M49.気象観測所の周辺環境を守る-津山2

著者:近藤純正
気候変動を監視する観測所の周辺環境が悪化しており、筆者は、観測所が 設置されている地域に何度も足を運び、地元の自治体職員や関心のありそうな 人に環境整備の重要性を訴えてきた。周辺住民や首長を説得した結果、自治 体が樹木の伐採を行うなど対策に乗り出していただけるようになった。
岡山県内陸の旧津山測候所(現在、津山特別地域気象観測所)では、周辺に 成長した桜など21本ほどが気象観測に大きな影響を及ぼすようになって いたが、気候監視の重要性が住民に理解され、市長はじめ市役所職員の ご支援・ご協力を得て、環境整備作業が始められた。 (完成:2010年2月24日、3月1日:表49.1の気象台分の内訳追記)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと

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更新記録
2009年12月26日:素案
2010年1月10日:素案の追記
2010年2月12日:素案の訂正・加筆
2010年2月19日:伐採作業ほかを追加
2010年3月1日:表49.1の気象台ぶんの内訳追加


     目次
      49.1 これまでの経過
      49.2 市長との面談
      49.3 具体的な環境整備案
               (1) 樹木の伐採計画
               (2) 敷地の公園化の案
      49.4 桜などの伐採作業(環境整備の開始)
      49.5 感謝の式典
      49.6 旧庁舎・宿舎跡地の公園化


49.1 これまでの経過

地球温暖化などの気候監視が重要となっているにもかかわらず、気象庁の 気象・気候観測所の周辺環境は年々悪化している。これは測候所の無人化に ともなって生じ始めた。(1)本来は残すべき観測所の敷地が余剰地として 売り出されたこと、(2)観測機器を設置する露場内の管理はできたとしても、 そのすぐ外側の管理が不十分になったことによる。

岡山県内陸の旧津山測候所(現在、津山特別地域気象観測所)は1943年 (昭和18年)に丹後山に創設された。現在は無人化されたが、これまでの 67年間にわたり貴重な観測資料が蓄積されてきた。しかし、その周辺には、 40年余り前に、城東地区住民によって植樹された桜200本余が成長し、 そのうち20本ほどが、気象観測に大きな影響を及ぼすようになった。

年平均風速は3分の2に減少し、秒速10m以上の強風日数は年間約50日 から2日ほどに激減した。これは防災上からも問題である。気温を測る露場の 風も弱まり、日だまりの傾向となり、年平均気温は周辺に比べ0.4℃も上昇 した。この0.4℃は、100年間当りの地球温暖化量の約0.7℃に比べて無視 できない誤差となる。

観測に影響する樹木さえ無ければ、ここは昔から周辺環境に変化がなく、 全国的にみて内陸では日本一の観測所である。気象観測資料は国民の財産 であり、観測所の周辺環境の改善を図らねばならぬ。しかし、岡山地方 気象台は観測環境の改善に積極的でなく、それに代わって行うことが筆者の 責務となった。

津山市や植樹した城東地区住民から理解と協力を得るために、2回の市民 講座、市内の知識人や市会議員、城東地区町内会役員への説明を何度も 続けているうちに、しだいに観測の重要性がわかっていただけるように なった。津山への7回目の訪問(2009年8月24日)では市長と面会でき、 その後は、市役所主導のもと、観測所の周辺環境が整備されることに なった。

津山観測所は、地域住民の理解と協力のもと、観測所の環境が改善され、 地球温暖化など気候監視が正しく行われることになったモデルケースである。 丹後山の観測所と周辺環境は、津山市民の誇れる場所となる。

観測所の観測環境の保全は、本来は国(気象庁)がなすべきことで あるが、これが地域住民の理解によって行われたのである。


注1:気象台の対応
観測所の周辺環境が悪化するまでに放置してきた岡山地方気象台に対して、 改善策をお願いしたが、気象台職員は基本的知識の欠如から樹木の成長が 観測に影響していることを認めなかった。 筆者は津山への行き・帰りに、延べ10回ほど岡山地方気象台に寄り、 説明を続けた。

