あたし指使いの練習してるから、気持ちいいですよお」
「だめ、だめだって――」
「だいじょぶ、今回はおまけします。次からはお金払ってくださいね♪ ……きっと、次も来たくなると思うから」
 そう言うと、まーちゃんは僕の膝の上にぽすっと伏せて、あれを両手でそっとすくいあげた。
「……あーむっ!」
「んあぁ……」
 可愛らしい唇があれを挟んだ。とたんに、くすぐったいようなむずがゆいような気持ちよさが、僕の腰をぞくっとふるわせた。 
「な、なにこれ……」
「んふふー、天国ですよ……」
 ぺろぺろと舌を動かすまーちゃんを見ながら、どうしてこんなことになったんだろう、と僕は考えていた。

「アコさん、元気ないですねー」
 人形屋の前で代売りが済むと、まーちゃんはそういって僕の顔をのぞきこんだ。しゃべり方も歩き方も、ぽわわんとしていて子供っぽい女の子だけど、クリーム色の髪をお団子みたいなシニョンにまとめているから、見た目も子供っぽい。
 まーちゃんっていうのは、そのせいでみんなにつけられた愛称だ。本名は確か、マーベラス……なんとか。でもまーちゃんのほうがよっぽど似合ってる。
 みんながまーちゃんって呼ぶんだけど、僕だけは反対に、彼女からもアコさんって呼ばれるようになった。せめてアコ君ならいいのに、女の子みたいに「アコさん」。つまりそれだけひ弱に見られてるってことで……とほほ。
 まあ、ひ弱は確かなんだけどさ。INT−AGI型で、先輩のプリさんから借りた水チェインで、ひたすらエルダーウィローを叩く毎日。カードなんかめったに出るもんじゃないからお金ももうからない。だから、せっせと集めた古木の露を、ちょっとでも高く売るために、まーちゃんに代売りを頼む。
 そうやって僕たちは仲良くなった。
 今日もそのために会ったんだけど、最近は転職間近だから追い込みをしていて、疲れ気味だった。その顔色を、子供っぽいわりに気配りの細かいまーちゃんに、見抜かれたってわけ。
「一日五時間以上狩ってるからね。さすがにつらいよ」
 僕がため息をつくと、んー、とあごに指を当てたまーちゃんが、顔を近づけて言った。
「それなら、元気が出るサービスしましょっか?」
「そんなのあるの?」
「はい♪ 仲のいい人にしかしないんですよー」
「じゃあ頼もうかな……」
「はあい、それじゃ、ちょっと街の外まで行きますね。ここだと人がいっぱい通って、アコさん恥ずかしいと思うから」
「恥ずかしい?」
「はい」
 まーちゃんは天使みたいににっこり笑った。なんだかわからないけど、こんな可愛いまーちゃんがしてくれるなら、ちょっとぐらい恥ずかしくてもいいかなあって思ってしまった。

 その天使みたいな顔のまま、こんなにいやらしいことをするなんて……
 丘陵の木陰で、僕のズボンと下着を脱がせてしまったまーちゃんが、本格的にあれをなめてる。
「ん、ちゅ、んぷ、うちゅ……」
 両手でそっと包んで、小さな唇で何度もキスをする。ぷにぷにの感触が気持ちよくて、僕は抑えようもなく大きくしてしまう。ぴんと立った恥ずかしいところの先を、まーちゃんがちゅむちゅむ吸って言う。
「アコさん、まだ帽子さんなんですね」
「ぼ……帽子さん……?」
「はい。先っちょの丸いのが、隠れちゃってる。出してあげますから、ちょっとがまんしてくださいね」
 くぷ、と優しくくわえたまま、まーちゃんがあれの皮を下に引っ張った。ずるっとこすれる感触がして、ひりひりっと痛んだ。
「あ、つう……!」
「あい、いま手当てしへあへまふよぉ……」
 鼻でそう言って、まーちゃんがちろり、ちろり、と短い舌を動かした。見下ろした僕は、かわいそうで胸が痛くなる。まーちゃんは、皮の隙間にたまってた白いものを、ていねいになめとっていた。
 こんなの、まーちゃんが汚れちゃう。
「まーちゃん、やめて、そんなの汚い……」
「いいんれふ、おひごとれすから。あたし、へいひれすよ♪」
「お仕事って、それはばいしゅ……うあっ」
 くぽっとくわえたまーちゃんが、先端の縁のところをくるくると舌先できれいにした。痛さと気持ちよさの混ざったしびれるような感じに、僕は後ろに両手をついてのけぞる。
「ま、まーちゃん……」
「気持ひいいれふか?」
「い、いいけどさあ……」
「やっら♪ もっともっと気持ひよふなっへくらさいね」
 そう言うと、まーちゃんはもう一度、まっすぐたった僕のあれを、根元から先までちゅぷぅっ、ちゅぷぅっ、と吸い上げた。
 口を離して、ぽてっとした手でしゅこしゅここすりながら言う。
「それに、あたしも……最近、この味好きなんです」
「あ、味?」
「アコさんのは、しょっぱくてちょっとツンって来るけど、にごってなくておいしいです♪ 騎士さんとかアサさんだと、運動いっぱいするから目にしみちゃって……」
