相続時精算課税制度とは、生前贈与の円滑化を図る仕組みで、贈与した財産をすべて相続財産に加算して課税し直すという相続税と贈与税の一体課税制度のことです。
この制度では、60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の推定相続人である子(代襲相続人を含む)
又は20歳以上の孫に対する贈与については2,500万円までの控除を認め、それを超える部分については20%の贈与税を課税するものです。住宅取得等資金の贈与の場合には、相続時精算課税制度の2,500万円と住宅取得等資金の贈与税の特例(省エネ等住宅1,200万円(契約時消費税率10%なら3,000万円)、以外の住宅700万円(契約時消費税率10%なら2,500万円))と合わせての控除を認めています
(平成32年3月31日まで )。
その後相続が発生したときには、相続時精算課税制度を利用した贈与財産を相続財産に加算(贈与時の価額)して相続税の計算をし、計算された相続税額からすでに納付した贈与税額を控除します。贈与財産の種類、贈与金額、贈与回数に制限はありません。
この制度は父母又は祖父母のどちらかに対しても受けられます。この制度は通常の贈与税の計算制度との選択となり、一度この制度を選択すると撤回することができません。つまり、この制度を利用すると、選択した年以後贈与者が亡くなる時まで継続して適用され
、暦年単位課税(通常の贈与税の計算制度)に戻すことができないので注意が必要です。この制度を利用しても特定贈与者である父母又は祖父母以外からの贈与については贈与税の基礎控除110万円は受けられます。
相続時精算課税制度を利用する場合、メリットとデメリットをよく理解されてからどのような種類の財産に適用するか否かを判断されるとよいです。
この制度を利用するには、最初に贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所轄税務長に届け出なければなりません。
平成30年4月1日以後の相続時精算課税制度のあらまし(国税庁)
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