フェラチオが一番うまい♀職は――

「おまえ、ルートしただろ?」
 声をかけると、その女騎士は足を止め、さっと振り向いて俺をにらんだ。
 グラストヘイム下層、用水路の片隅。奇怪な手の化物や人食いネズミがうろつき、並みの冒険者ならあっというまに餌食になってしまう場所だ。
 短い金髪にクラウンを重ねたその騎士は、馬鹿にしたような目で俺を見つめた。
「……なんのことよ」
「五人PTが出したS1グローブ、乱戦でわかりにくいのをいいことに、横からかっさらいやがったろ」
「知らないわ」
「SS撮ったぜ。おまえの名前もばっちり入ってる奴」
 騎士は、ぴくりと眉を上げた。壁の松明に金髪が輝いて美しかったが、表情はかなりすさんでいた。情けをかけたくなるような顔じゃなかった。
「ソロで勝手気ままに狩ってるらしいが、さらされたら街も歩けなくなるぜ。最悪GMに消される。それはいやだろう」
「……何が言いたいの?」
「おまえは俺に弱みをさらしたってことだ」
 騎士は、いきなり両手剣を抜いて切りかかって来た。切れ長の瞳に殺意が光る。
「薄汚い暗殺者風情が!」
 見事な太刀筋だった。クラウンを持っていて、ソロでGH下層を歩けるぐらいだ。おそらくLV80は下らないだろう。
 けれど、俺を斬るには鈍すぎた。
 続けて四度、2HQの風のような斬撃が俺に襲いかかった。AGI型らしい。ということは回避にもたけている。
 他の相手ならこの騎士に斬られていたかもしれない。でも俺は――
「うぬぼれてんじゃねえッ」
 斬撃をすべてかわして、俺は騎士のふところに入った。驚愕に目を見開く彼女の鼻先でスキルを発動。ソニックブロー。
「あううっ!」
 太ももに、腹に、胸に、多段攻撃がヒットし、騎士は悲鳴を上げてふらついた。その隙を逃さず、さらに二度、俺はソニックを叩き込んだ。
「ひっ、いやあぁっ!」
 騎士は剣を取り落として後ろに吹き飛び、ばん! と壁に背中をぶつけた。俺は悠然とその前に立つ。
「いくらAGIがあったって、カタール使いの刃はよけられるもんじゃねえ。HPが低いのも不利だったな。……それに、ケンカを売る相手を選べよ」
「わ、私だって……」
「85、6だろ。あいにくだな、俺のほうが経験値五千万ばかり上だ」
 騎士は目を見張り、悔しげに唇をかんだ。その腕を、俺は無理やりつかみ上げた。
「ちょっと来な。あっちの枝道なら敵が来ねえ」
「何をするのよ」
「うるせえ、質問できる立場じゃねえだろうが」
 騎士を引きずっていって、枝道の奥で床に放り出した。騎士は両足を折って座り、腕で体を抱えこんで、警戒心の塊のような様子で俺をにらんだ。
 俺は立ったまま見下ろして言った。
「おまえも汚ねえ女だ、遠慮はしねえ。さっきのことを黙っててやるから、言うこと聞きな」
「……グローブ、渡せって言うの? それともお金?」
「金ならうなってる。だがな――忠誠と誇りのために生きる、ご立派な騎士嬢のお口ってやつは、手にいれたことがなくてな」
 俺はズボンの前を開けて、だらりとしたものを無造作に突き出した。
「しゃぶれ」
「ひ……だ、誰が男のなんか!」
「ふん、経験ねえのか。まあ、その性格でその強さじゃ、男なんて寄ってこねえよな。……貴重な経験をさせてやろうっていうんだ、遠慮するな」
 俺は、騎士のつややかな頬に、ぐいっとそれを押しつけた。騎士は長いまつげを嫌悪に震わせたが、ふと何かを思いついたような顔になって、いきなり口を大きく開けた。白い綺麗な歯並びが見えた。
