W3C

HTML 4.01仕様書

1999年12月24日付W3C勧告

この版の原書:
http://www.w3.org/TR/1999/REC-html401-19991224
(プレーンテキストファイル [794Kb]HTMLファイルのtar.gzアーカイブ [371Kb]HTMLファイルのzipアーカイブ [405Kb]gzipしたPostScriptファイル [746Kb, 389 pages]gzipしたPDFファイル [963Kb])
HTML 4.01の最新版:
http://www.w3.org/TR/html401
HTML 4の最新版:
http://www.w3.org/TR/html4
HTMLの最新版:
http://www.w3.org/TR/html
HTML 4.01の以前の版:
http://www.w3.org/TR/1999/PR-html40-19990824
以前のHTML 4 勧告:
http://www.w3.org/TR/1998/REC-html40-19980424
編者:
Dave Raggett <dsr@w3.org>
Arnaud Le Hors, W3C
Ian Jacobs, W3C

概要

本仕様は、World Wide Webの出版用言語であるハイパーテキストマーク付け言語 (HyperText Markup Language: HTML) を定義するものである。本仕様は、HTML 4の系統であるHTML 4.01を定義する。HTMLの以前の版 (HTML 3.2 [HTML32] 及び HTML 2.0 [RFC1866]) に含まれる、テキスト、マルチメディア、ハイパーリンク機構に加え、HTML 4はマルチメディアの幅を広げ、スクリプト言語やスタイルシート、優れた印刷機能、ハンディキャップを持つ人々からの高いアクセス性をサポートすることになった。HTML 4は更に、Webを真にWorld Wideにするという目標に向けた、文書の国際化について大きな一歩を踏み出した。

HTML 4は、国際標準 ISO 8879 ―― 文書記述言語 [ISO8879] に適合するSGMLアプリケーションの1つである。

この文書の地位

この節は、本書の公開時における地位を述べるものである。他の文書がこの文書を引き継ぐ場合もあり得る。本書の系列にある文書に関する最新の地位についてはW3Cが管理する。

本書は、HTML 4の系列仕様群の1つであるHTML 4.01仕様を定義する。HTML 4の最初の版は HTML 4.0 [HTML40] であり、1997年12月18日付で公開され、1998年4月24日付で改訂版が出された。 本書はHTML 4.01仕様の最初の文書である。ここには、編集上の問題に留まらない 1998年4月24日付版 HTML 4.0仕様からの変更点が含まれる。 例えば、DTDに幾つかの変更が為された。 本書は以前の版のHTML 4.0仕様を廃棄するものであるが、W3Cは以前の版もW3CのWebサイトで入手可能な状態にしておく。

本書はW3Cメンバー及び他の利害関係者の間でレビューし、議長の決定によりW3C勧告とされたものである。定まった文書であるから、参照元としたり、他の文書で規範として引用したりしてもよい。勧告作成におけるW3Cの役割は、仕様への注意を喚起することと、仕様が広く採用されるよう働きかけることである。こうすることで、Webの機能性と相互運用性を高められる。

W3Cは、ユーザエージェント及び著者(特にオーサリングツール)に対し、HTML 4.0文書ではなくHTML 4.01文書を作成するよう推奨する。また、著者に対し、HTML 3.2文書ではなくHTML 4文書を作成するよう推奨する。 更に後方互換性のため、HTML 4を解釈するツールに対し、HTML 3.2とHTML 2.0のサポートをも継続するよう推奨する。

次世代HTMLである「拡張可能なハイパーテキストマーク付け言語 (Extensible HyperText Markup Language [XHTML]」についての情報は、W3C HTML活動およびW3C技術レポートリストを参照されたい。

本書はW3C HTML活動の一環として作成された。 HTML作業グループ (メンバー限定)の目標については HTML作業グループ憲章 (メンバー限定)で議論される。

現在のW3C勧告及び他の技術文書の一覧は、 http://www.w3.org/TR で得られる。

HTMLの機能に関する公開討論は、 www-html@w3.org (www-html@w3.orgのアーカイブ)で行う。

入手可能な言語

英語版のみが本仕様の正規の版である。しかしながら、本書の翻訳については、 http://www.w3.org/MarkUp/html4-updates/translations を参照されたい。

