となりの山田くん・びっくり鑑賞記

autumn@piedey.co.jp オータム

 1999年7月19日月曜日。
 ロードショー開始から三日目。
 状況から見て、なんだか駄目そうな気がしていたんですが、見ないで文句を言うのもフェアじゃないと思い、なんとか見たいと思っていました。
 この日は、めちゃめちゃ忙しかったのですが、新宿から一駅という場所で打ち合わせが入っていました。帰りに時間が噛み合えば新宿に立ち寄って見ていきたいな、と思ったんですが、何せ、打ち合わせの終了予定時刻=上映開始時間で、間に合うわけがないというタイミングです。こりゃ無理かなと思ったんですが、予定より30分早く打ち合わせが終了。
 らっき〜、というわけで、挨拶もそこそこに電車に乗って新宿へ。
 ネットサーフィンによる調査の結果、新宿の東口界隈には劇場が3館山田くんをやっているのが分かっていました。そのうち二つが16:50と17:00と接近した時間に開始となっていたんですが、早い方がいいので、16:50を選択。
 既に予告編が開始されてました。
 とりあえず、プログラムブックと、飲み物と、ポップコーンを購入して、トイレに寄ってから横の入り口から劇場内部へ侵入。
 お、入り口間近の座席が空いてる。らっき〜。便利だから座っちゃおう。どうせ、山田くんごときで、真ん中の座席など座りたいとおも思わないので。
 ふ〜ん、空席が目立つな。客の入りは、7割ぐらいかな。
 あ、肘掛けに飲み物の缶が丁度入る穴が空いている。これは具合がいいぞ。
 などと思いながら待っていると、映画が開始。
 2/3ほど進んだあたりで、ふと、自分の位置から斜め前方向の座席に数人の観客のシルエットに気付きました。
 あれ? なんか変だぞ? なんで、彼らだけはっきり飛び出して見えるんだ?
 あれれ? よく見ると、自分の前の並んでいる影、これ観客の頭じゃないぞ。座席の背もたれの上側が並んでいるだけじゃないか。
 ハッと、暗さに慣れた目で見回してみると。
 ほとんど空席じゃないか〜。特に自分の前の方は、ほとんどすべて空席。
 最後に明るくなってから確認したところ、どう見ても、1割にも達してない客の入りではありませんか。とりあえず、5%と判断して劇場から出ました。
 うーん、凄い経験をしてしまいました。
 いくら何でも、椅子を観客と勘違いするとはねぇ。
 こんな映画に客が入るわけないじゃん、と思っていたにも関わらず、無意識のうちに、それでもそこそこの客は座っているはずだと思い込んでしまったんですね。
 以上、山田くんびっくり体験談でした。


↑(前頁) 作品構想案「島の上の瑞雲」 (佐藤)
↓(次頁) となりの山田くん・ちと率直すぎる感想 (オータム)

「風使い通信 vol.11」に戻る

風使い工房に戻る