気象台の態度を振返ってみると、最初は、(1)「成長した桜の木は気象 観測に影響していないので何も対応しない」であった。それならば、 植樹した住民などから理解をえて、筆者が桜を伐採してもよいかについて 尋ねると、(2)「他の者が樹木を伐採することになっても、気象台として は何も問題はない」に変った。

桜並木の近くには電力線が通っており、中国電力会社は電線に邪魔になる 桜の枝を時々切り落としているので、電力会社と相談した結果、筆者が 負担すべき桜は5本、経費は11万円余と見積もっていただき、残りの桜の 伐採は電力会社の負担としていただけることになった。

これを気象台にも報告し協議を繰り返しているうちに、気象台の最終的な 態度は、(3)「観測所近傍の障害物が風観測に及ぼす影響は若干見受け られるが、実際には樹木に隙間があることを考慮すれば、現時点では影響 は無いものと考えられる。しかしながら、将来的には測風塔の南側と西側 にある一部の樹木については、風の観測に影響が出る可能性がある」 (気象台から津山市へ提出した書類:公表可)とし、樹木6本の 伐採費用は気象台が出すことになった。

上記(3)の文脈からみても、気象台職員の基本的知識がいかに低いかが わかるであろう。すなわち、「樹木に隙間があっても、それを通り抜けた 風は弱められる」について、一般の人々は防風林や防風ネットから理解 できるのだが、気象台職員は何度説明しても理解できないのである。

注2:市長との面談までの経緯
当初から津山市長に観測環境の改善をお願いするために面会の機会をつくる べく働いてくださった方もあったが、「観測所の周辺環境の改善について、 気象台からの話がないのに、なぜ一個人・近藤の申し出があるか」に疑問を もつ方もあった。市民講座では、「なぜ気象台からのお願いがないか」 について、現実の観測資料によって、気象台職員の基礎的知識の欠如を 指摘せざるを得なかったのである。樹木の成長によって気象資料に異常が 現れていることは一般の人々にも容易に理解できた。このようにして、観測 所の問題が広く理解されるようになり、市長へも話が伝わることになった のである。


ここまでの経過の詳細は「M45.気象観測所の周辺 環境を守る-津山1」に掲載されている。

49.2 市長との面談

2009年8月24日の14時から約1時間かけて津山市長・桑山博之氏と面会できた。 面会に先立ち、詳しく説明した資料とお願いの手紙を市長宛てに送って あった。

この日までに、桑山市長は現地・丹後山も視察されており、城東地区連合 町内会会長・本多正志氏とも相談され、諸々のご検討をされていたのである。 さらに、市役所主導のもと、城東地区の住民に対する「観測所周辺の環境 整備についての説明会」が9月16日に計画されていた。また、9月の定例市議会 では観測所周辺の環境整備問題が取り上げられることになる。

市長との面談後の15時から、総合政策室の政策参事・鈴木洋二氏と主幹・ 玉置晃隆氏と同行し丹後山へ行き、伐採すべき樹木21本(桜19本と雑木2本) にテープを巻く作業を行った。

筆者にとって津山は遠い所であるので、津山市役所が全面的に協力して くださることになり、今後はお任せすることをお願いして帰途についた。

翌日の8月25日、津山からの帰途、9時過ぎに岡山の財務事務所に寄り津山で の結果を報告し、「いずれ津山市から測候所庁舎宿・舎跡地の購入について 申し入れがある」ことを告げた。

次いで岡山の同じ合同庁舎内にある岡山地方気象台に寄ると、津山市役所の 担当者2名と気象台の台長・樋口俊児氏、 次長・武田寅彦氏、技術課長・松崎徹氏と相談中であった。市役所の 担当者は気象台へは突然の訪問であったという。筆者は、津山市の 素早い対応に感心した。

気象台と津山市の相談が終わると、筆者はその席へ招かれ両者間の相談内容を 伺うと、次の通りであった。

気象台の費用で樹木6本を伐採し、残りは中国電力と一部筆者・近藤の負担で 伐採し、観測所の周辺環境の整備を行う。今後は津山市主導で行う。 津山市役所と気象台の共催で9月16日(水)19時から津山市城東屋敷にて住民 に対する説明会を行う。その日までに市役所が住民に対して根回しをして おく。測候所庁舎・宿舎跡地は筆者・近藤からの寄附金によって入手し、 桜を伐採する代わりに観測の邪魔とならない低木を植樹するなど公園整備を 行う。

