市長面談以降の経過の詳細
(2009年8月21日~2010年3月 日)

津山市の計らいによって市長との面談が2009年8月24日14時~15時に設定 された。津山へ行く前の8月21日に筆者・近藤純正は岡山に寄り、中国財務局 岡山財務事務所管財課の橋本睦弘氏と面談した。橋本氏によれば、津山の 旧測候所跡地は9月30日締め切りで、最初に申し出た者に販売されるとのこと。

続いて岡山地方気象台に立ち寄り、台長・樋口俊児氏と技術課長・松崎徹氏 と会い、24日に津山市長と筆者が面談の予定であることを告げた。台長に よれば、気象台としては津山観測所敷地内の桜2本と、ほか雑木を含む4本の 合計6本を気象台の費用で根元から伐採する意向であるとのこと。

翌8月22日(土)岡山県立図書館にて、日本気象予報士会の岡山支部にて 講演会「温暖化の監視が危うい、気候変動の原理」を行なった。

2009年8月24日(月)津山市長との面談
14~15時に津山市役所にて津山市長・桑山博之氏と面談。同席者は総務部参与 (兼)危機管理課の課長・妹山滋氏と次長・久保農夫雄氏、総合政策室の 政策参事・鈴木洋二氏と主幹・玉置晃隆氏、公園緑地課の課長・景山昭夫氏 である。

市長の考えでは、環境保護の観点から観測所周辺の整備を行う方向で話を 進めたらよいのではないか。すでに城東地区町内会の支部長・本多正志氏と 話しあいを行ってあった。城東地区の住民に対しては、桜の植樹以降の 管理・手入れしてきた経緯があるので、説明が必要である。筆者の願いと して、桜の代わりに低木を別の場所に植えるということで住民を説得して いただきたい。
今後の問題解決は市役所にお任せすることとした。

15時から丹後山の観測所へ行く。政策参事・鈴木氏と主観・玉置氏と 運転手が同行。根本から伐採すべき桜など21本にテープを巻く作業を行った。

2009年8月25日(火)岡山へ寄る
津山からの帰途、9時過ぎに財務事務所の橋本氏に津山の結果を報告し、 いずれ津山市から土地購入について申し入れがあることを告げる。

岡山地方気象台に寄ると、津山市総合政策室職員2名が台長、次長、 課長と相談中であった。市役所職員の訪問は突然であったとのこと。 津山市の素早い対応に感心した。

要約は、気象台が6本を伐採(これは8月上旬に気象台が市役所に申し込んだ ぶん)、残りは市役所が伐採(中国電力KKの協力と近藤の一部負担を含む) して環境整備をする方針とのこと。市役所主導で今後は進む。 市役所と気象台の共催で9月16日(水)19時から津山市城東屋敷において説明 会が行われる予定。

桜の伐採は、これまで住民が管理し、毎年手入れしてきた経緯があるので、 桜に代わる低木(例えば花みずきなら、桜に続いて開花し、手入れせずとも よい)を別の場所に植えることで住民に納得してもらう。別の場所として 約500坪の旧庁舎・宿舎跡地を利用する。

桜を伐採してよいとなれば、近藤が約500万円を津山市に寄附して、財務局 から払い下げしてもらう、ということになる。500万円は近藤にとって は大金なので、桜等が伐採されることが確実にならない限り寄附はできない。

2009年9月9日気象庁観測課へ
10時から気象庁観測課長・網野正明氏に挨拶した後、課長補佐・宮本 仁美氏、課長補佐・水野量氏、調査官・萩原裕之氏、ほか1名と会談し次の 資料を手渡して70分間にわたり説明を行った。
①「津山市長への説明資料」(2009年8月24日)
②「気象庁観測課への報告とお願い」(A4の1枚)
③近藤が各地の講演で使っているパワーポイント図(2009年9月9日版)

