不屈のYSGA第10回東部戦線例会(第125回定例会)

(1999/11/20)


当日は土曜日にも関わらず、20名もの方の御参加をいただき、以下の ゲームが対戦されました。
(GMT)Barbarossa:Army Group Center「スモレンスク包囲戦」
(赤軍)KaYSKさん(独軍)YaGさん、KonDさん。
☆《KaYSKさんによる戦況報告》
1ターン目(第11ターン)
ドイツ軍は南方ではモギレフとオルシャ間を分断、両市を包囲します。北方ではヴィテブスクを発した装甲師団が、スモレンスクへ続く一級道路を進撃、オルシャからの自動車道路と合わせて、2本の攻撃軸がスモレンスクを目指す形となっています。ソ連軍はオルシャ〜ヴィテブスク間にミンスクから損耗しつつ後退してきた歩兵師団が多数戦線を張っていますが、オルシャとヴィテブスクで突破されつつある為に、逆バルジ状に取り残されつつあります。
 これに対し、ソ連軍は、既にヴィテブスクが陥ちている為、装甲師団の快進撃が予想される北方を重視、逆バルジ内の部隊をやや北へシフトさせます。南方に対しては、ドニエプル河沿いに薄く戦線を張りました。
 スモレンスクには非機能HQとNKVDの弱小部隊がいるだけですが、ヴィヤジマ方面から移動してきた3個歩兵師団をスモレンスク南西方面に展開させ、戦線を張りました。

第2ターン(12ターン)
ソ連軍司令部はモスクワへ増援を要請。これに対し、クレムリンからは貴重な航空機の補充が送られてきました。司令部は喜びに沸きますが、同時に届けられた命令書を見て凍りつきます。命令書には一言「セメロ」...。同志スターリンからの強制攻撃命令でした。早く実行しないとドイツ軍に2VPを奪われてしまいます。動揺するソ連軍司令部ですが、そんな思いはドイツ軍の進撃を見た途端吹き飛びました。この瞬間、ソ連軍は「電撃戦」の意味と恐ろしさを目の当たりにしたのです。前ターンの移動時、ソ連軍司令部の頭の中には、無意識のうちに「ドイツ軍も戦線を維持しながら進撃するだろうから、次ターンの進出位置はこのへんまでだろう」という思いがありました。今から考えると愚かしい限りですが、あの時は何も考えず、「普通に下がって普通に戦線を張って」しまったのです。ところが実際のドイツ軍の進撃は、ソ連軍の想定を遥かに越えていました。圧倒的機動力を活かして全速で侵攻し、側面など無視して敵後方へ回り込む...。頭ではわかっていたつもりの電撃戦ですが、実際にやられてみると、全く想定していなかった地点まで一気に進撃されてしまう恐ろしさに、戦慄すら感じました。思うに、この時の私は、大戦当時のソ連軍やフランス軍司令部が受けたであろう衝撃を、かなり近い形で感じていたように思います。SGの醍醐味ですねえ(笑)。もちろん東部戦線ゲームは何度もプレイしたことがありますし、電撃戦も色々なところでやったりやられたりしていますが、このゲームのスケールとシステムが描き出す劇的な展開には、大きな衝撃を受けました。ドイツ軍、速い速い..。Typhoon!ではほとんど感じなかったこのシステムの優秀さを、強く認識しました。感心している場合ではありません。予想を遥かに上回るドイツ軍の進行に、ヴィテブスク・ポケットは早くも包囲され、スモレンスクも南方から脅かされています。オルシャ・モギレフは包囲下で迂回されてしまいました。また、北方では私の油断とムーブミスから、ネヴェルが無血占領されてしまいます(これは後々非常に大きく響いた)。同志スターリンからの攻撃命令は、包囲部隊の中にたまたま弱っちい歩兵が単独でいた僥倖に恵まれ、命令実行と包囲環突破を同時に果たすことができました。
 これは非常にラッキーでした。また、ドニエプル河沿いの戦線も、薄く長く張ったことが災いして、オルシャ東方の橋を一発で奪われてしまいました。大河/河川の地形効果がよくわかっていなかったので河沿いに戦線を張ってしまいましたが、橋を集中的に防御すべきでした。このおかげでヴィテブスク・ポケットは南方からも圧迫を受ける形になってしまいました。

第3ターン(13ターン)
このターンから天候チェックが始まりますが、好天でした。ドイツ軍の快進撃は続きます。前ターンの衝撃から何も学ばなかったソ連軍司令部は、またしても中途半端な戦線を張ってしまい、北方から一気にスモレンスクへ突入されてしまいます。ドニエプル南岸のスモレンスク市街地はそれなりに防御を固めていたのですが、北岸側はまだ防御が整っていなかったため、一撃で市街を奪われてしまいました。
 また、スモレンスクに 注意を奪われるあまり、ロスラウリの防御がガラアキとなってしまい、ここも無血で占領されてしまいました。ソ連軍ミス連発です。
 ヴィテブスクポケットは補給路を断たれ、掃討戦と降伏チェックにより全滅の危機に瀕してしまいました。
 このターンはなんとかソ連軍による局地的な反撃が成功し、多くの部隊が降伏チェックを逃れることができました(接敵していなければ降伏チェックは不要)。
 ネヴェルを奪われてしまったうえスモレンスクに接敵されてしまった為、中央部の全部隊が補給切れとなってしまいました。頑強に篭城を続けるオルシャ、モギレフも毎ターン降伏チェックが必要となり、陥落は時間と確率の問題となってしまいました。

