第2回ノルマンディー例会

(2000/06/04)


 遅ればせながらようやく、前回6月4日(日)に行なわれました、YSGA「第2回ノルマンディー」例会の御報告をいたします。
 当日は23人の参加を仰いで、以下の10タイトル17戦(その内9戦がノルマンディー)が行なわれました。

(AD)ノルマンディー上陸作戦:今どきアド・テク同時3セット対戦。
 2月に突如持ち上がったアド・テク「ノルマンディー」複数同時対戦が、直前になって尻込みするメンバーを説き伏せて遂に敢行された。いざプレイしてみると、マネージメント・ゲームとしての面白さが秀逸で、3セットとも概ね好評を博した。考えてみると、上陸までの準備をメインとし、上陸後1週間分の戦果で勝敗を競うという斬新さは、古今東西、他に例を見ないと言える。何と言っても上陸決行時に、ブラインドを取り除く際の緊迫感は堪らない。なお、月刊タクテクス第25号掲載の、リプレイ記事にある「作業量平均値表」は連合軍の作戦立案に極めて重宝するので、是非ご利用をお勧めしたい。


 (1)Satoh副長vs鳥hiro氏チーム:21ターン(6月第1週)上陸。YSGA名物「新入会時に変なSGをやらされる」企画に組込まれたhirotoriさんが独軍を担当(初めての西部戦線ものプレイなのに)しての対戦。
 史実通りの時期に上陸を計画した連合軍だったが、あれもこれもと欲張った為に、上陸時にマルベリー、空軍とも大幅に作業が遅延し、マイナス4VPからのスタートになったのは痛かった。しかし上陸後の展開は、(ヤーボが1機も飛んでいないにも関わらず)極めて史実に近いものとなり、3セットの中で最も長期戦になっていた。中でもバイユーを巡る激戦は壮絶で、海岸間近まで迫ったLehr装甲師団が半包囲され、それに補給を通そうと、跡切れる事なく師団が連なり、どちらが包囲しているのか、包囲されてるのか分からない混戦状態が続いていた。それでも上陸1週間後に、連合軍がカランタン以外の占領を果たせず敗退した。

 (2)DoBS氏vs.KonD氏チーム:19ターン(5月第3週)上陸。マルチでは宿命のライバルだが、サシの勝負は初めての2人。連合軍を担当したKonDさんは当初あまり乗り気ではなかったが、いざプレイし始めるとマネージメントに辣腕を振るい、3セットの中で唯一全ての作業量を消費して、史実より2週間も早く上陸(5月上陸だと1VP獲得)を果たした。しかし敵もさるもので、独軍側もロンメルが総統を説き伏せてノルマンディー海岸に装甲5個師団を集めており、ブラインドが取り除かれた際の連合側の驚愕と絶望は正視するに堪えないものがあった。もちろん上陸1日目にして、それら装甲軍団が侵攻海岸に殺到。早々と投了を宣言するに至った。

 (3)YoshK氏vs.Idiotenチーム:19ターン(5月第3週)上陸。サイの目に賭けて、作業消費平均値をオーバーぎみに立案した為、それが裏目に出て(1)チームと同様、マルベリー、空軍、艦砲に不足をきたした。それでもシェルブール半島への上陸に重点を置いていたので、上陸時の損害はそうでもなかったが(1個師団海没)、総花的な侵攻作戦が祟って、結局VPヘクスを一つも確保できずに終わってしまった。連合軍にとって幸運にも、独軍が全装甲師団を内陸配備させられていたにも関わらず、それに尾け込む事ができなかった。

 そこで今後の連合軍に教訓!「機密保持に最低2スタッフ投入」「空挺は効果薄、その分空軍を重視すべし」「訓練もそんなに必要ない(上陸後の補充でも充分強化可能)」「侵攻上陸は4個師団程度で、後続として機甲師団を沢山揚陸する」。
 独軍の備忘録としては「砲台は海岸陣地ヘクスに上陸した敵しか撃てない」「砲台構築は、裏返した砲台ユニットからランダム引き(ダミー含む)」「シェルブール半島重点配備」といったところか。いずれにしても、またプレイしてみたいゲームだ(特に連合軍は経験が必要なので)。

(Sunset)D-DAY:同時3セット対戦
 ほとんど語呂合せ的(?)に企画されたサンセット版同時プレイ。前述のアド・テクと言い、サンセットと言い、一連のテーブルに3つ並んで対戦されている姿は、発売前のテストプレイといった壮観さがあった。


(1)Miu氏vs.KaWSK氏チーム:サンセット版購入で4つ目のD-DAYとなる練達の三浦さんと、これを機にD-DAYを始められた河崎さんとの対戦。閉会間際まで熱戦が続いたが、6ターンに独軍の短期決戦が成就した。独軍としては米軍海岸への突破を目論んでいたが、英軍方面での戦闘が激化した為に、例によっての英軍海岸殲滅&嵐の結果待ちによって勝負を決した。