○岡山地方気象台へ次のメールを送信し、「気象庁観測課への報告とお願い」 を添付した。

(メールの内容)
台長 樋口俊児様
次長 武田寅彦様
課長 松崎 徹様

本日9月9日10時から1時間余りの時間をいただき、本庁の 観測課の観測課長・網野正明様にご挨拶したあと、 課長補佐・宮本仁美様(2年前の9月12日にも面会、ただし役職 変更)、課長補佐・水野 量様(ずっと以前からの知り合い、 気象大学校から転勤)、調査官・萩原祐之様(地上運用担当)、 ほか1名の合計4名と一緒に面談し、私の報告とお願いを行ってきました。 気候観測の諸々の話もしてきました。

この面談で手渡した資料は、①津山市長への説明資料(8月24日)と、 ②最近各地で講演しているパワーポイント資料一式です (①は前もってメールで送付)。

いずれ大阪管区気象台経由で本庁観測課から連絡が来ると思いますが、上記4名に 手渡した資料(A4の1枚)を添付しておきますので、ご参考になさってくだ さい。 要は、津山市長がせっかく動き出してくれたので、16日の説明会および 今後のことがうまくいきますように願っております。 なお、報道機関には、いましばらく津山の件についての報道は控えていた だくようお願いしてあります。

2009年9月16日津山市議・秋久憲司氏から電話(16:30ころ)
電話があり、続いてファックスで市議会9月定例会資料を送っていただいた。


市議会9月定例会資料(公開された資料)

秋久憲司氏の質問
丹後山の景観保護について

丹後山には気象庁の測候所があるが、現在は無人化となり測定機器が設置し てある。以前使用していた測候所の建物が取り壊され、この土地が岡山財務 事務所から競売に出されていると聞いている。以前、新聞記事で「津山の 測候所は全国的にみて気象観測の良い環境が残っており貴重な存在で、測候所 の跡地に建物が建つと正確な温度や風力の測定ができなくなる」などの講演が あったと記憶している。
環境都市を標榜する津山市としては気象観測の貴重な地点であれば地域資源 として関係機関と連携し何らかの対応が必要ではないか。また、丹後山の頂上 は「津山市城東町並み保存地区」の「周辺景観保存地区」となっている。 お城山と丹後山の対を成す景観は市民がなれ親しんでおり、新洋楽資料館や 城東の町並み、上之町などのお寺など歴史散歩の小径として、市民や観光客 の散策ルートとしても重要な地点となるのではないか。
この土地を取得して、景観の保護を行うとともに市民の生涯学習や憩いの場と してはどうか。
景観保護に対する市長の基本的な考え方もお聞きする。

桑山博之 市長の答弁
丹後山の景観保護に対する市の基本的な考えについてであるが、 本市は、豊かな自然と、津山城址や城東地区・城西地区の町並みなど長い 歴史と伝統を持った、文化の薫り高い城下町である。
この大切な景観を後世に残すため、本市では昭和61年度に「津山市景観整備 基本計画」を策定し、景観の保全に取り組んできた。
また、本市固有の歴史的文化や風情、情緒、たたずまいを今後とも維持し、 さらに向上させるため「津山市歴史的風致維持向上計画」を策定し、本年7月 に国から認定を受けたところである。
この計画の認定を契機として、より積極的に景観形成を推進するために、 これまでの景観施策を見直し、合併後の全市的な景観計画の策定を進める 予定としている。

総務部 妹山滋 参与の答弁
津山特別地域気象観測所は、内陸部の貴重な観測所であるが、周辺の桜の木が 成長し風の観測に影響が出る可能性があると聞いている。 このため、岡山地方気象台とその方策について協議しているところである。

土木部部長の答弁
測候所跡地の取得についてであるが、丹後山の丘陵地は、「津山市景観整備 基本計画」の中で、城東地区と一体となった大切な歴史景観として形成地区 に位置づけている。
また、この7月に国から認定された「津山市歴史的風致維持向上計画」において も、重点区域として位置づけているところであり、隣接する鶴山公園の眺望 という観点からも、景観上重要であることは十分認識している。
ご質問の、測候所跡地の取得及び活用については、地元町内会や各関係機関 の協力が得られるかなどを考慮しながら、慎重に検討してまいりたい。


