ただし、ρ は空気密度、U は高度 z における平均風速である。τ は超音波
風速計による乱流変動の観測から得られる運動量輸送量である。
カルマン定数 k は、昔、風洞実験からおよそ0.4であるといわれてきたので、
気象学でもこの値が使われてきた。しかし1968年の夏にアメリカのカンザス州
の麦を刈り取ったあとの広い畑で大規模な境界層観測が行われ、そのときの
データからBusinger et al.(1971)が決めたところ k=0.35となった。
図16.17 微風時の海上における潜熱輸送の交換速度(縦軸)と高度10mの風速(横軸)
との関係。プロットはBradley et al.(1991)の観測値、点線と一点鎖線は
Kondo(1975)のバルク法から予想される関係で、点線は中立時、一点鎖線
は海面・大気間の仮温度差=3℃のとき。
(Kondo and Ishida, 1997, JAS より転載)