例会報告

(1999/11/03)


 会場確保の問題から11月の例会は変則的なものとなってしまい、休日の第1水曜日と、20日の土曜日の2回となりました。
 今回は3日の水曜日(文化の日)に19人が集まって、以下の9タイトルがプレイされましたので、取り敢えず御報告いたします。


(AH)Advanced Third Reich
SaEGさんの復帰で俄然盛り上がる「超第3帝国」だが、今回はAIRさんも参加して1939年秋からのキャンペーンに挑戦しての3人戦。ポーランド征服後、直ちにアルデンヌを抜けてフランスに攻め込み、40年夏にフランスを降伏に追込んだ。しかしフランス艦隊はことごとく自由フランスに参加。外交ポイントを割り振るシステムが巧く作用してトルコが親枢軸化、20戦力までの領内通過を認めた為、独軍がイスタンブールを通過してシリアへ進撃。しかしバクダッドの攻防で壊滅していた模様。イタリアはバルバロッサ戦時まで参戦せず。結局8ターン(41年夏)までプレイされ、独ソ戦が進展中であった。今回の対戦で超第3帝国も充分プレイアブルと判明したので、コレとEmpire of the Rising Sunをセットで欲しがるメンバーが2人現われた。

(TERRAN)The Legend Begins
第5回戦(41.Oct I〜41.Dec II);メルサ・マトルーを陥した後、攻勢限界線に達した独軍と踏みとどまって補充増強に務める英軍とが長い陣地戦に移行。独軍がチラリと懐間見た所によると英軍の編成表に戦車シルエットが溢れていたとの事でビビッていた。今後エルアラメインのような英軍物量作戦が開始されるか見ものである。

(AH)ASL:シナリオAP12「Cream of the Crop(クリームの産高)」:1941年6月23日
バルバロッサ作戦。MMP社から出たアクションパック2のシナリオを早速プレイ。
1輛のKV1重戦車に翻弄された独軍が占領条件を満たせず7ターン投了。しかしKVには苦戦させられたものの、独軍3突も奮戦し、麦畑を一列に並んで接近してきた赤軍軽戦車3輛を串刺しに撃破。勢いに乗ってKVの側面に廻り込んだ所を、赤軍対戦車ライフルの致命的命中によって倒れた。

(GMT)Paths of Glory×3
研究しすぎて駒の四隅が擦れてきたUeMさんが連合軍を受け持ち、9月以来コレの対戦経験を積み重ねてきたSaKNさんが中欧列強を持っての対戦。陣営を変えずに3度対戦されたが、いずれも増強を終えて進撃を開始したロシア軍の前に中欧が追い詰められていた。独軍が西部を諦めて、独露国境を固めれば、オーストリアがロシアに襲われる等、今だ東部でのバランス脅威は去っていない模様。

(Jedoko)ロシアン・キャンペーン(第2版)
2000年6月末発売のコマンドマガジン付録予定という事で急遽、大林さん(ソ)とYoshKさん(独)で対戦された。
一見すると(AH)独ソ戦と変わらない様に見えるが、赤軍親衛と独軍にはステップロス・ユニットが別に用意されており(防御でのみ発生。個数限定・共通使用の2戦力ユニット、SSユニットを除き自ら敵ZOCへ侵入できない)、複数ステップという概念が取入れられている。また赤軍に集中弾幕マーカというものが与えられ、1943年以降スタヴカの数Hex以内で使用可(回数制限あり)という新ルールが追加されている。加えてヒトラーとスターリンが通常移動可となり、しかも移動ボーナスとして山岳兵扱いというのが笑わす。しかも勝利条件に、1942年以降独軍にサドンデス条件が付いており、AH版で問題視されていた独軍の「負けないためのプレイ」が(僅かながら)規制されるようになっており感動した。またマップもベルリンの後方が2〜3Hex追加されており「ベルリンの後に廻り込んで確実に陥落させる」という方法が採れるようになっている。これは単にチャート類が別紙になったので盤面に余裕が生まれた結果と思われる。ちなみにAH版にあったヴァリアントルールや、三分割史実天候オプション(タクテクス誌5号掲載)は一切無い。
いずれにしても、ちょっとした変更が、不朽の名作「独ソ戦」にどんな影響を与えるかが注目された。
 41年度中にはレニングラード陥落のみでモスクワは脅かされず、結局43年4月までプレイされ、独軍の北方軍集団が酷く叩かれていたもののドニエプル河のラインで戦線は膠着していた。対戦した2人の感想によると、変更点により大きな影響は感じられないが、ステップの発生で独軍が粘り強くなったとの事。今回は赤軍が窮地に追込まれなかったので赤軍親衛のステップの発生はなかったが、モスクワ攻防戦という事態に至れば必ずや真価を発揮するだろう。ただ独軍のサドンデス条件が緩いので、もう少しきつめに設定すればスリリングになるのではないだろうか。少なくとも「独ソ戦」がやや改良された事は間違いなく、現在では(AH)独ソ戦が手に入らない事を考えれば、これのコマンド誌付録化は諸手を挙げて歓迎したい。

