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試験管スパイスラック時計を進化させて、パスタなどを入れるキャニスターを時計にしてみました。回路もプログラムも殆ど同じです。基板作りだけ今までとは違うことをやってみました。
チップLEDを140個使いますので、半田付け好きにはたまりません。
砂時計になるのに失敗するケースがあったのでプログラム更新(V4.1)しました。詳細はソース参照(2015.12.20)。
ルーバーに使用したダイソーのA4トレイの入手可能先を追記(2016.5.8)。
回路図
全体制御は44ピンのPIC16F887、時刻は高精度なRTCモジュール(DS3234S)を使いバッテリバックアップしています。
表示はLEDを5x28=140を並べて14列毎にダイナミック点灯していますが、同一の基板4枚で140個です。このうち、1枚にのみ制御部を実装しするようにしてみたのが新しい試み。余計なパターンがスタブになるが周波数が低いので問題ないと思う。
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基板設計
1枚あたりの基板サイズは56x64mm。表側に青色チップLED 35個、裏面にPICマイコン、RTCモジュール、タクトスイッチなどを搭載。
裏面には、基板間を繋ぐためのケーブルを半田付けするランドを付けてある。
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プログラム
プログラムは試験管スパイスラック時計とほぼ同じ。一部、明るさによって輝度を変えるテーブルを見直してあるのと、ダイナミック表示のPICのポート書き換えのタイミングを変えてある。
ソースプログラムと、HEXファイルです。バグがあるかもしれません、無保証です。著作権は留保しますが、改変などご自由にどうぞ。
電源断で砂時計になるのが失敗するケースがあるので、電源低下のリセットと砂時計になる電源断時間を4秒に見直したソースプログラム(V4.1)と、HEXファイル(V4.1)です。
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基板
今回、基板外形の2辺とも50mmを越えてしまい(56x64mm)、100×100mmサイズと同じ価格になってしまったので割高。
光が反射しやすいように白色レジストにしてみた。LED側のシルクが少しずれていた。
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チップLED実装
35個のLEDを実装したところ。これを4枚作るので、半田付け好きにはたまらない。
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基板裏面実装
裏面に部品を実装した様子。まだ、電池ホルダは付けてない。
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テスト点灯
PIC KIT2を繋いでプログラムを書き込み、動作確認。時計の上位2桁のみ表示されている。
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基板バグ
なんと基板にバグが見つかった。1本、表と裏のパターンを繋ぎ忘れていた。
Eagleで未配線時に表示されるラッツがほぼピッタリ表裏を繋ぐところに表示されていて、表示の長さが短く気づかなかった。
ドリルで穴を開け、裏表をジャンパ配線する。表側はLED34のカソード側ランドに繋ぐ。
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基板バグ
同じ箇所の裏側は、CN3ランドの一番下に繋ぐ。
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4枚連結表示
4枚に計140個のLEDを実装し、テスト表示してみた。
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基板裏面の接続
裏面はフラットケーブルで接続。フラットケーブルが交差しないように接続ランドの位置を工夫した。ランドの間隔は秋月の10Pリボンケーブル(\60)に合わせてある。ちょっとうろ覚えですが3〜4本必要。
裏面接続の拡大写真です。参考に。
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基板連結
10ミリ角の角材で4枚の基板を連結する。基板に開けた取り付け穴はφ2mm。
ホームセンタで2mmの木ねじを探したがなくて、タッピングネジにした。
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連結完了
隙間が空かないようにピッタリ並べて、角材に固定する。
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連結後の裏面
PIC KIT2でプログラムを書き込んでいる様子。まだ、2,200uFのコンデンサは付けていない。
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A4トレイ
ダイソーで購入したA4用紙を入れるトレイです。このトレイの両サイドにある穴を使う。縦に5個並んでいて、目的にピッタリ。
このトレイを見つけてから穴の間隔(8mm)に合わせて基板を設計した。
2016.5.8追記 このトレイはダイソーの商品ラインナップから消えてしまったようです。現在、アマゾンで入手可能な模様。
2016.6.21追記 近所のCan☆Do(キャンドゥ)にもありました。
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ルーバー
トレイの両サイドから切り出した部品。チップLEDにかぶせることでルーバーにする。1枚では高さが足りないので2枚重ねる。
青色LEDデジタル時計を作ったときにルーバーで苦労したので代わりになるものを探していた。
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ルーバー
ルーバーを載せた様子。
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フレーム
チーク材を使ってフレームを作る。5ミリ厚の板だったが、そのままではパスタキャニスターに収まらなかったので、内側をトリミングした。
キャニスターを後で見つけたので手間がかかってしまった。
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フレーム組み立て
木工ボンドで接着。裏(表)にはルーバーを入れてあり、フレームとルーバーの高さが一致するようにしてある。
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フレーム完成
LEDの光のスクリーンとなる半紙を貼るため、フレームの周りに両面テープを貼ったところ。まだ、表面の保護シールは剥がしてない。
青色LEDデジタル時計のときは障子紙を貼ったが、今回手元になかったので半紙をつかってみた。
