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昨年6月、扇風機のオフタイマーを作ったが、これを汎用化して8時間、1500W迄制御できるタイマーを作ってみた。1500Wあればコタツや電気カーペットなどのタイマーに使える。
操作性は前回のタイマーと同じで、時間設定は1H〜8Hの1時間刻みと連続動作のみ。時間設定と経過の様子はLEDを並べて表示する。
(注) AC100Vを扱う工作ですので、製作は自己責任でお願いします。
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ケース選定
1500Wの制御をSSR(ソリッドステートリレー)で行うと放熱が大変そう(ヒートシンクが大きくなる)なので、パワーリレーを使うことにして、収まるケースの検討から開始した。結果、写真左上のタカチTWN7-5-11Wになった。
右側に写っているのがオムロンのパワーリレーG7L-1A-T、コイル側が100Vのもの。2個あるが1個のみ使用。
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回路図
PICは手元にあった8ピンのPIC12F675、時間表示のモニタは9個のLED(赤8個、緑1個)、通電モニタLED赤 1個、電源はコンデンサを使ったトランスレス電源。クロックはPICの内蔵発振4MHz(回路図拡大図)。
PICでSSRを制御し、SSRでパワーリレーを制御する2段制御。コイルがDCのリレーを使えば1段で済むが、トランスレス電源でリレーをオンオフする電流を得るのが困難なため。
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デバッグ
ブレッドボードでデバッグ中。4ピンで10個のLEDをダイナミック点灯させるため配線が多い。一番右の赤LEDはSSR制御用信号のテストモニタ用で、これはスタティック点灯し、本番ではSSRに繋がる。
プログラム
電源を入れとき(コンセントに挿したとき)は、電源オフ。 タクトスイッチを押すたびに以下の(1)〜(4)のモードを順次切り替える。 (1) 電源オフ (電源を入れたときはココ) (2) 1時間タイマ 〜 (3) 8時間タイマ (4) 常時オン 時間設定時のLED点灯 1H 2H 3H 4H 5H 6H 7H 8H 連続 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 緑 オフ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1H ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2H ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〜 8H ● ● ● ● ● ● ● ● ○ 常時オン ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● タイマ動作中は1秒ごとにLED点滅(★) 1H 2H 3H 4H 5H 6H 7H 8H 連続 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 緑 オフ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1H未満 ★ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2H未満 ● ★ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〜 8H未満 ● ● ● ● ● ● ● ★ ○ 常時オン ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ※タクトスイッチを押した後、1秒経過するとカウントダウン開始。 1秒以内に連続して押すことで時間設定が連続してできる。 ※カウントダウン点滅時にスイッチを押すと、点滅していた時間が 改めて設定される。例えば、2HのLEDが点滅中(残り1.xH)に スイッチを押すと2Hに設定される。点滅タイミングによっては 押してないように見えることがある(2HのLEDが点滅の点灯時に スイッチを押しても2Hになるので点灯状態のまま)。アセンブラソースコード、HEXファイルです。バグがあるかもしれません、無保証です。著作権は留保しますが、改変などご自由にどうぞ。
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内蔵発信キャリブレーション
内蔵発信はPIC内に記録されたキャリブレーションデータで校正すると±1%の誤差という仕様だが、念の為に測定してみた。
今回、若干誤差が大きく1.26%あったので、キャリブレーションデータを調整して0.22%まで追い込んだ。写真は調整後の周波数で、期待値250KHzに対して若干高い。8時間が1分強短くなる。しかし、気温等で変わると思う。
測定している周波数カウンタは以前作ったもの。
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ユニバーサル基板
手元にあったタカチの基板がケースにピッタリだったので、これを使用することにした。四隅のスルーホールがケースのボスに合った。
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基板加工
基板の中央に出力用のアウトレット(コンセント)が付くので、そのための穴開け。プロクソンのミニルータにダイヤモンドビットを付けて切り抜いていきます。
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ケース加工
手作業で9個のLEDを一直線に5.08mm(ユニバーサル基板の2.54mmピッチの2倍)間隔で開けるのが厳しそうだったので、CNCフライスを使って開けました。
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ケース・基板加工完了
こんな感じになりました。
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ACプラグ
ケースの裏にACプラグを出すので、写真のプラグから金属金具だけ取り出します。
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ACプラグ固定部品
アクリルから部品を切り出して固定します。この写真に写っているポリカーボネートの皿ビスが、工作中に行方不明になり、ビス1本だけネットで購入しました(詳しくはブログ参照)。
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基板組み立て
まず、9個のLEDの高さを揃えるため、ケースに開けた穴に挿した状態ではんだ付けします。写真の状態ではんだ付け。ちょっと狭いので、ケースにはんだ鏝がぶつからないように注意。
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動作テスト
外部から5Vを供給してテスト中。タクトスイッチの上にあるLEDが通電モニタ用LED。
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基板裏側
左端がPIC、右端がSSR、SSRの下側のDIPはブリッジダイオード。トランスレス電源のためのコンデンサ、フューズは基板外に実装する。
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ケース表側
LED、タクトスイッチはこんな感じで顔を出す。タクトスイッチ穴は、このあとで座ぐりました。
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組み立て
プラグ、アウトレット、基板など、ケースに収める前に配線できるところを配線します。アウトレットから基板に繋がる黄色いコードはまだ繋いではダメだったので、ケースに収めるときに切って繋ぎ直しました。
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パワーリレー
パワーリレーはケースの蓋側にスポンジ入り強力両面テープで貼り付けました。このために蓋にあるボス2個(右側)を削り取ってあります。
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ケースに収める
こんな感じでケースに収めます。
リレーはタブ端子式でしたが、直接はんだ付けしました。1uFのコンデンサ(緑色)も両面テープで貼り付けてあります。
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完成(裏側)
ACプラグは電極の間にあるポリカーボネートのビスで固定してあります。金属のビスだと危険です。
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完成(表側)
ラベルはカシオネームランドで作成。
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通電
動作中の様子です。8時間に設定し、8時間目のLEDが点滅しているところ。
動画
以上
from Metal Woods(c) 2018