9月16日に予定された住民への説明会において、気象台からは次長と技術 課長が出席されるとのことである。この説明会において、気象台が従来の 「成長した現在の樹木は観測資料に影響していない」を繰り返すのでは 気象台職員の恥をさらし、まとまる話もまとまらなくなる恐れがある。 そこで、筆者は「気象庁観測課への報告とお願い」を持参し気象庁本庁の 観測課へ9月9日に行き、「住民は桜並木の成長が観測の邪魔になっている ことは常識として知っているので、気象台はこれを理解したうえで説明会に 臨んでほしい」ことを本庁から岡山地方気象台へ指示してくださるよう お願いした。

クリックして次の 「気象庁観測課への報告とお願い」を参照し、プラウザの「戻る」を 押してもどってください。
気象庁観測課への報告とお願い


9月16日夜の説明会の後、津山市からの 報せによれば、住民からは桜など21本の伐採についての了解が得られたが、 跡地を公園にするに際し、トイレや水道の設置についての要望があった とのことである。

一方、9月の定例市議会では観測所が設置されている丹後山の整備について 取り上げられ、市議・秋久憲司氏の質問に対し、市長と総務部参与 (兼危機管理課長)・妹山滋氏と土木部長の回答があり、正式に環境整備 が進められることになった。

市役所の担当者が住民との間で順序をふんで何度も交渉し、 具体的な図面も作成して公園整備案が具体的に決まった。桜など樹木の伐採 は2010年1月末から2月に行われる予定となる。なお、公園整備の修正案 (図49.1)では、水道の設置には1000万円ほどの費用が掛かるので、水道と トイレは無くてもよいとの了解がえられた。

49.3 具体的な環境整備案

(1)樹木の伐採計画
樹木の伐採作業は中国電力KKの関連会社(電力調査株式会社)が行う。
2009年12月24日に電力調査株式会社から送られてきた樹木伐採の見積価格は 表49.1に示した。

表49.1 樹木21本の伐採費用(単位:円)
( )内は当初2009年1月21日の見積り価格



	品  名       近藤純正の負担分     気象台の負担分

        樹木伐採        57,000(66,000)       67,000(  0)
	車両使用料      14,000(20,000)       21,000(  0)  
	運搬・廃棄料    22,000(21,000)       26,000(  0)
	諸経費          14,000(10,000)       17,000(  0)
	値引き          -2,000(-7,000)       -1,000(  0) 

	小計           105,000(110,000)     130,000(  0)
	消費税           5,250(  5,500)       6.500(  0)
	合計額         110,250(115,500)     135,000(  0)                                      


伐採費用の品名にはそれぞれ”一式”となっており、作業は同時に行うために 各分担の厳密な分離はできないが、筆者・近藤純正が樹木5本ぶん、岡山 地方気象台が樹木5本ぶん、残り(全体の約半分)は中国電力KKの負担と 見なしてよい。同じ5本でも樹木の枝分かれや茂りによって費用が異なると 見なしてよい。上記の金額は、特別に安く見積もっていただいたと想像 する。それは、今回の作業は当初、観測所周辺の環境整備を個人(近藤)が 実施することに、電力会社と関連会社が理解し、支援してくださることに なったと思う。それは、同作業についての他社見積や他所で行われた費用と 比べた結果から判断できる。それゆえ、電力会社と関連会社に感謝したい。

12月25日、早めであるが、上記金額11万円余を電力調査株式会社へ送金して おいた(筆者は、年明け早々に入院治療することになっており、主治医 から困難な治療になることを聞いていたことによる)。

(2)敷地の公園化の案
観測露場の北側に接する旧庁舎・宿舎の跡地(面積=約1600平方m、 斜面などを除く有効面積=1380平方m)は気象台から財務局に返還されており、 財務局岡山財務事務所から売りに出されている。 もしも、この敷地に大きな建築物が造られると、観測所としての環境が大きく 変わり気候変動の観測ができなくなる。