(2)UeM氏vs.SebT氏チーム:YSGAでのノルマンディー物第一人者:SebTさんが大遅刻の末、昼過ぎから開始された対戦で、一気に6ターンまでプレイされた(連合軍のUeMさんが明日半日ドックの為、夕方帰宅)。こちらもD-DAY練達の士SebTさんの鋭い攻めを巧妙に受け流して譲らず、独軍の目論んだ短期決戦は成らず。しかしD-DAYの醍醐味は、長期戦になってこそと2人はしごく満足気。

(3)InBa氏vs.SaKN氏チーム:D-DAY対戦、数知れずのInBaさんが連合軍を担当して、これを機にD-DAYを始められたSaKNさんの独軍との対戦。
 ただし教育プレイの色合い濃厚で、取り敢えず2ターンした時点で独軍戦線が破綻。投了に至った。

(AH)Breakout:Normandy×2
 ベスト・ノルマンディーSGの呼び声高き、当エリアゲームを連続対戦。白熱した戦いが続けられたが、名うての作戦研究家GREGさんが、SaEGさんに対して終始優勢を維持していた模様。(AH)Thunder at Cassino研究家のSaEGさんとしては、今度はこっちで再戦を願いたいところか?。

(AH)スミソニアン・シリーズ:D-DAY(大箱)
 これからようやく定期的に参加できそうな古株の太公捨 立謀さんと、3年に渡る米国出向から帰国された最古参メンバーkannoさんとの対戦。場所ばかり取る割に、未だプレイされていないこのゲームを、この機会に対戦しようと、6ターン(1944年11月)までプレイされた。
 しかし上級ルールを入れずにプレイされた為か、独軍が柔軟な防衛戦を展開し、冬を迎えてもパリさえ解放されていない有様となっていた。スミソニアン・シリーズは、バルジはいいけど、D-DAYはちょっとね、と言うことか!?。

(TERRAN)The Legend Begins 「ロンメル登場以降」キャンペーン仕切り直し再戦第1回
 てっきり第10回戦(42年8月〜)かと思いきや、両者話し合いの上(独軍優勢なれど勝利条件は満たせまい)、再び最初からキャンペーンをやり直すことにした2人。その集中力には感服の他ない。前回のキャンペーンでは、油断して独軍にマルタ島を奪われ、楽々と枢軸に増援を運ばれた失敗に懲りて、英軍は慎重にプレイを進めていた模様。

(日本コマンド誌14号付)Ring of Fire
 '43年夏の第4次ハリコフ戦を扱った本作を、Endoさんと國學院大SG研のSoGaさんとで対戦。激戦数刻4ターンまでプレイされたが、赤軍が独軍縦深陣地を抜けずといった展開だった模様。

(AH)ビクトリー・イン・ザ・パシフィック
 スミソニアンD-DAYが短時間で終わったので、最近亡くなられた山村聡(映画「トラトラトラ」の山本五十六役。(HJ)アイアンボトムサウンドの箱絵でお馴染み)を追悼して、この「太平洋の覇者」を対戦。
 詳細は未見なれど、最終ターンまでプレイされ好評を博していた模様。

(GJ55)大日本帝国の盛衰
 (コマンド誌32号)Victory at Seaリプレイ記事の2人による対戦で、今回米軍を担当したYaGさんにとっては、初めてのGJ誌付録ゲームのプレイとなった。
 日本を担当した大林さんは「ゲーマー達の太平洋戦争」で語る通り、海上護衛に最大限の力を割いたものの、史実通り順当に敗退していき、ヒストリアンの名に違わぬ盛り上がりぶりを見せていた。結局昭和十九年春までプレイされ、既にマリアナは米軍の手中に陥つといった戦況だった。
 大日本帝国の盛衰初プレイのYaGさんも、この展開を満喫され、次の日曜には今度は日本軍を担当して、小針さんと死闘を繰り広げておられた。また次の例会では仙台BGクラブ会長の田部井さんと、(GJ60)スターリングラード戦役の対戦を決められるなど、すっかりGJ誌付録SG(敏腕デザイナー中村氏)の魅力にハマッたYaGさんであった。

(GJ49)信長最大の危機×2
 発売以来、飽きる事なくプレイされ続ける本作を、それぞれの対戦を終えたアド・テク(2)チームと、(Sunset)D-DAY(3)チームの面々がプレイ。いつもながらの盛り上がりは、もはや当然として、特にD-DAY(3)チームのSaKNさんが戦線崩壊の汚名返上とばかりに信長側で奮戦。信長直卒の大軍で上杉領内にまで攻め込み、春日山城まで落城させんばかりの勢いだったが、毛利勢が京都に迫るに至って形勢逆転。

(Tomy)タイムジャンプ*戦国合戦(立体軍人将棋)×2
 1976年製の積木タイプ軍人将棋とも言うべき、自動勝敗判定装置付きのこれがメンツを変えて2度プレイされた。将棋と違って移動に全く特徴がないものの(全駒どの方向にでも1スクエア移動可)、戦ってみるまで相手の駒が分からないのが意外に面白く、あんまり意味がないにも関わらず馴染み深い戦国武将の名前が書かれている事もあって、結構盛り上がった。それで、勝手に「積木の戦国絵巻」と命名。


トップへ戻る 例会報告へ戻る 前の例会報告へ 次の例会報告へ