 まるいほっぺたを、ぷにっと横からあれに押し当てる。
「アコさんのミルクは、どんな味かな♪」
「み、ミルク……」
「でもその前に、もっときれいにしてあげますね。狩りで汗かいて、気持ち悪いでしょ?」
「気持ちいいとか悪いとかじゃ……」
「したことないからですよお。すっごくすっきりしますから……それっ」
 黒目がちの大きな瞳を細めてほほえむと、まーちゃんは僕の腰をぐいっと持ち上げて、浮いた股のところにちゅっとキスした。
 それから舌を伸ばして、僕が耳まで真っ赤になってしまうようなことを始めた。
 あれの根元や、ふくろの周りや下側を、唾液をたっぷりつけた舌で、ぺろり、ぺろり、となめていく。陰になったところは鼻を押しつけるみたいにしっかりキスして、ちゅむちゅむ、と吸い取る。それからふくろをまるごとちゅぽっと口に入れて、くにくに、ころころ、とものすごく熱心に舌を動かす。
 恥ずかしさと気持ちよさで、僕はこわれてしまいそうだった。顔を押さえて地面にあおむけになって、何もできない赤ちゃんみたいにいやいやをした。
「まーちゃん、まあちゃぁん……」
「アコさん、かわいいっ♪ オトコの人って、こうするとすぐ赤ちゃんになっちゃう……たのしーっ」
 ふくろの下の筋をちろちろくすぐっていたまーちゃんが――ああ、ほんとに、ほんとにすごいことを――
 僕は悲鳴をあげて逃げようとした。
「そっ、そこはだめーっ!」
「いいの、あとで緑ポでうがいするから。あたし平気です……」
 僕の足を――大きく開いて――お、おし……
 とがった舌先が、ぞわぞわぞわっと寒いような気持ちよさを入れて来る。ぐいっ、ぐいっ、と腰が勝手に揺れる。まーちゃんに見られてる、まーちゃんに触られてる、まーちゃんが汚れてく……ひとがどうして悪いことをするのかわかる。悪いことって、とても気持ちいい。
 すっかりそこをきれいにしたまーちゃんが、ようやく僕のお尻を地面に降ろして、はふ、と息を吐いた。ポシェットから毒消しの緑ポーションを出して、くちゅくちゅうがいする。はあはあ息を吐きながら、僕は申し訳なくてあやまった。
「ごめん、まーちゃん。そんなことまでさせて……よくゆすいでね」
「はい、おちんちんにばい菌がついたらいけませんからね♪」
「はぅ……」
 まーちゃんは、自分の口よりも僕のあれを心配してる……
 うがいが済むと、まーちゃんはもう一度僕の股に顔を近づけた。いよいよですよー、とうれしそうに言う。
「アコさん、知ってますか。おちんちんからね、白いミルクがいっぱい出るんです。それは、とってもとっても気持ちいいんですよ♪」
「知ってるの……?」
「みんなそうなんです。あうあう言ってミルク出すの。もう、かわいくっておいしくって」
 そう言うと、まーちゃんはポリンみたいに無邪気でいたずらっぽい笑いを浮かべた。
「あのね、アコさんのはほんとに楽しみ。あたしもほんとは、かわいい人のがいいです」
「僕だって……汚いよ」
「ううん、違うの。だって何回も見たから。オトコの人のミルクって、まっしろできれいなんですよ♪」
 まーちゃんは、赤く充血している僕のものに息をかけて言う。
「アコさん、おちんちんもすてき。赤ジェムみたい光ってて、かわいい大きさで……食べちゃいたい」
 くぷ、とくわえた。
「ああああぁ……」
 僕はたまらず、大きく口を開けてあえぎ声を漏らした。まーちゃんが小さなおくちにすっぽりあれを飲みこんで、一生懸命くちゅくちゅする。目を閉じて、形を確かめるみたいに舌をぬるぬる張りつかせる。僕のはびくびく脈打って硬くなる。
 親指と人差し指の輪で根元を包んで、きゅっきゅっとしごき始めた。腰の中身がとろけて全部出ていってしまいそうな気がする。ううん、出してってまーちゃんは言ってるんだ。出していいんだ、汚していいんだ。
 本当はいけないんだけど、僕はそんなこと忘れてしまった。可愛いまーちゃんのきゅむきゅむ動くおくちの感触で、頭の中がいっぱいになった。
 あの、動物みたいになる理屈の通じない気持ちよさが、あれの中いっぱいにたまってきた。僕はまーちゃんの二つのお団子を両手でつかんで、ぶるぶる震えながら言った。
「まーちゃ……もうす……ぐ……」
「んむ、んむん、うんんっ」
 まーちゃんがこくこくうなずいて、あれの先の部分をくむっと唇で強く挟んだ。手を速めにしこしこ動かしながら、ちゅうーっ、と強く吸う。
 声を出したら気持ちよさが逃げてしまいそうだった。僕は声も出さずに熱いものを発射した。
「……っ……」
 びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅっ!
