第128回定例会報告

(2000/02/26)


 当日は、土曜日にも関わらず千客万来で、北は北海道大学のドイツ人講師モーザーさんから、横須賀米軍のウィルさん、ジョーさん、海自大尉佐藤さん、西は山口県の勇谷さんまで、総勢25人(加えて男の子)が集まって、以下の7タイトル20プレイが行なわれました。
(SPI)Terrible Swift Sword:4人戦
アメリカ南北戦争ゲティスバーグの戦いを、1駒連隊単位、フルマップ3枚で描く往年の傑作ビックゲーム。本作デザイナーのリチャード・バーグは、その後グレートバトル・オブ・アメリカンシヴィルウォーから(GMT)The Three Days of Gettysburg(最新作River of Death)に至る膨大なシステム進化(良かれ悪しかれ発展には変わりなし)を推し進めた。記念すべきその第一作である本作は、極めてシンプルなシステムで、多人数プレイにはうってつけ。
 今回は初日(1883年7月1日)キャンペーンを昼過ぎから始めて、夜8時までに13ターン分(AM8:00-PM0:00)プレイできた。
 しかも南軍担当の会長の相棒を、1年振りに例会に参加したKubTさんが務め、その場で口頭説明でルールを教えられたにも関わらず、後半は南軍主力を一人で運用するという剛毅さ。例会に来るまで、「1年振りだからリハビリに軽いSGがいいな」と洩らしていたKubTさんが、来てみてビックリ。例会最大のゲームに、いきなり半強制徴募とは、その驚きやいかに(でも終了後これの和訳ルールを求めたのは、さすが)。
 展開は、登り下りの激しい道路を苦労して行軍して来た南軍ヒス師団が、史実通り北軍ビュッフォードの騎兵旅団と衝突。北軍騎兵のスペンサー騎銃(後装連発伏せ撃ち可能)に散々苦しめられるも、南軍の一隊が切通し路床(未敷設の鉄道線路用切通し道)を利用して突破迂回を始めたので、これに対応して北軍も徐々に撤退。激しい射撃の応酬によって騎兵側の出血が大きくなったところで、南軍が大規模な突撃に転じ、マクファーソンズ・リッジに迫った。これに気を良くした会長は、いつもの迂回癖を発揮して、左右に兵力を分散。一隊はコマンドコントロールが甘いのを利用して、長駆セメタリー・ヒルへ向かう。この為、ゲティスバーグの町へ向かっていた北軍の大軍が、途中で道を外れて、この南軍迂回部隊に対処。南軍迂回部隊は、兵力こそ少ないもののその分大砲を多く有し、近寄る北軍に散弾の嵐を見舞う。しかしその間、中央部とオーク・ヒルの森へ迂回した南軍ヒス師団は、駆けつけた北軍鉄血旅団と、ビュッフォードのもうひとつの騎兵旅団の反撃によって、大きな損害を出していた。先発した南軍ヒス師団が壊滅的打撃(無事なのは砲兵ばかり)を甘受しながら、セミナリー・リッジ(神学校がある尾根)へ迫る頃、後方からようやくヒル軍団の残りが駆けつけるといった初日正午で、時間切れを迎えた。
 今回のプレイで、発売後20年以上経ても面白さに変わりなしと見直され、5月連休のビックゲーム大会で再戦が決定した。

(コマンド誌31号付)アフリカン・キャンペーン
遂にコマンド誌付録として刊行が始まった、ジェドゴ社SGのラインナップ第1弾。ユニットもマップも別ゲームかと見間違う程に美しくなったライセンス版で、さっそく同時2セット対戦。(TERRAN)The Legend Begins崇拝者のYaGさんと、國學院大SG研の熱血漢SoGaさんの対戦。独軍を担当したSoGaさんは、虎の子の21装甲師団を全損し、途方に繰れていた。

(コマンド誌31号付)アフリカン・キャンペーン
同じく戦略級好きのYaTさんと、山口県から研修で御殿場に3ヵ月滞在中、まめに遊びに来てくれる北九州QSサークルのホープYouTNさんとの、その場でルールを読んでの対戦。通称:大林ラインでの堅陣地戦が延々と続けられていた模様。

(コマンド誌21号付)荒鷲たちの黄昏(When Eagles Fight)
「第一次大戦なら俺に任せろ」テッド・レイサーの手になる傑作の誉高き東部戦線キャンペーン。和訳ルール収集家のHoRUCさんとSonnyさんとの対戦で、長時間プレイされていたが、詳しい展開は未見。

(Jedko)ロシアン・キャンペーン2
コマンド誌6月号付録予定のこれを、マスター・オブ・トーチカの異名を持つAoNさんと、ガン・スミスYoshKさんとの対戦。今回はAH版の史実天候ルールを使わず、原版のランダム天候ルールを使用。バルバロッサで結局、モスクワもレニングラードも陥とせなかった独軍が、42年春にクルスク方面で突破を図っていた模様。昔定価5,800円だった(AH)独ソ戦が、美しくリニューアルした上に、雑誌付き3,800円で手に入る嬉しさよ。諦めずにゲーマーやっていてよかったと思う瞬間である。

(AH)ASL×3
もはや完全にYSGA内で市民権を得た感のある「超戦闘指揮官」。今回は遥々北海道からモーザー氏が遊びに寄られるので、ASL常任委員のNisNさんとKobRさんが肩馴らしに1プレイ。そして昼過ぎに見えられたモーザーさんと、シナリオを2本プレイされていた。モーザー氏は3月に南ドイツの郷里に戻られるそうだが、日本語の使えるパソコンも持ち帰り、V-ASLソフトを使って世界中のASL仲間と通信対戦を続けるとの事。

(AH)ASL×2
言語の壁を越えて、もはや常連と化しつつあるウィル氏とASL仲間のジョー氏。驚いた事に、ジョー氏とモーザー氏は知り合いで、早速握手を交わされていた。遠慮されたのか、たった一枚の細いテーブルで、1マップシナリオを2本プレイされていた(英独戦)。

(AH)ブレイクアウト・ノルマンディー
年末以来、久しぶりにプレイされた傑作エリア・システムSG。今回も手達のKonDさんとGREGさんが白熱した戦いを繰り広げていた。覗いたところ、オマハの米軍が大いに苦戦していた模様。

(GJ49)信長最大の危機×8
前回の例会で始めてこれをプレイし、その面白さに取り憑かれた稲葉氏と、YSGA和訳アーカイブ運営SaKNさんとの不屈の8連続対戦。このゲームに関しては、皆一家言持つ者が多く、夕方以降他のゲームを終えたメンバーが、対戦の卓を囲んで盛り上がっていた。

(GJ49)信長最大の危機
ノルマンディーを終えた2人が、閉会までの時間を利用してもう1プレイ。こちらもGREGさんが相当やり込んだゲームだけに、非常にハイレベルな展開になっていた模様。それにしても、これほどの傑作戦国SGが、まだ売り切れていないのが不思議でならない。Game Journal側で、これの通信対戦ソフトを作ってもらいたいぐらいだ。


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