「おーっと」
 すかさずおれは、カタールの鋭い先端を、騎士の金髪の中に突っ込んだ。
「噛みちぎろうなんて思うな。赤髪にイメチェンしたくなかったらな」
「く……」
「さあ……やれよ」
 薄く開いた唇に、ぴたぴたと当ててやる。騎士は憎々しげに俺をにらんだが、やがてあきらめたように、ふるふると震える舌を差し出した。
 ぺちょっ、とかすかにざらついた粘膜が先端に触れた。小さなしびれが俺の腰を走って、垂れていたものがびくん、びくん、と起きあがり始めた。
 ぺちょ、ぺちょっ、と少しずつ舌が当たる。じれったい。俺は水平近くまで起きたものを、いきなり騎士の口に突っ込んだ。
 舌に当たり、唇をぞるるっとこすって、口内の上側に、丸く膨らんだ先端がぬちゃっと当たった。クラウンが床に落ちてからんと音を立て、騎士が大きく目を開く。
「んむぅっ!?」
「噛むなよ!」
 鋭く命じて、俺は騎士の頭に両手を伸ばし、耳の上あたりをつかんだ。金髪の中に指を這わせて、耳の穴に小指を突っ込んだ。
「やり方わからねえんだろう……教えてやるよっ」
「ん、んあっ、いやぁむっ!」
 首をふって嫌がる騎士の頭を、しっかりと挟んで、ぐいっぐいっと動かした。桜色の唇が輪になって幹を締めつけ、頬の粘膜がぬるぬると先端をこする。一度も男が入ったことのない場所を。おれはますます硬くなる。
 斜めにぐいっと突くと、頬がぷくっと膨らんだ。そこは薄紅に上気し始めている。ぐりぐりと押し付けながら俺は笑う。
「なんだぁ、おまえ、その気になってきたのか?」
「ち、ひがうっ、くるし……んむむぅぅっ!」
「息できねえのか」
「ん、んんっ」
「息したかったら早く終わらせるんだな。イクまでやめねえぜ、俺は。たとえおまえが窒息死してもな」
 騎士は悲痛に目尻を下げる。すでにそこに涙が盛りあがり始めている。苦しいだけじゃないだろう。LV80を越えている強い自分が、こんなに無力に犯されているのが屈辱なんだ。ゾクゾクする。
 騎士は首を振るのをやめて、ちゅぱちゅぱと舌を使うようになった。体を安定させようと、俺の腰に両手を当てる。俺はあざける。
「ハハハ、死にたくないか。死ぬより誇りを捨てるほうがいいか」
「ん……んむっ……はぁ、い、言わないでよ……んぷっ……」
「まだ減らず口がきけるみてえだな、よし、足を開きな」
 苦しみたくない一心か、騎士は素直に太ももを開いた。俺はそこにブーツを突っ込んで、鎧の前垂れに隠された無防備な股間をくすぐりはじめた。
「んふ……くぁっ! ひゃ、ひゃふ……はぷぅ……」
 騎士の鼻息に、苦痛のものではないあえぎが、確かに混ざった。
 もう抵抗してこない。すっかりそそりたった俺のものを、上からおおいかぶさるように飲みこんでいる。幹の裏の敏感なところをぬろぬろと舌が包み、あふれた唾液が唇からとろとろ漏れる。
 発熱したように赤らんだ顔になった騎士が、んんっ……と舌を止めて、上目使いに見上げた。
「に……にがいのが……」
「ふふ……先汁だ。もうすぐだから、我慢しろ」
「もうすぐって……いつ?」
「知るか。おまえ次第だ、このヘタクソ」
「へ、下手っていわれても、やったことが……あぷっ!?」
「もうすぐだっつってんのに止めるんじゃねえ!」
 俺はがしっと騎士の頭をつかんで、思いきり突っ込んだ。今までで一番深く、舌の奥のやわらかな喉に、ぐちゅっと当てる。騎士の顔全体が俺の股間に埋まって、形のいい鼻が毛の中に食いこんだ。