正誤情報

本仕様について判明している正誤情報ついては、以下で得られる。
http://www.w3.org/MarkUp/html4-updates/errata

本書の誤りについては、 www-html-editor@w3.org まで報告されたい。

【邦訳上の誤りについては、 uchida@happy.email.ne.jp まで御一報くださるよう、お願い致します。】

簡略目次

  1. HTML 4 仕様について
  2. HTML 4の概説
  3. SGMLとHTMLの関係
  4. 適合条件: 必須事項と推奨事項
  5. HTML文書の表現 ――文字集合、文字符号化方法、並びに実体
  6. HTMLの基本データ形式 ――文字データ、色、長さ、URI、MIMEタイプ、等
  7. HTML文書の全体構造 ――文書のヘッダと本体
  8. 言語情報とテキスト方向 ――テキストの国際化の検討
  9. テキスト ――段落、行、フレーズ
  10. リスト ――順不同リスト、序列リスト、定義リスト
  11. リンク ――ハイパーテキストリンクとメディア非依存のリンク
  12. オブジェクト、画像、アプレット
  13. スタイルシート ――HTML文書にスタイルを付加する
  14. 配置、フォントスタイル、横罫線
  15. フレーム ――複合ビューでの文書のプレゼンテーション
  16. フォーム ――ユーザ入力フォーム: テキストフィールド、ボタン、メニュー、等
  17. スクリプト ――アニメーションする文書や賢いフォーム
  18. HTMLのためのSGML参照情報 ――HTMLの公式定義と検証
  19. HTML 4のSGML宣言
  20. 文書型定義
  21. 移行型の文書型定義
  22. フレーム設定型の文書型定義
  23. HTML 4の文字実体参照
  1. 変更点
  2. パフォーマンス上、実装上、設計上の注意