「んふん……」
 がくがく動く僕の腰から離れないように、まーちゃんが必死にしがみついた。そのおかげで僕は、一滴もこぼさずまーちゃんのおくちに吐き出すことができた。体中の筋肉が気持ちよさに引きつって、鳥肌が立っていた。
「はぁ……」
「んぷ……」
 出し終わってがっくりと腰を落とした僕から、まーちゃんが顔を離す。体を起こして僕の前に顔を近づけ、にこっと笑った。
 それから上を向いてほそっこい喉をさらして、こくり、こくり、と動かした。
 呆然とする僕に、まーちゃんはやがて、ぷはぁ、と息を吐いて言った。
「ごちそうさまでした♪ あったかい白ポみたいでおいしかったぁ……」
「まーちゃん……そこまで……」
「飲ませるの、楽しいでしょ? ……楽しくないのかな?」
「ううん……」
 理性が戻ってきた僕は、重い悩みにのしかかられてうつむいた。
「聖職者は……楽しいことしちゃいけないんだよ」
「えーっ、どうして?」
「理由なんかないよ。とにかく、えっちなことをしちゃいけないんだ」
「えっちなことって……なんですか?」
「こ、子供を作ることだよっ!」
「こども……?」
 僕は顔を上げた。まーちゃんはきょとんとしている。冗談じゃなくて、やっぱり本気みたいだった。
 この子、知らないんだ。
 僕はぼんやりと考えた。どうやって教えたらいいんだろう。翼のない鳥に飛び方を教えるような気持ち。しかも、飛んだら落っこちることもあるって教えるなんて……
 とてもじゃないけど、僕には無理だった。
 肩をつかんでこういうのが精一杯だった。
「まーちゃん!」
「きゃ?」
「もうだめだよ、こんなことしたら。好きな人とするんだよ!?」
「う、うーん……」
「まーちゃん!」
「……はぁい」
 まーちゃんはすねたように口をとがらせると、立ちあがって歩き出した。
「どこいくの?」
「アコさん、あんまり喜んでくれなかったから……あたしのこときらいなんでしょ」
「嫌いじゃないよ!」
「いいです、もう」
「まーちゃん!」
 まーちゃんはぽてぽてカートを引っ張って、プロンテラの城壁のほうへ行ってしまった。
「大丈夫かなあ……」
 いつか彼女が悲しい目に会うんじゃないか、僕は心配で仕方なかった。

 その予感は、当たってしまった。
 珍しく、雨の日だった。石畳も建物も灰色に濡れて、嘘みたいに露店の消えた大通りを、とぼとぼとまーちゃんが歩いていた。
「あ、まーちゃん?」
 図書館から出てきた僕は、偶然まーちゃんを見つけて、駆け寄った。よく見ると、様子がおかしかった。
「どうしたの、こんな雨の日に傘もなしで。それにカートは? あ、ほっぺた!」
 ふっくらしたほっぺたが、青く変色していた。思わずそこに触れると、まーちゃんは今まで僕に気づいてなかったみたいに、びくっと振り向いた。
「あ……アコさん……」
「これ、ぶたれたんじゃない? 大変だ、手当てしないと……とりあえずこっちに!」
 歩き出したけど、まーちゃんはなんだか空っぽな顔で立ったままだった。僕はまーちゃんの腕をつかんで、近くの空家の軒に入った。
「ほら、顔見せて……ああ、やっぱりアザだね。ヒール!」
 背の低いまーちゃんにかがみこんで、治癒してあげる。ぽうっと柔らかい光に包まれると、いきなりまーちゃんはくしゃっと顔を歪めて、ぼろぼろ涙をこぼし始めた。
「っく、ひっく、ひっく……アコさぁん!」
「ど、どうしたの?」
 まーちゃんを見下ろしていた僕は、彼女の足元に気づいて、はっとなった。ぽつぽつと雨粒の輪が重なる石畳の水たまりに、赤いものが広がっていく。
 まーちゃんの足をつたって、血が落ちていた。

 空家に入って、ベッドに座らせて、長い間頭を撫でてあげた。
 落ち着いてくると、まーちゃんはぽつぽつと事情を話してくれた。