「んんんんーっ!」
 乱暴な扱いに、騎士はおびえたようだった。んーっ! んーっ! と鼻から悲鳴を漏らして、涙を垂らす。そのおびえた口の締め付けが心地いい。俺はおかまいなしに頭を前後させる。
 丸い光の輪を浮べた金の頭が、腹の下でがくがく前後に動く。騎士はもう、なすすべもなく目を閉じて、ひたすら耐えている。美しかった顔が涙と唾液で汚れて、その可憐な唇に俺の凶悪なものが突き立っている。どろどろの熱い舌が、喉が、俺のものをとっぷりとくるんでいる。
 最高の征服感にひたる俺を、股間のむずがゆさが加速する。びくり、びくり、と根元に熱いものが溜めこまれている。そろそろ頂点だった。
「くぅ、出るぞ、出るぞぉ……」
「んぶ、んぷ、んむっ、んくっ!」
「の、飲めっ、飲めえっ!」
 ずちゅずちゅずちゅっ、とひときわ強引に頭を引き寄せるとともに、尻をぐいっと前に突き出して、喉の半ばまでこわばりを突っ込んだ。その瞬間に俺は射精した。
 びゅくうぅぅっ、びゅくっ、びゅるるるっ、びゅるるっ!
「ふんんううーっ!」
 騎士が絶望したようにぎゅっと目を閉じ、涙をあふれさせた。その口内を、喉を、胸の内側を、腹の中を、そして彼女の誇りを、俺の白い濁流がどろどろに汚していった。
「ううっ、ううっ、うふぅっ……」
 思う存分注ぎこんでからも、俺はしばらくものを突っ込んだまま、たぷたぷになった騎士の口の中の感触をたのしんだ。
 やがて、腰を引いて抜いた。騎士がとすっと腰を下ろし、半開きになった唇から、たらたらと精液をこぼした。
 はあ、と満足のためいきをついてから、俺は騎士を見下ろし、その股間に突っ込んでいた足を抜いた。ブーツの先の革が色濃く湿っていた。
 しゃがみこんで、彼女のあごをつまむ。
「濡らしたな」
「……え」
「従わされるの、初めてだよな。よかったんだな」
「くっ……」
 顔を背けて、汚れた口元をぐいっと拭う。だが、俺にはもうわかっていた。
 どんなに嫌そうな顔をしたところで、ブーツの染みは消せない。――こいつは、もう火がついてる。
「もっとよくしてやる」
「な、なにを――」
「下にも注いでやるのさ。そらっ!」
 騎士の膝をつかんで、思いきり持ち上げた。たまらず後ろにひっくり返った彼女の、汗に光るむっちりした太ももと、その間のじゅくじゅくになった下着が見えた。
「やめてえぇぇっ!」
「ハハハ、素直になれよ!」
 偽りの抵抗を続ける彼女を、俺はもう一度犯し始めた。





 息を詰めて熱心に腰を動かす俺の前で、白い豊かな尻がたぷたぷ揺れている。
「ぁっ、んっ、ぅっ、ゃっ、くぅ、ぅっ、ぁっ……」
 ベッドに上半身を預けた金髪の女騎士は、シーツをかんであえぎ声を抑えている。それでも、強く突くと、クラウンを戴いた頭がずり上がって、時おりとろけた声が漏れる。
 男を知らなかったこの女の秘所は、おれのものが溶かしつぶされてしまうほど、きゅうくつで熱かった。それは、初めて犯したときから、二十回を越えた今でも、変わらない。隙間なくぴっちり締めつけるからあふれる蜜の行き場がなく、泡だったしぶきが派手に飛び散っている。
 ぬちゅぬちゅと幹にまとわりつくひだに高められて、俺は限界に達した。海の生き物みたいに柔らかい尻にギリッと指を食い込ませて、声をかける。
「出すぞ……」
「だ、だめっ中はにんしっ、ひっ、ひやぁぁぁっ!」