この敷地は気象庁の考えた余剰地ではない。この敷地は、たとえば公園用地 として確保し、植栽は2m以下の低木とし、密でなく風通しのよい状態に 保たなければならない。

敷地の確保・公園化について津山市総合政策室で検討していただいた 結果、筆者・近藤純正が津山市に対して「ふるさと納税」を行い、津山市が 財務事務所から敷地を購入する計画とした。

敷地が購入できて、それを公園とする場合の素案がつくられた(図49.1)。 この素案をもとに、城東地区住民と市役所の話し合いが続けられた結果、 ようやく住民から樹木の伐採についての了解が得られた。

図49.1中の赤丸印は伐採樹木、緑色の小四角は低木の植栽、青色の長い四角 はベンチを示す。この素案の図面は今後、住民との話合い、その他によって 変更される可能性もある。

整備平面図
図49.1 観測所周辺(丹後山)の整備計画の素案(津山市総合企画部 総合政策室作成)

49.4 桜などの伐採作業(環境整備の開始)

観測所の西側と南側の道路沿いに成長した樹木21本(桜19本と雑木2本) の伐採作業が2010年2月15日、16日に行われた。 図49.2は伐採作業を撮影した写真である。

伐採作業
図49.2 環境整備の作業。左:観測所西側の道路、南から北方向を撮影、 右:露場の北側から南方向を撮影

2月15日の午前中には、城東連合町内会の会長・本多正志氏も樹木伐採作業に 立ち会われた。私は本多会長に対して、「今回は難しい問題を町内でまとめて くださって、観測所の環境整備が行われることになりましたことに、御礼を 申し上げます」と感謝の気持ちを伝えた。

城東地区住民の皆さんは、40年以上に渡って、毎年保護してきた愛すべき桜 を伐採してまで、良質な気象観測資料が得られるよう環境整備を優先して くださったことに感謝したい。

この丹後山から西方に望む城山の東斜面は、最近、雑木等が伐採されて、 横に長い石垣の城壁がよく見えるようになった。丹後山の環境整備が完了 すれば、城山から丹後山の観測所もよく見えるようになり、津山市の名所 ―”内陸で日本一の気象・気候観測所”―と呼んでよい。

以下では、伐採前と伐採後を比較した写真である。写真の左側は伐採前、右側 は伐採後である。樹高は10m以上あったので、伐採後には見違えるように 理想的な観測所となった。写真は冬の落葉した状態を撮影したもので隙間が 多いが、夏には密に着葉しており観測露場の風通しが悪い状態となっていた。

西側01
図49.3 桜並木の伐採前(左)と後(右)、西側道路の北から南方向を撮影、 やや左手に測風塔が見え、その左側の白色小屋は観測所局舎(格納庫)である。

西側02
図49.4 伐採前(左)と後(右)、西側道路の南から北方向を撮影、右端に 測風塔が写っている。

南側03
図49.5 伐採前(左)と後(右)、南側道路の西から東方向、左手に露場の フェンスが写っている。

南側04
図49.6 伐採前(左)と後(右)、南側道路の東から西方向、右手の上が 露場であるが見えない。

放送塔から05
図49.7 伐採前(左)と後(右)、観測所の南にある放送塔脇から北方向を 撮影、中央に測風塔が写っている。

東から西方向06
図49.8 伐採前(左)と後(右)、露場の東から西方向、露場の中央に 雨量計が写っている。

北から南方向07
図49.9 伐採前(左)と後(右)、露場の北から南方向、遠方の高い塔は 観測所の南方にある放送用のアンテナ。

南西側08
図49.10 伐採前(左)と後(右)、旧庁舎・宿舎跡地から南西方向、 左寄りに測風塔、ほぼ中央の白色小屋は観測所局舎が写っている。

西側09
図49.11 伐採前(左)と後(右)、旧庁舎・宿舎跡地から西方向、手前の 広場が公園用地(案)である。

49.5 感謝の式典

樹木の伐採作業の日程が決まってからのこと、2010年2月8日に津山市から 次の連絡があった。

2月15日(月)11時45分に市役所にて、桑山市長から筆者・近藤純正に 「ふるさと納税」に対し感謝状を贈呈してくださるとのことである。これは 予想もしていなかったことである。筆者は、観測所周辺の環境整備が行われる ことになったのは、津山市長はじめ津山市民のご理解ご支援によるものだ と考えていたので、この贈呈式では「津山市へのお礼の言葉」を述べる ことにした。