詳細目次

  1. HTML 4 仕様について
    1. 本仕様書の構成
    2. 仕様の記述法
      1. 要素と属性
      2. 注記と例示
    3. 謝辞
      1. この改訂版に関する謝辞
    4. 著作権の覚書
  2. HTML 4の概説
    1. World Wide Webとは何か?
      1. URIの概説
      2. 部分識別子
      3. 相対URI
    2. HTMLとは何か?
      1. HTMLの略歴
    3. HTML 4
      1. 国際化
      2. アクセス性
      3. マルチメディア文書
      4. スタイルシート
      5. スクリプト
      6. 印刷
    4. HTML 4による文書の設計
      1. 構造とプレゼンテーションの分離
      2. 広汎なWebアクセス性の考慮
      3. ユーザエージェントの逐次表示を助けること
  3. SGMLとHTMLの関係
    1. SGMLの概説
    2. HTMLで用いられるSGML構成素
      1. 要素
      2. 属性
      3. 文字参照
      4. コメント
    3. HTML DTDの読み方
      1. DTDコメント
      2. パラメータ実体定義
      3. 要素宣言
      4. 属性定義
  4. 適合条件: 必須事項と推奨事項
    1. 定義
    2. SGML
    3. MIMEタイプtext/html
  5. HTML文書の表現 ――文字集合、文字符号化方法、並びに実体
    1. 文書文字集合
    2. 文字符号化方法
      1. 符号化の選択
      2. 文字符号化方法の指定
    3. 文字参照
      1. 数値文字参照
      2. 文字実体参照
    4. 表示できない文字
  6. HTMLの基本データ形式 ――文字データ、色、長さ、URI、MIMEタイプ、等
    1. 文字種情報
    2. SGML基本形式
    3. テキスト列
    4. URI
      1. 色を用いる際の注意
    5. 長さ
    6. MIMEタイプ
    7. 言語コード
    8. 文字符号化方法
    9. 単一文字
    10. 日付と時刻
    11. リンク形式
    12. 出力メディア
    13. スクリプトデータ
    14. スタイルシートデータ
    15. 目標フレーム名
  7. HTML文書の全体構造 ――文書のヘッダと本体
    1. HTML文書の構造の概説
    2. HTMLバージョン情報
    3. HTML要素
    4. 文書のヘッダ
      1. HEAD要素
      2. TITLE要素
      3. title属性
      4. メタデータ
    5. 文書本体
      1. BODY要素
      2. 要素識別子: id属性とclass属性
      3. ブロックレベル要素と行内要素
      4. 要素のグループ化: DIV要素とSPAN要素
      5. 見出し: H1H2H3H4H5H6要素
      6. ADDRESS要素
  8. 言語情報とテキスト方向 ――テキストの国際化の検討
    1. 文書の言語指定: lang属性
      1. 言語コード
      2. 言語コードの継承
      3. 言語コードの解釈
    2. テキストと表の方向性指定: dir属性
      1. 双方向アルゴリズムの概説
      2. テキスト方向情報の継承
      3. 埋込みテキストの方向指定
      4. 双方向アルゴリズムの上書き: BDO要素
      5. 方向性及び結合制御の文字参照
      6. 双方向性へのスタイルシートの効果
  9. テキスト ――段落、行、フレーズ
    1. 空白類
    2. 構造化テキスト
      1. フレーズ要素: EMSTRONGDFNCODE SAMPKBDVARCITEABBR、及びACRONYM要素
      2. 引用: BLOCKQUOTE要素とQ要素
      3. 上つきと下つき: SUB要素とSUP要素
    3. 行と段落
      1. 段落: P要素
      2. 行区切りの制御
      3. ハイフンづけ
      4. 整形済テキスト: PRE要素
      5. 段落の視覚的レンダリング
    4. 文書の変更に目印をつける: INS要素とDEL要素
  10. リスト ――順不同リスト、序列リスト、定義リスト
    1. リストの概説
    2. 順不同リスト (UL)、序列リスト (OL)、及びリスト項目(LI)
    3. 定義リスト: DLDT、及び DD要素
      1. リストの視覚的レンダリング
    4. DIR要素とMENU要素
    1. 表の概説
    2. 表を構成する諸要素
      1. TABLE要素
      2. 表題: CAPTION要素
      3. 行グループ: THEADTFOOT、及びTBODY要素
      4. 列グループ: COLGROUP要素とCOL要素
      5. 表の行: TR要素
      6. 表のコマ: TH要素とTD要素
    3. 視覚系ユーザエージェントによる表の整形
      1. 枠線と罫線
      2. 水平及び垂直方向の配置
      3. コマのマージン
    4. 非視覚系ユーザエージェントによる表のレンダリング
      1. データのコマと見出し情報の連携
      2. コマのカテゴリーづけ
      3. 見出し情報検知のアルゴリズム
    5. 見本の表
  11. リンク ――ハイパーテキストリンクとメディア非依存のリンク
    1. リンクとアンカーの概説
      1. リンク先リソースの訪問
      2. 他のリンク関係
      3. アンカーとリンクの指定
      4. リンクの表題
      5. 国際化とリンク
    2. A要素
      1. アンカー名のシンタクス
      2. 入れ子のリンクは不正である
      3. id属性によるアンカー
      4. 取得不能リソースと識別不能リソース
    3. 文書の関係性: LINK要素
      1. 順向リンクと逆向リンク
      2. リンクと外部スタイルシート
      3. リンクと検索エンジン
    4. パス情報: BASE要素
      1. 相対URIの解決
  12. オブジェクト、画像、アプレット
    1. オブジェクト、画像、アプレットの概説
    2. 画像の包含: IMG要素
    3. 一般的包含: OBJECT要素
      1. オブジェクトのレンダリング規則
      2. オブジェクトの初期化: PARAM要素
      3. オブジェクトのグローバルな命名スキーム
      4. オブジェクトの宣言とインスタンス化
    4. アプレットの包含: APPLET要素
    5. 埋め込み文書に関する注意
    6. イメージマップ