 どぷん、どぷん、と俺の先から奔流が出ていった。騎士がシーツを握り締めて声を吐き、きゅうっと縮みあがった管が俺のものをしぼり取った。たちまち先端の周りに粘液だまりができていく。
「は・は・はわぁ……」
 ぶるぶる痙攣した騎士が、やがて尻を上げたまま、ぐったりとシーツにおぼれて息を吐く。俺が引き抜くと、白い丘に隠れた真紅の花びらの間から、とぽりと精液があふれ出した。
 指で受けると、弾力を感じるほど濃い。いつものことだ。こいつにはなぜか、とても濃い液を注いでしまう。奥からすくい出した液をたっぷりと指に乗せて、俺はベッドに這いあがった。騎士の前に回り、顔に差し出す。
「なめな」
「……いや……」
「いやじゃねえんだ、いい加減に慣れろ!」
 傾いたクラウンの載った乱れた金髪をつかんで無理やり顔を上げさせ、曇った息をはあはあ吐いている唇に、指をねじ込んだ。「あふ……ぁ……い、いやあ……」とうめく舌の上に、でろりとなすりつける。
「飲むんだ……飲め!」
「うぐっ……ううぅぅ……んむむ」
 騎士は形のいい眉をひそめながらも、くむくむと精液を飲みこんだ。それでも許さず、いったん閉じた唇に、半分垂れたものを押しこんだ。
「洗いな」
「んぷ……くぅ……ふぷ……」
「俺の大事な精子と、おまえの汚ねえ汁だ。きっちりなめて、腹に収めろ」
「うう……」
 羞恥と屈辱で真っ赤になった顔で、騎士は舌を動かす。
 そうやって俺は、今日もまた騎士を汚しぬいた。

 壁にもたれて煙草を吸う俺の前で、ベッドの端に背を向けて座った騎士が、黙々と下着をはいている。
 アルデバラン、空家の一室。ここが今週の待ち合わせ場所だ。
 今週の、というのは、気分転換に毎週変えているからだ。人の少ない月曜の深夜、日付が変わるころに俺はこいつを呼び出す。例のことをネタにして。
 すらりとした足を持ち上げて下着を通していた騎士が、背中で言った。
「……いつになったら、解放してくれるのよ」
「飽きるまでだ」
「いつ飽きるの」
「さあな。今のところ、おまえは美味い」
 俺はベッドに上って、騎士のショートヘアを後ろからつまんだ。やめてよ、と手ではたかれる。
 俺はくっくっと笑って、言った。
「おまえもうまいんじゃないのか、俺の。今日はすごい濡れっぷりだったぞ」
「そ……それは」
 横を向いて唇を噛んだ騎士が、開き直ったように言って、立ちあがった。
「仕方ないでしょ、私だってモノや人形じゃないんだから。反応ぐらいしちゃうわ。――体だけはね」
 膝から引き上げた下着を、スカートをたくし上げて尻まで上げた。形のいいもっちりしたふくらみが、スレた口調に似合わない、おとなしい水色の薄布に覆われるのを、俺はじっくり鑑賞した。
 身支度を整えると、騎士は肩越しに振り返って、冷たい目で見下ろした。
「心は、ぜったいに渡さない」
「好きにしな。しかし外身は俺のもんだ。ああ、それな、売るなよ」
「……これ?」
 騎士はいぶしかげに、頭に輝くクラウンに手をやる。
「どうして?」
「それがなければ、おまえなんざただのメス豚だ」
「……俗物ね」
「どういたしまして、ルーターの騎士嬢さん」
 俺は肩をすくめた。
 騎士はベッドのそばの両手剣をつかむと、振りかえりもせずに部屋を出ていった。
 態度はいまだに変わらない。相変わらず、隙を見せたら斬られそうなぐらいピリピリしている。
 けれど、俺は知っていた。
 
 翌週、俺は用事があって二時間ほど留守にした。
 深夜遅くになってミッドガッツに降り立ち、彼女にwisを送った。