当初、伐採作業の期間中の津山滞在中の2月14日~17日に、筆者は市役所を 訪問し市長はじめお世話になった方々にお礼を申上げる予定であり、市役所 に連絡すると、この期間は市長選挙で、市長との面会は難しそうであった (14日:公示日、21日:投票日)。しかし、上記の式典が計画されたことで、 市長にお礼のご挨拶ができることになった。

式典には市長・桑山博之氏ほか、総合企画部の部長・野上二郎氏、総合政策 室室長・忠政堅之氏、政策参事・鈴木洋二氏、主幹・玉置晃隆氏、また 経済文化部の部長・高原清隆氏、企画参事・甲田勉氏、その他地元報道関係者 などが参加された。さらに、特別にお見えになられていた酒本孝之氏 (元・県立津山東高校校長)にお会いすることができた。酒本先生は、筆者が 城東屋敷で市民講座を行ったときに参加されて(2009年2月15日)、筆者が 訴えた観測所の環境の重要性について地元新聞の声欄に投書してくださり、 また市長への橋渡しの労をとってくださった方である。

式典の式次第:
市長から「ふるさと津山サポート寄付金」に対する感謝状の贈呈
市長からお礼のご挨拶
近藤から「津山市へのお礼の言葉」のご挨拶
歓談

授与式
図49.12 左:市長からの感謝状贈呈、右:近藤によるお礼の挨拶

感謝状
図49.13 感謝状


 津山市へのお礼の挨拶

津山市へのお礼の言葉

 いま、地球温暖化が国際問題になっております。しかし、その正しい実態 はわかっておりません。私は、地球温暖化などを監視する観測所の現状を 知る目的で、全国各地を見てまわりました。
 3年前(2007年)になりますが、旧津山測候所の観測データに異常を見つけ、 その原因として、観測所の周辺に樹木が成長しているのではないかと推論し、 岡山地方気象台に詳しいデータを添えて問い合わせしたところ、樹木は観測の 障害になっていないとの回答を得ました。

 しかし、5月14日に現地を訪ねてみると、観測所の周辺には成長した桜並木 があり、一見して観測の障害になっていることが分かりました。この桜の ことを知るために、その翌日市役所に伺って以来、皆様には全面的なご支援 を賜りました。
 本日から観測所周辺の環境整備作業が始まりましたが、環境整備が完了 しますと、津山観測所は、内陸では日本一の環境に恵まれた重要な地点 となり、高い精度で地球温暖化など気候変化を観測・監視していくことが 可能になります。

 これは市長はじめ津山市民のご理解ご協力によるものであります。 ここに感謝し、心から御礼を申し上げます。

           平成22年(2010年)2月15日

近藤純正(東北大学名誉教授)



津山市が気象庁観測所の周辺環境の整備を始めてくださったので、 本来ならば、気象庁長官が津山市に対して感謝の意を表すべきであろう。 しかし、気象庁では気候観測所の周辺環境の重要性に気づいておらず、 観測所の具体的な基準が調っていないので、現時点で筆者が気象庁長官に 代わって津山市に対して御礼の挨拶をしたのである。

本章の最初に述べたように、測候所の無人化にともなって観測所の観測環境 が急激に悪化している。このことを世論に訴え、環境悪化を防ぐ行動 をしなければ、取り返しがつかない事態になってしまう。10~20年 先での対応では間に合わないのである。


49.6 旧庁舎・宿舎跡地の公園化

旧測候所の庁舎・宿舎跡地の入手については紆余曲折がある。49.2節「市長 との面談」で説明したように、2009年8月以来、跡地の購入について津山市 が岡山の財務事務所と交渉を重ねてきた。 今後、津山市が財務事務所から跡地を入手し、来年度(平成22年度) にかけて公園化の作業が行われる予定である。

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報道関係者への情報


2009年8月24日以降の詳細は「市長面談以降の経過の詳細」に述べてある。

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市長面談以降の経過の詳細




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