活動ログ
2019年
- 11/13(水) 11/30(土)総括
1周年の会としてこれまでを振り返るとともに、細切れに扱ってきた内容を総括した。
1) 科学と人間行動
2) 行動主義、新行動主義、徹底的行動主義
3) 人を機械的に扱うという批判について
4) 行動分析の本質
5) 行動分析の学び方 - 10/09(水) 10/19(土)クレプトマニア(窃盗症)の行動分析
某学会発表のプレ発表会。実際の分析、プログラムの構築と実装法が紹介された。
キーワード:刺激遮断 ルール プライアンス トラッキング 随伴性形成行動 文脈刺激 - 09/28(土)関係フレーム理論とアクセプタンス&コミットメント・セラピーの間
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を実践している、あるいは学んでいるという人は多い。しかし、異口同音に述べるのは、関係フレーム理論(RFT)とどうつながっているのか分からないということだ。本会では、刺激等価性を再確認した上で、その拡張版ともいえるRFTとの異同を概観し、ACTのエクササイズを体験学習した。特に重視した点は、関係フレームづけと刺激機能の変換である。ACTのエクササイズのどの部分に、どのような形でRFTが実装されているのかを検討した。
キーワード:関係フレームづけ 刺激機能の変換 恣意的関係反応 相互的内包 複合的相互的内包 - 08-14(水) 08-24(土)強迫性障害の行動分析
従来のABC分析に基づく曝露反応妨害法(ERP)は効果が芳しくない、それにもかかわらず、強迫性障害の行動療法と言うとERP以外を耳にしない。行動分析家であれば、効果が出ない→分析が間違っている、と考えるのがセオリーである。本会では、便宜的に強迫性障害を古典型と偽装型に分類し、行動ダイアグラムを加えたクロス分析を試みた。従来のABC分析では先行条件とみなしてきた事象を行動(儀式行為)と置き換えることでより明瞭な分析となり、強迫観念が非両立行動分化強化により維持・強化されている可能性が高いことが指摘された。この分析に基づいて実施した介入事例も紹介され、分析の確かさが支持された。
キーワード:行動ダイアグラム 偽装(カモフラージュ) 非両立行動分化強化 - 07-10(水)クイズで学ぶ刺激機能の変換
頭の体操(クイズ)を通じて自分たちにどれほどバイアスがかかっているのか体験した。実例を挙げておくので、このホームページをご覧の方もチャレンジしてほしい。
問題1:ハワイ生まれハワイ育ちのマイクは水泳の達人で地元の人気者だ。その日のワイキキ海岸の気温は33℃、水温は31℃、いつにも増して海外からの観光客で賑わっていた。マイクは彼がいつもそうするように、入念に準備体操をし、シュノーケルをつけると海に飛び込んだ。
ところが、海に飛び込んだとたん、あろうことかマイクは心臓麻痺を起こして死んでしまったのである。マイクは今年で21歳、まったくの健康体で持病などない。これまで病気やケガをしたこともほとんどない。いったい何が起きたのだろうか。
問題2:イタリアでの出来事。巨大IT企業の社長がライバル会社の策謀により誘拐された。誘拐したのはその地方を仕切るマフィアの幹部だ。 社長はマフィアの手により、誰も忍び込めない地下の牢屋に幽閉され、たった一人で一晩を過ごした。しかし、次の朝、その牢屋を覗いたマフィア幹部は仰天した。牢屋の中に、社長ともう一人、見知らぬ男が居たのである。牢屋には二重に鍵がかかっていたし、鍵を開け閉めした者は誰もいない。しかも、ここは四面を海に囲まれたシシリー島近くのの離れ小島だ。ヘリコプターや船、島に夜間接近するものは何もなかった。いったい何が起きたのだろうか。 - 06-12(水) 06-29(土)うつ反応の行動分析
うつ状態によく見られるネガティブな思考は、結果的に気分の低下などの不快刺激(弱化子)をもたらす。弱化子が提示されるのであるから直前の行動は減少するはずである。しかし、うつ反応の場合、このような思考は減少するどころかむしろ増えていく。行動ダイアグラムを加えたクロス分析によって、ネガティブ思考を維持するメカニズムを探った。うつ状態においては強化子の供給が遮断され、それによって他の潜在的な刺激が強化子として確立する。ネガティブな思考がマッチングにより強化・維持されているとの結論に至った。