「いるか」
「いるわよ」
 ふてくされたような返事が帰ってきた。
「どこだ?」
「先週と同じ――アルデバラン」
「ほう」
 俺はアルデに飛んだ。
 部屋に入ると、騎士はベッドの上に座って、手持ち無沙汰に待っていた。ずかずかと近づいた俺は、前置きもなく布を取り出して、突きつけた。
「つけろ」
「え……何よ、これ」
「目隠しだ。さっさとしな」
 騎士は少し脅えたように目を伏せたが、俺がカタールの刃をちらりと見せると、観念したようにそれを頭に巻いた。
 視線をなくした騎士は、いつものような尖った雰囲気を失った。子供のように頼りない口調で、「ど、どうすればいいの」と聞く。俺は無言でカタールを騎士の胸当てにあて、すうっと縦に切り裂いた。
「やっ、なにっ? ま、まさか……」
 革の上着と、コットンのシャツ。すべて裂くと冷たい刃が白い肌に触れる。鎖骨の間にチクリと走った痛みに、騎士は脅えきった声を上げた。
「こ、殺さないで! 飽きないで、なんでもするから!」
「……そうか」
 俺は騎士をベッドに押し倒し、両手で上着を左右に広げた。甘い体臭とともに、ぷるん、とこぼれそうに豊かな乳房があふれだす。馬乗りになって、その乳房の間に、俺のものを押し付けた。
「じゃあ、俺を楽しませろ」
「は、はい……!」
 俺の要求がわかったんだろう。騎士は両手で乳房を支え、胸の前に押し合わせた。
 たぷん……と音を立てて乳房と乳房がぶつかる。その間の俺のものを、さらさらした暖かい肌が包む。手ともあそことも違う。マシュマロのようにふわふわした肉。
 そのまま両手に力を入れて、きゅっきゅっとこすり始めた。
 俺は、完全に屈服させた騎士を満足して眺めながら、はじけそうなふくらみのてっぺんにある小さな粒を、くりくりとつまみ上げた。たいして時間もかからず、それが痛いほどに凝ってくる。
「ふふ……感じてんのか」
 ギュッ、と俺は強くつまんだ。騎士がはねた。
「くひんっ!」
「おら、手ぇ抜くな! 口も使え!」
 あわてたように騎士が顔を上げ、舌を伸ばした。俺はわざと先端を横に逸らしてやる。
 目隠しで前が見えない騎士は、戸惑ったように舌を左右に動かす。うつむいて自分の乳房をなめるような姿勢だ。無理があるので、頭も舌もぷるぷる震えている。どこなの、というように舌先をひくひく動かし、乳房をもみあげて俺のものを顔に近づけようとする。
 滑稽なくせに、ひどくエロチックな姿だった。ほしくてたまらない、というように見える。俺は望み通りに与えてやることにした。
「ほらよ」
 腰をぐいっと進めると、先端がくむっと舌の上の唇を押した。あ、とほっとしたようにつぶやいて、騎士はそれをなめ始めた。
 凛々しいクラウンの載ったつややかな金髪の下に、目を覆われて不安の冷汗を浮かべた、娘の整った顔がある。可憐な唇が不似合いに赤黒い先端をちゅぷちゅぷとしゃぶり、血管の浮いた幹を、ミルク色のなめらかな乳房が押し包む。すごいギャップのある光景だった。
 俺は深く息を吐く。
「そうだ……丁寧にな……」
 先端は唾液にまみれ、乳房の谷間もいつのまにか汗でびっしょり濡れている。さらさら、だった動きは、ぬるぬる、になってしまった。俺はふと気づいて、片手を背後に回した。
 騎士は片膝を立てて、悩ましげに太ももをこすり合わせていた。たっぷりした内ももをかき分けるようにして指を突っ込むと、下着はぐちゅぐちゅに液にまみれていた。俺はそこをこすり立てた。
