多治比鷹主 たじひのたかぬし 生没年未詳

天平勝宝四年(752)閏三月、衛門督大伴古慈斐の家で入唐副使古麻呂等を餞する宴に参席、歌を詠む(万葉集19/4262)。天平勝宝九年(757)六月二十九日、太政官院の庭で反藤原仲麻呂一派の密会がもたれた際、橘奈良麻呂・大伴古麻呂・大伴池主らと共に参加、挙兵を誓う。しかしこの計画は事前に漏れて捕縛される。以後の消息は不明であるが、拷問死か刑死に至ったものと思われる。

閏三月、衛門督大伴古慈悲宿禰が家にて、入唐副使同胡麿宿禰等を(うまのはなむけ)する歌

唐国(からくに)に行き足らはして還り来むますら健男(たけを)御酒(みき)奉る(万19-4262)

右の一首は、多治比真人鷹主が、副使大伴胡麻呂宿禰を寿(ことほ)く。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日