ORACLE CDドライブ&Chord DAC64 Mk2導入記

 

WADIA-6の変更を決心したとき、次はSACDにすべき、との考えに固まっていました。しかし、絞り込んでいくと、SACDプレーヤーは、デザインを含めて選択の余地が意外に少ないのに気がつきました。また、

1) SACDのディスクは現状でほとんど持っていない
2) 新譜もいまだCDでの発売が大勢
3) SACDの新譜も大部分はCDプレーヤーでもかかるハイブリッドCDである
4) SACDのデジタル伝送はいまだ規格も定まらない

などの状況を考え、SACDがかかるプレーヤーということよりも、今あるCDを最高に楽しく聞けることを優先しようと決心したのです。それがもしSACDプレーヤーであればもちろん言うことがないのですが。

私は、オーディオ装置のデザインやコンセプトが自分のイメージに合っていることは非常に重視します。でも、デザインを気に入ったとしても、試聴しないで勘で買うなどということもほとんどしない人でもあります。見た目倒しのものも確かにあるからです。

今回の選択では、とくに慎重に、徹底的な試聴を行いました。それには、秋葉原のハイエンドオーディオ専門店「Refino & Anhelo」さんに大変お世話になりました。このお店では、私の希望するアンプ、スピーカーと、試聴希望の機材をセットして、何時間でもじっくり聴かせてくれるのです。これは本当にありがたいです。

 

試聴第一回;
 アンプはC46+MC501x2、スピーカーはJBL4338という極力私のシステムに近そうなものをご用意いただきました。
試聴をお願いしたプレーヤーは、一体型で、かつ外観の点でも私のイメージにあうの機種ということから、
●ゴールドムンド EIDOS-19(SACD)
●アキュフェーズ DP78(SACD)
●マークレビンソン No.390SL (CD)
の3点。CDのリファレンスとして定評ある(また私の憧れでもある)マークレビンソンを選びました。写真はその時のセッティングです。
なお、TEAC製品が入っていないのは、従来から音が私の方向とちょっと違うと感じていたためです。ごめんなさい。

マークレビンソンのCD、No.390SLはすばらしい。音場感に加え、低域の力感が違います。
ゴールドムンドは、本当に不思議なほどきれいな音を聞かせますが、迫力では390SLの勝ちです。ただし、ハイブリッドCDをSACDで鳴らすと、さすがに390SLを上回りました。
DP78は、価格的にこの中では不利ですが、決して見劣りしない、実に堅実な音を聞かせます。中域の充実はアキュフェーズらしいところ。ただ、他の二機種の海外機に比べると、全体にちょっと線が細い感じもしました。

ただ、最新のDP800/DC801はもっと低音が出ます。ここでは聞けませんでしたが、知人の方が早速購入されたので聞かせてもらって感激しました。

試聴したの3台の中での選択なら、私は迷わず390SLです。CDの音が力強くすばらしい。しかし、迷いました。上述の通り、この後、アキュフェーズの最新セパレートSACD、DP800/DC801を聞いてしまったからです。これはすごい。特に、SACDでは圧倒的解像度です。

 

試聴第二回:
DP800/DC801は、まあ、その価格も大いに問題ですが、そのほかにも、置場所の都合で一体型を考えていたのでした。しかし、セパレート型で、コストもDP800/DC801クラスまであり・・ならどうなるのか、をもう一度、考え直しました。

音質の点で有力候補はもちろんDP800/DC801なのではありますが、私の場合、DP800/DC801では、2段重ねにせざるを得ず、どうしてもあの大きな箱を重ねてセットした時のイメージが私の部屋とシステムにあわない気がするのです。イメージに合わないというのは、結構大きな問題です。では、私のイメージに一番合うものとはどういうものなのかな・・・・、と考え始めました。

置き場所は決まっていて、WADIA-6を置いているのと同じ飾り棚の上です。

ラックに入れなくてよいというこの場所の特長を生かす私の理想のイメージは、トップローディング。SACDではトップローディング機は最近一斉になくなってしまいましたが、CDでは、まだいろいろあります。それらの中でも、特に注目したのがトーレンスと同様のフローティングを備えたオラクルCDドライブです。デザインは非常にすばらしいです。実物をお店で拝見し、その姿にはまず惚れ込みました。でも、音のほうはどうなのかな。

DACは、非常に評判のよい、Chord DAC64Mk2が組み合わせられば、アルミボディーのデザインでも合いそうです。お店の方の説明でも、ORACLEはなかなかよいとのこと。再び試聴をお願いしました。DAC64はお店に試聴機がなかったのでわざわざ借りていただいての試聴です。

上の写真にはありませんが、DAコンバータは、コスト的にも近く、やはり好評と聞くステラボックスのST2も用意してもらって比較しました。リファレンスとしては、今回もマークレビンソンNo.390SLを再びお願いしました。

 まったく未知の組み合わせなので、全然だめであるという事態も覚悟の上で、偏見・思い込みなしで試聴に望みました。
 聞き始めて見ると、
ORACLE CDドライブとDAC64の組み合わせの音は、No.390SLに比べると、かなり高域が強調された感じになります。このままでは使えません。

しかし、ここでC46がその威力を発揮。高域の特性を少々いじれば、エネルギーバランスは私の好みにあわせられました。その状態での音は、本当に素晴らしい。高域が延びながらもうるさくなく、しかも、低域も非常に力強くて、迫力でNo.390SLをも上回らんかという勢いではありませんか。重心が低く、美しく、気持ちよい音で鳴りました。でも、もしC46がなければ、オラクルの選択はほとんどありえなかったでしょう。C46でよかった!

 一方、ORACLE CDドライブとステラボックスのDACでは、No.390SLと聞き間違えそうな落ち着いた重心の低い音になりました。これも悪くありません。でも、やはりDAC64との音のほうが、断然、美しく、力強く、しかも楽しい音です。特に高域の差(質感)は、この種の高級機の間としては、驚くほど大きいです。

この時点で私のこころは決まりました。このセットの価格は、アキュフェーズDP800/DC801が買えてしまう価格ではあります。しかも、SACDは聞けない。それでも、私のイメージにぴったりのシステムで、かつ、これまでのすべてのCDがこれほど楽しく聞けるなら、それはそれで正しい決断ではないか・・・と悪魔の声が私の耳元でささやきました(^^; そう思い始めると、そういう気がしてくるから怖い。

その決心をしたのが2007年1月28日。で、なんと2月からはDAC64は10万円値上げと聞き、旧価格確保のため、ただちに発注したのでした。

 

試聴第三回:
ORACLE CDドライブとDAC64が入荷したとの連絡を受けたのが2月16日(金曜)。取りに行ったのが2月18日(日曜)でした。一旦、お店で開梱し、またアンプ・スピーカーを含めて全部セットして、デジタルケーブルの相性試験をしてもらいました。上の写真はそのときの様子です。この組み合わせは、デジタルケーブルによる差がほとんど出ないようです。デジタルデータは、読み落とさない限り音が変わるはずがないので、この組み合わせは相性がよく、それだけ正確に読んでいるということではないでしょうか。おかげで、デジタルケーブルへの投資は最小限度で助かりました。また、デジタルケーブルに限っては、違うCDドライブとDAコンバータの組み合わせで試聴したって無意味らしいということでもあります。「Refino & Anhelo」さんの試聴システムには本当にお世話になり助かりました。

 結局、選択したデジタルケーブルはSAEC製です。デザイン的にも、シルバーの編線シールドでコードが覆われてるのはDAC64にもORACLEにもよく似合います。なお、アナログ線のほうも、たまたまですがWADIA時代からSAEC製を使っています。

 

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