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スクリーン貼り
スクリーンとなる半紙の上に裏返して載せて、半紙を接着しているところ。半紙には少し霧を吹いて紙を伸ばしてある。乾くとピンと張る。
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LEDフィルタ貼り
半紙を貼ったフレームに再度両面テープを貼っているところ。このあと100均で見つけたクリアブック(透明ポケットに書類を入れて保管するもの)の半透明の青いカバーを貼る。
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フィルタ貼った様子
こんな感じ。上から光りが当たっているので両面テープがうっすらと見えるが、通常の利用では目立たない。
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完成
USB給電で表示しているところ。
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完成
斜めからの写真。裏側は白いボール紙を両面テープで貼り付けてある。
左側に窓があり、明るいので少し輝度が低く見える。
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キャニスター立て
杉板(100×1800×10mm厚)を買ってきて加工した。
キャニスターがφ78mmだったので穴はφ81mmとしている。穴開けには自由錐を利用した。
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給電モジュール(送電側)
一番右端に非接触給電モジュールを埋め込む。
給電モジュールには9V〜12Vを供給するが、念のために100mAのポリスイッチ(自己復帰型のフューズ)を直列に入れてある。
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給電モジュール(受電側)
時計側の受電モジュールの様子。両面テープで貼り付けた。コイルの利用側にボール紙を貼り付け、コイルに加重がかからないようにする。
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裏蓋
裏蓋代わりにボール紙を両面テープで軽く貼り付けてある。貼り付ける前に時間合わせを行っておいた。
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キャニスターに入れた
こんな感じでピッタリ収まる。
今回のキャニスターは、ジャムびん.COM さんの"G074 胴径78mmX全長280mm"を使用した。
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完成
キャニスター立てに立ててみた。
大きさを比較するものがないと試験管スパイスラックとの違いがあまり分からない(笑)
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完成
家にあったパスタを試験管に入れて立ててみた。左から順にスパゲティ、ペンネ、フジッリ(らせん)、動物パスタ、時計。
時計は横表示モード。
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共演
試験管スパイスラック時計と並べてみた。
時計は縦表示モード。
動画
時刻設定
初めて電源を入れた際、時刻設定モードになり、設定対象桁が点滅する。点滅中にSETスイッチを押すと当該桁がインクリメントする。MODEスイッチを押すと設定桁が移動する。10時間の位から順次設定し1分の位で完了。1分の設定完了で時刻設定が終了し、通常の表示モードになる。秒の桁は設定できない(00固定)。
通常表示中にMODEスイッチを長押し(約0.6秒)しても時刻設定モードに移行する。
通常表示中にSETスイッチを押すと、秒の位を00にアジャストする。30秒未満のときは秒を00にし、30秒以上は、分(必要に応じて時も)をインクリメントし、秒を00にする。30秒以内の時刻誤差はこれでピッタリあわせることができる。
表示モード切り替え
通常表示時にMODEスイッチを押すと(長押しではない)、表示モードが以下の順に切り替わる。
(1) HH:MM:SS 横表示
(2) HH:MM 縦表示
(3) HH:MM:SS 横表示(変化する桁がスクロールアップ)
(4) HH:MM 縦表示(変化する桁がスクロールアップ)
バッテリバックアップ
RTCはバッテリでバックアップし、給電なしでも時刻を計時しています。
輝度自動調整
CDSでセンスした明るさに応じて5段階で輝度を自動調整している。真っ暗な部屋では超低輝度になるので、寝室などでもまぶしくない。
砂時計表示
試験管を試験管立てから持ち上げて(電源が切れて)、3〜4秒以内に降ろす(再度通電を開始する)と砂時計になり、4秒を越えてから通電すると普通の時計になります。
通電オン/オフの時間は、RTCの1秒単位の時刻を読み取っているので正確に3〜4秒ではありません。タイミングによって変わります。また、電源オフでLEDが消灯してもコンデンサが完全に放電されるまで若干時間がかかるので、あまり素早く電源を再投入するとPICのリセットが効かず、砂時計が表示されずに一番下の一列が点灯します。
基板頒布のお知らせ
終了しました(2019.1.8)。
生基板4枚に、チップLED、少量では購入が難しいチップ抵抗、チップコンデンサをつけて頒布します。部品番号は基板のシルクに対応しています。
組み立て手順書など紙資料は付きません。上記記事をご参考にお願いします。
(注)上記記事の通り、基板にバグがあり表と裏を繋ぐジャンパー配線が必要です。繋ぐための穴は開けておきます。今回、基板改版の予定はありません(在庫限り)。
◆生基板 4枚、チップLED、チップRC※
1 セット \2,500(送料込み:定形外郵便)
※LED 144個(4個予備)、47Ωx 12個(2個予備)、2.2KΩ x 16個(2個予備)、10KΩ x 6個(1個予備)、0.1uF x 3個、330Ω1/6W 1個ご質問やご希望の方は以下までメールください。折り返し、在庫状況や振り込み先などご連絡します。なお、振り込み手数料はご負担ください。アマゾンギフト券(Eメール版)もOKです(手数料がかかりません)。いきなりギフト券を送らないで、在庫確認後にお願いします。
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迷惑メールフィルタを使っているので、件名を「キャニスター時計基板希望」などとしてください(HTMLメールは迷惑メールと認識される確率が高いです)。
会社勤めをしていますので、メールの返事は夜か朝になります。出張等で返信が遅れることも予想されますがご理解ください。余り長いこと返信がない場合には、迷惑メールと判断されたかも知れませんので、書き方を変えて出し直してみてください。
お送り頂く個人情報は適切に管理し、一連のやり取りが終了したら削除します。
以上