(Jedoko)アフリカン・キャンペーン(第2版)
YaGさんが独軍を持って、英軍のKonDさんに口頭で説明し、昼前から始めた対戦であったが夕方には42年末まで達していた。
状況的には今回も、史実同様激しいシーソーゲームが繰り返された。トブルクに篭った英軍を包囲するにとどめ、戦略的勝利のアレクサンドリア突破を図った独軍であったが、エルアラメイン附近での消耗戦に敗れ、後方でもトブルクから英軍に打って出られ、潰走に追込まれていた。それにしても簡単なシステムで、よくもこれだけシミュレートできるものだと毎回感心されられる傑作である。ただ勝利条件的に独軍が東端から12戦力突破させれば戦略的勝利で、それ以外は英軍戦略的勝利というのはシンプルで分かりやすい反面、独軍が突破を諦めると即投了という事態になりかねないのが残念。これだとバルジの連合軍と一緒で、独軍の攻勢に耐えに耐えて、ようやくこれから反撃だという所で相手に投了される悔しさがあるので、できれば段階的勝利条件を追加して最終ターンまで楽しくプレイできるようにしたいものだ(勿論、単純にトブルクを保持していれば作戦的勝利などといったゲーム的処置は論外)。あと80年代中期のSGなので、ルールに少し説明不足な所も散見されるので、プレイを重ねてバランスを確認後、コマンド誌にどしどし提言していきたいと思う。

(TSR)コブラ作戦
4ターンまで対戦され、連合軍にサン・ローとカーン、そしてその中央からも突破され、独軍が投了するに至った模様。

(国通)ゲティスバーグ会戦
リー将軍最大の賭け:本邦初、TAC誌・シミュレイター誌を経て、遂にアメリカ南北戦争ゲームが日本のSG商業誌コマンドマガジン最新号の付録となって感無量の会長と、たまたま対戦予定が空いていて巻き込まれたSatoh副長と、夕方Paths of Gloryを終えたSaKNさんも途中参加しての対戦。以前(米国版コマンド誌17号付録)からプレイアブルでシミュレーション性の高い傑作との評判は耳にしていたが、今回実際にプレイしてみて納得。行軍移動と隠蔽移動マーカを巧く融合させ、全体としてのコマンドコントロール・システムも絶妙と、唸らされっ放し。しかも展開は今回の例会で最も盛り上がっていたという面白さ。
全体としてはゲティスバーグの町に防御効果があるのと、砲兵の移動制限が甘過ぎるのが少し問題だが、指揮統制ルールによってプレイヤーが、もどかしい思いを余儀なくされる所が素晴らしい。やっぱ南北戦争はこうでなくっちゃ。
 結局7月2日9ターン目(1日12ターンなので、ここまで22ターン)までプレイされ、初日にセメタリーヒルに廻り込んだ南軍(北軍はゲティスバーグの家屋効果に固執して立て篭る策に出た)が、2日目に全く攻撃状態になれないまま、北軍の増援部隊にセメタリーヒルを取り囲まれ、万全の態勢が整ったところでミードが攻撃状態となって一挙に殲滅の憂き目に。ラウンドトップ方面に廻したLongstreet軍団はSaKNさんが指揮して、史実通り2日夕方の攻撃でリトルラウンドトップまで奪ったが、その時点には既に北軍の増援も殆ど出尽くしており、セメタリーヒル方面の南軍が撃破された以上、牽制の意味が無くなっていたのであった。
 ゲティスバーグSGとしては異例の、広範囲を収めたマップであり、勝利得点もヘックスの占領は全くないので(南軍司令部の盤外突破と敵ユニット撃破のみ)、両軍が採れる作戦案は非常に多いと思われる。本邦初のライセンス生産された南北戦争ゲームとしてはベストの選択だったと断言していいのではないか(ライセンス化にあたってユニットの数値が少々見にくくなったのが残念)。出版社の片棒をかつぐのではないが、付録SGが2つも付いて(ゲティスバーグの他にモスクワ・オプションという東部戦線SG)3,800円程度の本なら買い求めても大した事はあるまい。是非御自身でプレイしてみる事をお勧めしたい。コマンド誌に続いて次のゲームジャーナル誌もアメリカ南北戦争特集(付録SGは戦略級南北戦争。こちらも傑作の予感!?)という事で、時ならぬ南北戦争出版ブームに歓喜の涙が止らない。

(GMT)TIGERS IN THE MIST
昼過ぎにハナザーさんが新幹線で来られ、丁度(AH)ナポレオンの黄昏を片付けていた土橋さんに口頭説明しての対戦。前回の例会でこれの盛り上がりぶりを見て、非常に興味を持っていたDoBSさんにとって渡りに船というプレイとなったのは不幸中の幸いであった。プレイの方もシンプルにして非常に頭を使わされる上、10面体サイを豪快に振るゲームなので盛り上がらない方が嘘といった展開で、いつもながら米軍除去ユニットの山が築かれていた。それでも独軍勝利の道は険しいのだった(そこが史実通りで好感が持てる。バルジSGは独軍に甘いものが多過ぎる!)。

+その他、空き時間に(BAN)Gundam Warカードゲームが何度かプレイされていた。


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