2009年9月18日津山市役所総合政策室から電話(9:00)
9月16日夜の説明会では15~20人程度が参加。住民からは、雑木含む桜21本の 伐採は可の内諾を得た。ただし、売り出し中の跡地の利用について、 公園とした場合、便所や水道の設置をするなど具体的な図面を作成して 欲しいとの要望があった。
17日には岡山の財務事務所と敷地入手について交渉して きた。9月30日の次の入札は来年2月になるとのこと。

2009年10月7日津山市長へ手紙
総合政策室を経由して 津山市長・桑山博之氏宛の手紙を投函。その後の状況と、敷地購入費の 寄附の方法について照会した。

2009年10月9日(金)市役所から電話
今後つくる計画の公園には、住民から水道とトイレの設置について要望があり、 検討している。
・測候所時代の水道は自家用ポンプで水を揚げていた。改めて水道を 導入するとすれば、莫大な費用がかかる。
・9月30日締切りの敷地入札者はなく、次回は来年の2010年2月ころになりそう。
・来年は市長選挙があるので、今年中の敷地購入の予算執行は不可能であり、 来年6月に提出することになる。
・近藤が敷地購入し、それを市に寄附する場合、近藤はそれまで固定資産税 を払わねばならないが、税金のことは検討してみたい。

○市役所にメールを送信。近藤の敷地購入と桜伐採などについての案を送信。
○市役所から電話あり。
・財務事務所の話からして、次回の一般公募・入札は来年2月となっている ので、近藤が年内に敷地を購入することは不可能との事。
・桜等の伐採は年度内に行えるように努力したい。

2009年11月27日(金)津山市役所から電話
観測所の環境整備の問題が、さらに進展しているとのこと。

津山市役所が段階をふみながら、慎重に環境整備の問題について住民との 話しあいを行っている。以前、城東地区住民は桜など(雑木2本)21本の 伐採はOKだが、「公園内にトイレと水道を設置してほしい」との 要望が出されていたが、昨夜11月26日、市役所が住民に対して説明会を 行ったところ、水道を引くのには1千万円ほどかかり今後の維持・管理費 もかかるので、トイレと水道は設置せずともよいとの了解が得られた。 払い下げてもらう予定の敷地(1、600平方m)のヘンスはそのまま残し、 中にベンチを設置し、観測の邪魔にならない低木、たとえば「ハナミズキ」 か「ヤマボウシ」を広く間隔をとって植樹する計画である。

昨夜開催の説明会は全戸(約800戸)に通知して開いた説明会であり、 集まった約10名の住民から上記の了解が得られたので、今後この案を全戸 に回覧するとのこと。これまで何度も交渉してきたし、特に異論が出なけれ ば桜などの伐採の手続きに入る。見通しとして、伐採の作業は来年2010年 1月下旬~2月にかけて行う。作業は以前に近藤が見積もりを貰ってある 中国電力KKが行う。桜は電力線にも邪魔になっている関係から、作業は中国 電力KKの関連会社が行うことになる。

伐採の日が決まり近藤に知らせてくれれば、近藤は津山へ立ち会うために 行く約束をした。

もう少し時間が経った段階で、1~2月頃に、近藤が市役所へ寄附する 金は、たとえば「ふるさと納税」の制度が使えるのではないかとのこと。

2009年12月16日(水)17時 津山市役所から電話
測候所の旧庁舎・旧宿舎跡地を公園にする図面にベンチと低木の植樹の 位置を記入し、130部ほどを作成して、現在回覧中である。
(1)来週中に電力調査KKから桜の伐採費用のうち、 近藤の負担分について電話がある予定である。(2)桜などの伐採作業は 1月末~2月にかけて行う。その具体的な作業日は電力調査KKから知らせて くれる。(3)跡地購入の費用は「ふるさと納税」として津山市へ寄附 すればよい。桜の伐採時期に近藤が市役所で担当者と手続きについて相談する。 (4)桜の伐採作業等についてTV局など報道機関に知らせてもよい。