「……今日もね、おくちのお客さんが来たんです。ハンタさんとプリさん。二人で500Kもくれるって言うから、がんばって気持ちよくしてあげたの。……でも途中で、ほんばんはいくらだって聞かれたんです」
「ほん……」
「わかんなかったから、できませんって言ったの。そしたら、二人が急にこわい顔になって、あたしをたたいて、ぎゅうって上に乗って来たの。重いですって言ってるのにどいてくれないの。それで、足をぐいって……ぱんつを……うわぁぁぁ!」
「まーちゃん、まーちゃん!」
 僕はまーちゃんの頭をぎゅっと抱きしめて、何度も言い聞かせた。
「大丈夫、もう大丈夫だから、ね? 落ちついて……」
「ひぐっ、えくっ……」
 涙でべしょべしょの顔でえずきあげると、まーちゃんはおなかの下を押さえた。
「ひくっ……まだ、すごく痛いの……」
「かわいそうにね……つらかったね」
「……アコさん、お願いです。ここも治して」 
 まーちゃんが僕を見上げる。
「お金ないけど……カートもとられちゃったけど……アコさんには、また、おくちしてあげますから……」
「まーちゃん」
 僕は、あえてぎゅっと眉をしかめて、怖い顔で言った。
「それは、お金と引き換えにしちゃだめなんだよ。前にも言ったでしょ。好きな人にしかしちゃだめだって」
「でも……」
「でもじゃないの。とにかくだめ。僕もただでしてあげるから、まーちゃんもお金をもらったり払ったりしちゃだめ。わかった?」
「……はい」
「ん、いい子だね。それじゃ……」
 僕はまーちゃんのぽてっとしたおなかの下に手をかざして、ヒールしようとした。すると、まーちゃんが手を押さえて、ふるふる首を振った。
「あの……見て、くれないですか」
「見るの!?」
「だって……どうなってるかわからないの。壊れちゃってるかも。こわいの……」
 僕はごくりとつばを飲んでから、あわてて自分に言い聞かせた。変なことじゃない、変なことを考えちゃだめだ。治してあげるんだから。
「わ……わかったよ」
 僕はどきどきする胸を抑えて、まーちゃんの前の床にひざまずいた。そうっとスカートを持ち上げる。「見て……」とまーちゃんが裾を持ち上げて、足を開いた。
 ズボンもパンツも、はぎとられていた。薄桃色のひざ小僧のあたりまで、白いももを赤い筋が下りていた。それをたどって奥に目をやると、ふっくらした太ももの奥に、あそこが見えた。
「う……わ……」
 興奮じゃなかった。悲しみを僕は感じた。まーちゃんのちっちゃなそこは、白いドロドロしたものと赤い血で、痛々しいぐらいに汚されていた。なんてことを、と怒りでこぶしが震える。
 それを抑えて、僕は顔を進めた。今は怒るときじゃない、優しくしてあげるときだ。
「ヒール……」
 ぽうっと穏やかな光がそこに集まる。「はぁ……」とまーちゃんが安心したようにため息をつく。傷はこれでふさがったはずだ。
 でも、それだけじゃとても、治した気になれなかった。
「動かないでね……」
「え……?」
 僕はまーちゃんの太ももを持ち上げて、もっと顔を進め、ちゅ、とそこにキスした。
「あ、アコさん……」
「きれいにしてあげる。忘れられるぐらい……」
「そんな、汚いです。悪い人たちのおつゆなのに……」
「いいから」
「アコ、さぁ、あはぁ……」
 ぺろぺろとひだの外をなめあげて、白い汁を洗う。横を向いて、ぺっと吐き出す。それからまた顔を当てて、きれいなピンクの内側のひだ、指一本も入らなさそうな可愛い隙間まで、ていねいになめてあげた。
 口に含んで、ぺっと吐き出す。三回も四回もやったのに、まだ奥から精液が出てきた。見知らぬ男たちは、まーちゃんが抵抗できないのをいいことに、思う存分出しまくったみたいだった。ほんとに、ひどすぎる。
 そんなやつらの汚れた汁だったけど、だからこそ、口に含むのも抵抗がなかった。僕は聖職者だ。聖職者って、ひとの汚れを引きうける仕事じゃないか。まーちゃんだって僕のをなめてくれたのに、僕にできないわけがない。
