1 HTML 4 仕様書について

目次

  1. 本仕様書の構成
  2. 仕様の記述法
    1. 要素と属性
    2. 注記と例示
  3. 謝辞
    1. この改訂版に関する謝辞
  4. 著作権の覚書

1.1 本仕様書の構成

本仕様書の構成は次の通り。

2及び3: HTML 4 の概説
この概説部分では、World Wide Webという構造体系におけるHTMLの役割を記し、HTML開発の略歴を紹介するとともに、HTML 4 で達成できるようになった主要なポイントを示し、HTML著述のヒントをいくつか紹介する。

またSGMLの簡単な解説も行ない、読者にHTMLとSGMLとの関係を理解してもらい、HTML文書型定義(DTD)をどのように読めばいいかについての要点を伝える。

4から24まで: HTML 4 リファレンスマニュアル
リファレンスマニュアルの大部分はHTML言語のリファレンスであり、HTML言語の要素及び属性すべてがここで定義されている。

リファレンスマニュアルは、HTMLの文法よりもテーマを重視して構成してある。このテーマは、構造、表示、対話性の三分野にまとめてある。HTMLの構成概念をこの三分野に完璧に分類するのは容易ではないが、この三分割モデルは、文書の構造を表示から分離することによってより訴求力が強く保守性がよい文書になるというHTML作業部会の経験を反映したものである。

言語リファレンスは次の内容から構成される。

附属書
最初の附属書には、著者及び実装者のHTML 3.2から4.0への移行並びに4.0から4.01への移行を助けるため、1998年4月24日版 HTML 4.0 仕様から1999年12月24日版の HTML 4.01 仕様への変更点1997年12月18日版 HTML 4.0 仕様から1998年4月24日版 HTML 4.0 仕様への変更点、並びに HTML 3.2 仕様から HTML 4.0 仕様(1997年12月18日版)への変更点を記す。次の附属書には、 性能及び実装に関する注記を記載しているが、これは主に実装者の HTML 4 対応ユーザエージェント製作を助けることを目的としている。
参照文書
規範及び参考情報としての参照文書一覧。
索引
概念要素属性を鍵とする3つの索引を設け、定義内容を素早く参照できるようにしてある。

1.2 仕様の記述法

本仕様書は、著者及び実装者という2種類の読者を想定している。著者である読者に対しては、本仕様書が、HTMLの実装詳細に必要以上に触れずに使える、効率的・魅力的でアクセス性のよい文書を著述する際に必要な道具となることを望む。けれども実装者である読者は、仕様に適合するユーザエージェントを作成する上で必要となるすべての情報を見つけることができるだろう。

本仕様書は様々な方法で利用できるだろう。

1.2.1 要素と属性

要素名は、「BODY」のように大文字で示す。属性名は、「lang、onsubmit」のように小文字で示す。HTMLでは要素名も属性名も大文字小文字に違いはないことに注意されたい。この記述法は読みやすくなるよう配慮したものである。

本仕様書の要素名及び属性名はマーク付けを施してあるため、ユーザエージェントによっては特別なレンダリングがなされるであろう。

各属性定義は、その値の型を規定する。その型で取り得る値の種類が数個しかない場合、定義ではそれらの値を列挙し、区切りに縦線(|)を用いる。

型の記述に続けて、各属性定義は、値について大文字と小文字で違いがあるかどうかを角大括弧([と])で囲って示す。詳細については 大文字小文字の区別を参照のこと。

1.2.2 注記と例示

参考情報としての注記は、周囲のテキストより際立つように強調してあり、またユーザエージェントによっては特別なレンダリングがなされるであろう。

推奨しない使用法の例示箇所には、すべて“推奨しない例”と示してある。推奨しない例を示す箇所には、推奨する代替方法をも記してある。不正な使用法の例示箇所には、“不正な例”と明示してある。

例及び注記はそれらしくマーク付けをしてあり、ユーザエージェントによっては特別なレンダリングがなされるであろう。

1.3 謝辞

HTML 4 仕様書に繋がる作業ドラフト製作にご尽力いただいた全ての方、そして提案や訂正を行ってくださった全ての方に、謝意を表する。

HTMLのアクセス性改善に関して、Web Accessibility Initiative task force (WAI HC班)に、また高アクセス性フォームの開発立ち上げ期における T.V. Raman (Adobe)の仕事に、多いに謝意を表したい。

本仕様書の著者であるW3C HTML作業班のメンバーは、本書の度重なる検討、建設的コメント、並びに膨大な作業量に関して、最大級の賛辞に値する。メンバーの氏名をここに示す。 John D. Burger (MITRE)、Steve Byrne (JavaSoft)、 Martin J. Dürst (University of Zurich)、Daniel Glazman (Electricité de France)、Scott Isaacs (Microsoft)、Murray Maloney (GRIF)、Steven Pemberton (CWI)、Robert Pernett (Lotus)、Jared Sorensen (Novell)、Powell Smith (IBM)、Robert Stevahn (HP)、Ed Tecot (Microsoft)、Jeffrey Veen (HotWired)、Mike Wexler (Adobe)、Misha Wolf (Reuters)、Lauren Wood (SoftQuad)。

編集者としては短時間ながら正確かつ大量の入力を行い、またHTML作業班の議長としては思慮深い指導を実施したDan Connolly (W3C)に謝意を表する。プレスリリースに不可欠な作業を担当したSally Khudairi (W3C)に謝意を表する。

仕様書を丁寧に読み返し、建設的なコメントをしてくれた David M. Abrahamson 及び Roger Price に謝意を表する。

Postscript版の仕様書作成を多いに助けてくれたhtml2psの作者である Jan Kärrman に謝意を表する。

W3Cの【INRIA支部である】Sophia-Antipolis研究センターからは、Janet Bertot、Bert Bos、Stephane Boyera、Daniel Dardailler、Yves Lafon、Håkon Lie、Chris Lilley、Colas Nahaboo (Bull)からの協力があった。

最後に、彼抜きでは本仕様自体が存在しなかったであろう、Tim Berners-Lee に謝意を表する。

1.3.1 この改訂版に関する謝辞

本仕様の当該改訂版に向けて編集上の誤りを丹念にチェックしてくれた、Shane McCarron に謝意を表する。

1.4 著作権の覚書

著作権に関する情報は、W3C知的財産権覚書 W3C 文書覚書、並びにW3C IPR ソフトウエア覚書 の各々を参照されたい。


訳者代表: 内田明 (UCHIDA Akira)
email: uchida@happy.email.ne.jp