第4ターン(14ターン)
このターンも好天です。ドイツ軍はヴィテブスクポケットの包囲環を締め付けると同時に、スモレンスク攻略に多くの部隊を送り込んできました。
 ヴィテブスク西方でソ連軍残存部隊を包囲していた装甲師団も残敵を撃滅し、前線に到達しました。
 対するソ連軍は、スモレンスク(の半分)もロスラウリも陥落し、もはや守るものがなくなってきた状態。なんとかマップ東端からの突破だけは防ぐべく、東方の予備部隊で、塹壕構築にいそしみます。スモレンスクにも増援を送りこみ、補給を繋ぎながら死守を目論見ますが、後方から続続と到着するドイツ軍により、完全包囲に陥るのは時間の問題のようです。

 ......といったところで時間切れ終了となりました。
4ターンだけでしたが、噂に違わぬ傑作ぶりを十分堪能しました。電撃戦の恐ろしさをたっぷりと体感でき、その威力にしびれました。これほどまでに電撃戦の威力を見せ付けられたのは、ドイツ軍プレイヤーであるYaGさん、KonDさんの絶妙なる部隊運用のおかげであったことは言うまでもありません。素晴らしい攻撃・突破を見せていただき、お二人には大変感謝しております。お相手いただいてありがとうございました。
 私の方はミスだらけでどうしようもないソ連軍になってしまいましたが、これに懲りずにまたお相手いただければ幸いです。しかし面白いゲームでした。
 今回は初プレイだったこともあり、ソ連軍司令部の心理状態まで疑似体験できて、大満足です(自分のプレイ内容には不満だらけですが...。
 ボルダーに注文もしちゃったことだし、近いうちに是非また再戦したいと思います(12月4日にYaGさん宅にて会長との「北方軍集団」シナリオ対戦実現)

(GDW/HJ)白ロシア大作戦:SaEGさんの希望によりYSGAで遂に初プレイ。
6ターンまでプレイされ、短期シナリオ的には独軍辛勝。赤軍側研究して、またやりたい。

(AH)ASL
KaYSKさんの知人で横須賀基地のWillさん初参加にて「リプキでの阻止行動」×2、「パヴロフの家」×1。米国ASLトーナメントでも屈指のWillさんとの対戦で、KobRさんと会長は多大な感銘を受ける。また、何と言っても衆目を集めたのは、ウィル氏持参の特製ダイス振りタワーと、「こんなん出ましたけど」と言った感じの振り場であった。匠ゲーマー、kannoさん作って!

(VG)コリアン・ウォー×2
AoKさんの希望ようやく叶ってUeMさんと対戦。しかしAoKさん、戦運に見離され1度目は3ターンで投了。2度目は閉会間際(8ターン)までプレイされ、緊迫した競り合いが続いていた。

(Jedko)アフリカン・キャンペーン×2
1度目はガザラ戦線にて激しい消耗戦。ロンメルなんて登場即除去になる始末。じっくり兵力を貯めて、除々に迂回の構えを見せ付け、相手を牽制するのが常道と言えよう。20ターン近く進んだとこで、会長が大林氏との対戦を突如反故にして(AH)ASLに遁走。代わってKobRさんがDAKを担当し、やり直して2回戦(コマンド誌2月号付録予定)。

(SPI)パットン第3軍×2
CEDERMTさんの旧知HiGCh氏を招いての不屈のOunさんパットン対戦。1999年間プレイ回数最多(19対戦)を誇る「パットン第3軍」だけに、今回も陣営を入れ替えて2度行なわれたが、Ounさんをギャフンと言わせる事はできなかった模様。次回の例会でも、再び同じ顔ぶれで再戦が約束されていた。

(国通)第1次中東戦争
どこが面白いのかよく分からないのに、何故かYSGAでリピード度の高いこのSG。今回は、CEDERMTさんとAveさんによるファランクス対決。ベテランらしい老練なゲーム展開だったらしい。

(GJ)大日本帝国の盛衰
4ヵ月ぶりに参加した太公捨 立謀さんに、InaBさんがルール口頭説明しての対戦。閉会間際までに太公捨 立謀さん率いる日本軍は、4度の米軍マリアナ侵攻を撃退する大活躍を見せる(1945年春までプレイ)。
 《InaBさん感想》
 実は私は今まで大日本のルールを一つ間違えていました。それが敗戦原因の一つです。その間違いとは「作戦フェイズ」で「艦艇の作戦移動」でも「海輸ポイント」を消費していました。つまりゲーム中海輸ポイント以内でしか活動していなかったのです。
 ゲーム後半ハワイにユニットが山のようにあるのになんでこれらは活動できないのだろうと不思議でした。
 今回は2ターンからのシナリオなので早めに終わらせることもできると思います。今回の太公捨 立謀さんとのプレイでも上記の間違えでプレイしていました。

(VG)第7艦隊×4
《SaKNさん報告》
今回は次回以降の第7艦隊キャンペーンのための練習と考え、初級シナリオで各種ルールの把握につとめました。プレイしたシナリオは以下のものになります。


トップへ戻る 例会報告へ戻る 前の例会報告へ 次の例会報告へ