 そうやって、僕は一滴も出てこなくなるまで、念入りにまーちゃんのそこをなめてあげた。
「もういいかな……」
 顔を上げると、まーちゃんはスカートの裾をぎゅっとつかんで、かたく目を閉じていた。僕が離れたのに気づくと、「ふぇ……?」と目を開く。
「ま、待って、アコさん」
「え?」
「もうちょっと……もうちょっとだけ、おねがい」
「う、うん……」
 僕は顔が赤くなるのを感じながら、再び舌を這わせ始めた。まーちゃんが可愛らしく鼻をくんくん鳴らす。
「んく……くふ……くひゅう……うくっ……」
 まーちゃん、えっちな気持ちになってきたんだ。すると、これはえっちなことになってしまうけど……えい、もういいや! 心を癒してあげるのだって、聖職者の務めだ。
 それに、まーちゃんは今まで知らなかったんだから。人にしてあげるばかりで、自分が気持ちよくなったことなんかなかったんだから、これは、そのささやかなごほうびってことだ。
 僕は、まーちゃんにされたみたいに、できるかぎりのていねいさと優しさで、まーちゃんのうっすら赤くなったそこを、ぺろぺろとくまなくなめ尽くした。
 切れこみの上の小さなぽっちが、まーちゃんは一番気持ちいいみたいだった。そこをちゅくちゅく吸い続けると、まーちゃんはちょっとだけど、きらきら光るおつゆを出すようになった。
 そのうちにまーちゃんは、きゅっ、きゅっ、と太ももに力を入れて、細い声で叫んだ。
「アコさん、アコさん、アコさぁぁん……っ!」
 まーちゃんが太ももでぼくの顔を締めつけて、頭におおいかぶさって、震えた。
 顔をぴったりとふさがれて息ができなくなったけど、僕は限界まで我慢して、まーちゃんの震えがおさまるのを待ってあげた。

 そのあとも、まーちゃんはふさぎこんだりせず、次の日には元気に露店を出していた。初めて聖職者らしいことができて、僕はうれしかった。それから一週間ぐらいで、僕はプリーストに転職した。
 それが三ヵ月前の話。
 今はどうしてるかって?
 狩りに疲れると、僕はプロンテラ東の丘に出て、ひなたぼっこをする。そうしていると、決まってプロンテラのほうから、カートを引いた人影がぽてぽてやってくる。
「あっこさ〜ん!」
 まーちゃんだ。ううん、正確に言うと、まーちゃんじゃない。あの子はアルケミストになったから。
 でも僕は今でもまーちゃんと呼ぶし、彼女も僕をアコさんと呼ぶ。
 そばに来たまーちゃんは、ぺたんと膝を曲げて、僕の隣に女の子座りをする。肩も足もむき出しの格好で、まーちゃんがマーチャントだった時代より、ずいぶん大人っぽくなった。
 でも、まーちゃんは全然変わってない。にっこり笑って、僕の耳にささやく。
「ね、アコさん。ぺろぺろさせてくださいな」
「僕、休んでるんだけど……」
「プリさんなんだから、すぐ回復するでしょ?」
 そう言って、ごろごろ喉を鳴らしながら、僕に抱きついてくる。僕は仕方なく――ごめん、嘘だ、喜んでまーちゃんに身をまかせる。
「ホムンクルスに使うんだから、いっぱい出してくださいね」
「そんなこと言って、まーちゃん昨日も……」
「そうだけど、他の人からはだめなんでしょ」
「うん……それじゃ、まーちゃんにもしていい?」
「はい♪」
 僕は倒れこんで、まーちゃんの足にキスする。まーちゃんも僕のズボンを下げ、おいしそうに吸いつく。
 まーちゃんは、まだ小さくて本当のえっちはできないから。
 当分は、二人ともおくちですることになりそうだ。




終わり

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このページの内容は製作者の妄想の産物です。本当にまーちゃんを襲わないように。