CHORD DAC64-Mark2 DAコンバーター

その後DAC64Mk2は引退いただきました。
以下は使用当時の記録です。2016年6月追記

 オラクルCDドライブと組んでいるDAコンバータが、この英国CHORD製DAコンバータ「DAC64 Mark2」。ステレオサウンド誌3年連続でベストバイ第一位(50万円以下部門)。Mark2になる前にも1位になったので、通算5年で4回も一位になっている大変評判がよいDACなのです。

 ディーラー(TimeLoad)のサイトには、パルスアレイDAC、2048倍オーバーサンプリング、時間方向に精度を高めたWATデジタルフィルター、などなど、技術屋の私が読んでもなにを言っているかわからん怪しそうな(失礼!)記載が満載。もっと正確なことは書いていないかと英国CHORD本社のサイトまで見にいっても、技術的に大事な点はぼかしてあって、技術的内容はわかりませんでした。たった一つわかったことは、WATフィルターは、通常のフーリエ変換をつかったデジタルフィルターより時間精度が高く、これはすなわち、高域の位相精度が高いらしいこと。

 しかし、まあ、そんな難しいことは、音がよければどうでもよろしいわけです。

 このDACの音は、非常に特殊です。なんだかわかりませんが、とにかく高域がめちゃくちゃ美しい。これがパルスアレイDACとか2048倍とかWATのせいなのかどうかは不明ながら、高域が滑らかで、非常によく音が分解します。で、高域がすごくF特で強調してあるのがと思ってPAA3で測定して見たのですが、ちゃんとフラットなのです。不思議ですねえ。いままで絶対聞こえなかった細かな音がしっかりと聞こえる。楽器一つ一つの定位も、WADIA時代とは比較にならないほど鮮明になります。高域の時間情報(位相)が正確だからなのでしょうか。ベストバイ連勝は確かに実力に裏付けられたものでした。

 この美しさは、どんなCDにも反映されて、1960年台のアナログの古い録音のイ・ムジチの演奏なども、最新録音みたいな音になるのです。なんかだまされているような気がしますが、まあ、いいじゃありませんか、美しい音になるなら。

 デザインもシンプルで美しいだけでなく、大きな特徴があります。ボディーの上に虫眼鏡レンズが付いていて、LEDで美しく照らされた内部回路が見えるようになっているのです。これは面白いデザインです。

 ボディーのサテン処理アルミの美しさも、表面の艶こそクリアラッカー仕上げのオラクルCDとは異なるというものの、印象はよく似ていて、セットにすると違和感ありません。音も言うことなしで、このコストの範囲では、最高の組み合わせであったと思っています。

 

オラクルCDドライブ+DAC64-Mark2試聴と導入顛末記もぜひご覧ください。 

2007/3/11記

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