平成7年度指定

福岡藩主黒田家墓所

黒田家墓所図

 福岡藩主黒田家の墓所は四ヵ所に分かれている。本墓所はその内の一つ、かつて黒田家の菩提寺であった崇福寺に祀られた藩祖黒田如水、初代藩主長政、4代綱政、6代継高、7代治之、9代斉隆の墓所である。(なお、2代忠之、3代光之、8代治高は博多区御供所町の東長寺が菩提寺であり、その墓所は平成6年度福岡市の文化財に指定されている。また、5代宣政、10代斉清は東京都南麻布の天真寺を菩提寺とし、11代長溥、12代長知の墓所は東京都南青山の青山墓地である。)

藩祖黒田如水の墓 初代藩主長政の墓

 本墓所は元来、如水・長政の墓塔を中心に藩主正室、子女、家臣、直方藩主の墓塔二十数基が広大な墓域に点在していたものであるが、1950年(昭和25年)に行われた改葬・合葬によって墓域の大幅な縮小と墓塔基数の減少、形態の変化を来している。砂岩や花崗岩の石材が長年の風雪に耐えられず荒廃の観を呈していたこと、その他改葬の実施にはやむを得ない面があったものと考えられる。

黒田如水像64K 拡大図 336K

 しかしながら、景轍玄蘇(宗像郡生、聖福寺第百九世、日朝・日明交渉の掌にあった外交僧)の撰である藩祖如水の石塔は建碑当初のものと考えられ、玄蘇の撰文とともに貴重な価値を有している。
 本墓所は改葬によって大幅な改変を余儀なくされたとは言うものの、藩祖如水の石塔をはじめ本市に存する福岡藩の歴史遺産としての価値を有するものである。