      1. クライアント側イメージマップ: MAP要素とAREA要素
      2. サーバ側イメージマップ
    7. 画像、オブジェクト、アプレットの視覚的プレゼンテーション
      1. 幅と高さ
      2. オブジェクトの周囲の空白
      3. ボーダー
      4. 配置
    8. 代替テキストの指定方法
  13. スタイルシート ――HTML文書にスタイルを付加する
    1. スタイルシートの概説
    2. HTMLへのスタイルの付加
      1. デフォルトスタイルシート言語の設定
      2. 行内スタイル情報
      3. ヘッダスタイル情報: STYLE要素
      4. 出力メディア型
    3. 外部スタイルシート
      1. 優先スタイルシートと代替スタイルシート
      2. 外部スタイルシートの指定
    4. カスケードするスタイルシート
      1. メディア依存のカスケード
      2. 継承とカスケード
    5. スタイルデータをユーザエージェントから隠す
    6. HTTPヘッダでスタイルシートにリンクする
  14. 配置、フォントスタイル、横罫線
    1. 整形
      1. 背景色
      2. 配置
      3. 浮動オブジェクト
    2. フォント
      1. フォントスタイル要素: TTIBBIGSMALLSTRIKES、及びU要素
      2. フォント変更要素: FONT要素と BASEFONT要素
    3. 罫線: HR要素
  15. フレーム ――複合ビューでの文書のプレゼンテーション
    1. フレームの概説
    2. フレームの割り付け
      1. FRAMESET要素
      2. FRAME要素
    3. 目標フレームの指定
      1. リンクのデフォルト目標の設定
      2. 目標のセマンティクス
    4. 代替内容
      1. NOFRAMES要素
      2. フレームの詳細説明
    5. 行内フレーム: IFRAME要素
  16. フォーム ――ユーザ入力フォーム: テキストフィールド、ボタン、メニュー、等
    1. フォームの概説
    2. コントロール
      1. コントロール形式
    3. FORM要素
    4. INPUT要素
      1. INPUT要素で作成するコントロールの形式
      2. INPUT要素のコントロールを含むフォームの例
    5. BUTTON要素
    6. SELECT要素、OPTGROUP要素、並びにOPTION要素
      1. 選択済み選択肢
    7. TEXTAREA要素
    8. ISINDEX要素
    9. ラベル
      1. LABEL要素
    10. フォームを構造化する: FIELDSET要素と LEGEND要素
    11. ある要素にフォーカスを合わせる
      1. タブ移動
      2. アクセスキー
    12. 選択不能指定と読み出し専用指定
      1. 選択不能指定
      2. 読み出し専用指定
    13. フォームの提出
      1. フォームの提出メソッド
      2. 満足なコントロール
      3. フォームデータの処理
      4. フォームのMIMEタイプ
  17. スクリプト ――アニメーションする文書や賢いフォーム
    1. スクリプトの概説
    2. スクリプトをサポートするユーザエージェント向けの文書設計
      1. SCRIPT要素
      2. スクリプト言語の指定
      3. 組込みイベント
      4. 文書の動的変更
    3. スクリプトをサポートしないユーザエージェント向けの文書設計
      1. NOSCRIPT要素
      2. スクリプトデータをユーザエージェントから隠す
  18. HTMLのためのSGML参照情報 ――HTMLの公式定義と検証
    1. 文書の検証
    2. サンプルSGMLカタログ
  19. HTML 4のSGML宣言
    1. SGML宣言
  20. 文書型定義
  21. 移行型の文書型定義
  22. フレーム設定型の文書型定義
  23. HTML 4の文字実体参照
    1. 文字実体参照の概説
    2. ISO 8859-1の文字実体参照
      1. 文字一覧
    3. 一般記号、数学記号、ギリシア文字の文字実体参照
      1. 文字一覧
    4. マーク付け記号と国際化文字の文字実体参照
      1. 文字一覧
  1. 変更点
    1. 1998年4月24日付版 HTML 4.0仕様から1999年12月24日付版 HTML 4.01仕様へのの変更点
      1. 仕様の変更
      2. 誤りの訂正
      3. 些細なタイプミスの訂正
      4. 明確化
      5. あるブラウザで起きる問題
    2. 1997年12月18日付版から1998年4月24日付版へのの変更点
      1. 誤りの訂正
      2. 些細なタイプミスの訂正
    3. HTML 3.2から HTML 4.0 (1997年12月18日)への変更点
      1. 要素の変更
      2. 属性の変更
      3. アクセス性に関する変更
      4. メタデータに関する変更
      5. テキストに関する変更
      6. リンクに関する変更
      7. 表に関する変更
      8. 画像、オブジェクト、イメージマップに関する変更
      9. フォームに関する変更
      10. スタイルシートに関する変更
      11. フレームに関する変更
      12. スクリプトに関する変更
      13. 国際化に関する変更
  2. パフォーマンス上、実装上、設計上の注意
    1. 不正文書に関する注意
    2. URI属性値の特種文字
      1. URI属性値の非ASCII文字
      2. URI属性値のアンパサンド記号
    3. SGML実装の注意
      1. 行区切り
      2. 非HTMLデータの指定
      3. サポート制限のあるSGML機能
      4. 論理型属性
      5. マーク区間
      6. 処理命令
      7. 省略化マーク付け
    4. 検索エンジンによるサイト索引づけを支援する場合の注意
      1. 検索ロボット
    5. 表に関する注意
      1. 設計原理
      2. 推奨するレイアウトアルゴリズム
    6. フォームに関する注意
      1. 逐次表示
      2. 将来的計画
    7. スクリプトに関する注意
      1. 将来的なスクリプトマクロのために予約されるシンタクス
    8. フレームに関する注意
    9. アクセス性に関する注意
    10. セキュリティに関する注意
      1. フォームにおけるセキュリティ問題

訳者代表: 内田明 (UCHIDA Akira)
email: uchida@happy.email.ne.jp