キーワード:刺激遮断 行動ダイアグラム マッチング - 04-13(水) 03-24(土)解離性同一性障害の行動分析(事例編)
数例の事例(情報加工済み)を交えながら、実際に行われた分析、プログラムのコーディング、プログラムの実装方法、および経過の様子が具体的に紹介された。標的行動(交代反応)の物理的原因を、刺激-反応レベルで明確に特定し、操作する行動分析は、解離性同一性障害の行動修正においても短期間でリニアな効果を上げることが確認された。
キーワード:刺激性制御 回避条件づけ 他行動分化強化 非随伴性強化 - 03-27(水)(予定)事例を通じた分析トレーニング
情報加工を施した事例4つを用いて、分析-コーディング-実装を素早く行うためのトレーニングを実施した。各事例以下の通り。
初級:飼い猫の問題行動『闇夜猫鳴を制止せよ』
中級:過敏性腸症候群『IBSは一夜にして治る?』、強迫性障害『浮かんで消える憎いあんちくしょう!?』
上級:自閉症スペクトラム障害『思惟盛んにして自傷未だ止まず』、解離性障害『三つ子の魂百まで』
行動分析の要は分析にある。しかし、分析ができても、コーディングを実装する段階で詰んでいる人をしばしば見かける。今回は、コーディングしたプログラムをいかに実装するかに特に力点を置いた。 - 03-13(水)全般性不安障害の行動分析
全般性不安障害ついて行動分析による解決手法を検討した。 - 02-20(水)場面緘黙の行動分析
場面緘黙(選択性緘黙)とは、家庭などでは話すことが出来るのに、社会不安(社会的状況における不安)のために、ある特定の場面・状況では話すことができなくなる疾患であり幼児期に発症するケースが多い。精神病や発達障害をルールアウトした上での一般的な介入では、1) 不安・緊張・恐怖を誘発する条件刺激の特定、2) レスポンデント消去(オペラント技法を援用)、の2つが重要である。援用するオペラント技法は、漸次的接近法のような反応形成が穏やかで堅実な手法であるが、拮抗条件付けを併用することで、より迅速な行動修正を望める。また、成人に関しては、トレーニングプログラムそのものに取り組むために、個人に特化した強力な強化子を含むルール提示が何より重要となる。
キーワード:レスポンデント消去 拮抗条件づけ オペラント技法 反応形成 - 01-26(土)吃音で悩む聖職者を救え
吃音がひどく読経が正常にできない僧侶の読経行動(トポグラフィ)の変容手法を検討した。レスポンデント条件づけに基づく喉や胸部の筋肉の収縮が主因と考えられた。通常のレスポンデント消去の手法を実装することが困難と推測されたため、修正手法を実装するために拮抗条件づけを用いることにした。具体的には、当事者が好む流行歌(拮抗刺激)と読経(条件刺激)を対提示することにより実装を可能とした。
キーワード:レスポンデント条件づけ 筋収縮 拮抗条件づけ シェイピング - 01-09(水)クレプトマニア(窃盗症)の行動分析
最近テレビのニュースをにぎわす窃盗症(クレプトマニア)の行動分析を試みた。ショップリフティング(万引き行動)の制御不能状態には、レスポンデントとオペラントが複合的に関与している。今回の研究会では、ルール支配行動と刺激遮断を軸にショップリフティングを分析し、疑似店舗場面と実際の店舗場面の双方における介入法の実装を明示し、さらにその効果の違いを予測した。
キーワード:刺激遮断 随伴性形成行動 文脈刺激 ルール プライアンス トラッキング 刺激性制御
2018年
- 12-08(土)第2回行動分析学研究会 解離性同一性障害の行動分析
解離性同一性障害(旧称:多重人格障害)は、これまで精神分析学的な理解・治療が主流であった。しかし、同障害は、行動分析学を用いることによって、より科学的に説明・修正することができる。ややハイレベルな内容となったが、基礎的なところから人格交代・解離性健忘を行動分析し、それらのメカニズムを明確化した上で修正手続きを導いた。
キーワード:刺激性制御 回避条件づけ 他行動分化強化 非随伴性強化 - 11-24(土)第1回行動分析学研究会 行動分析学の基礎
行動分析学の基礎概念である「強化、弱化、消去」について実例を交えながら理解を深めた。
キーワード:強化 弱化 消去