2009年12月21日(水)電力調査KKから電話
桜等の伐採費用の近藤負担分=11万250円、気象台負担分=13万5000円。 近藤負担分の見積書等は後日郵送されてくる。
伐採の日は1月末~2月はじめ、確定した日程は10日ほど前に知らせてくれる。

2009年12月24日
樹木伐採費用の近藤負担分の見積書を郵送にて受け取る。

2009年12月25日
樹木伐採費用の近藤負担分11万250円也を電力調査KK宛てへ振り込む。

2010年1月22日(金)津山市経済文化部産業支援課から
ふるさと納税のパンフレットとともに、「ふるさと津山サポート寄付金申込書」 用紙を受け取る。

2010年1月25日(月)
津山市へ「ふるさと納税」(6.水と緑あふれる環境まちづくり事業) に指定して金500万円を郵便局から振替払込を行う。

○15時~、自宅にて M 新聞社から取材を受ける。

2010年1月29日(金)津山市役所から電話あり
観測所旧庁舎・宿舎跡地入手について岡山財務事務所と引き続き交渉中である。

2010年2月3日(水)津山市役所から電話あり
2月15日、16日の伐採作業のことを報道機関に知らせ、当日の作業のみが 報道された場合、地元住民と市役所が約束した「観測所北側の敷地の公園化」 が欠けた報道となり、住民に混乱が生じる可能性がある。現在、岡山財務 事務所と購入価格について交渉中である。 交渉が成立するまでは、報道は控えていただくよう、お願いしたい。

筆者・近藤は、このお願いを報道関係者(M 新聞社、S 報道、S 新聞津山支社、 T 新聞社)にお願いした。

2010年2月8日(月)14時、津山市役所から電話あり
財務事務所から連絡が入り、敷地購入価格の交渉が成立したので、 報道機関に樹木伐採作業のことは知らせてよいとのことである。また、
(1)今年度中に環境整備を行うことになった。
(2)2月15日の11:45津山市長から筆者・近藤純正に「ふるさと納税」 に対し感謝状を授与する予定である。
(3)市役所詰めの報道関係者に環境整備のことなどの情報を流す予定である。

○14時30分~、自宅にて A 新聞社から取材を受けた(気象庁労働組合から筆者・ 近藤の活動を知ったとのこと)。

2010年2月14日~17日:津山滞在(桜の伐採作業の立会い)
14日午後:現地にて伐採前の状態を撮影
15日:伐採作業の立会い、市役所にて感謝の式典
16日:伐採作業の立会い、伐採後の状態の撮影
17日8時~8:30:伐採後の状態を撮影

 津山9:49発にて岡山へ

○岡山財務事務所にて、管財課長・金森一郎氏と国有財産管理官・橋本睦弘氏に面会
・津山市役所で読み上げた「津山市へのお礼の言葉」のコピーを手渡す
・毎日新聞2月14日朝刊の記事「無人測候所 私財で周辺整備」のコピーを手渡す
・全国紙にはこれまでの経過・金額等のことは話してあること
・全国の講演会で津山の問題は話題にしていること
を伝え、近藤は国のために仕事をしているので、旧津山測候所余剰地の 払い下げ価格は国民の目線から妥当な金額にしていただきたい旨を伝えた。

○岡山地方気象台にて、新台長・中山繁樹氏と面会(次長と総務課長立会い)
津山での行動を報告した。
・市長からの「感謝状」を見せる
・「津山市へのお礼の言葉」のコピーを手渡す
・毎日新聞2月14日朝刊の記事「無人測候所 私財で周辺整備」のコピーを手渡す
今後の津山観測所について、市役所や地元住民とも相談して、環境整備に 注意してくださるようお願いした。

岡山13:23発の「のぞみ126号」にて帰途

―続く―


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