「よかったなあ、おい。こんなに感じるようになってな」
「くむ……うぷ……いやぁ、あぷぅ……」
 息継ぎの間も惜しいというように懸命に唇を押し当てながら、騎士は首を振る。
 いつもと違うやり方に、俺の興奮も早々と高まっていた。さっさといってしまうことにする。別に早くても構わない、こいつを満足させているわけじゃない。
「胸……続けろよ……」
「はぷぁ、はわぃ……」
「い、いくからな……」
 騎士はたぷたぷこすり合わせていた乳房に、一段と顔を寄せようとした。その額をぐいっと押して、頭をベッドに押さえつけた。
「ふえっ?」
「飲もうとしたな?」
「……ち、ちが……」
「飲みたいんだな。今日はだめだ。く、くううぅっ!」
 乳房にくっぷりとつつまれた硬いこわばりを、俺は暴発させた。水平より少し低い角度で、一筋の白い線が断続的にほとばしる。
 びゅるっ、びしゃびしゃっ、びゅちゃっ!!
「あハァッ?」
 驚いて叫ぶ騎士の唇に、頬に、鼻に、たっぷりと白濁が襲いかかった。透明な汗だけを浮べていた美しい肌が、瞬く間に青臭い粘液で塗りつぶされていく。
 それだけじゃない、目隠しにも、髪にも、クラウンにも。俺は力をこめて液を撃ちだし、首から上の見える限りすべてを、大量の粘液で汚し尽くした。
 何が起こったのか半分理解できないでいた騎士が、おそるおそる手を上げて、頬や髪に触れた。一度や二度洗ったぐらいではとれそうもない、ねっとりした液に触れて、泣きそうな声でつぶやく。
「こ、こんなにドロドロに……ひどい……」
「……ふふ、違うだろ。本音は」
「え……?」
 俺はほうっと息を吐くと、飛び散った精液で汚れた胸の谷間から、腰を上げた。そばに座りこんで、煙草に火をつける。目隠しに触るに触れず、つけたままの騎士が、顔をこちらに向ける。
 不安げな彼女に、俺は言った。
「今日、なぜいた」
「なぜって……」
「俺は二時間も遅れた。おまえがいなくなっていても仕方ないと思った。なのにおまえは待っていた。しかも、前と同じ場所でおとなしく。wisの通らない重い鯖に逃げるって手もあったのにな。――それが期待じゃないなんて言い張れると思うか」
「……」
「素直に言えば飼ってやる。ソロにはもう耐えられないってな」
「そんなこと……」
「二度は言わねえ」
 おれは、ギシッと音を立ててベッドから降り、そっと煙草をもみ消して、コツコツとその場で足踏みをした。そのまましばらく待った。
 煙草の煙が薄れて消えていく。すると、騎士はやにわに目隠しをはぎとり、体を起こそうとした。
「待って、行かないで!」
「行ってねえ」
 俺は騎士の目の前で言った。くすくすと笑いがこみ上げてくる。騎士は呆然と目を見開く。
 吸殻を投げ捨てて、俺は騎士の頬に手を触れた。
「飲ませてやるよ、今日はまだだから。こっちとこっち、どっちがいい」 
 汚れた唇と、はだけたスカートの下のむき出しの下着を指差す。
 騎士の頬が赤く染まっていく。屈辱ではなく喜びに。
 そっ、と太ももを開いて、濡れたところに指を添えた。
「こっちに……お願い……」
「お願いします、だ」
「お願い、します。――あはっ!」
 俺は、心まで捨てた騎士を、勢いよく押し倒した。



終わり

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このページの内容は製作者の妄想の産物です。実際に騎士子たんを襲わないように。