第124回定例会報告

(1999/10/24)


 公共施設が軒並貸切りとなった為、不本意ながら狭い鶴見公会堂の和室を確保しておりましたが、9月の定例会でそこが予想外の狭さであると判明、即キャンセルし、YSGA揺籃の地、そろばん塾にて半年ぶりに例会を取り行ないました。
 予め大人数は無理と説明していたため、参加者は少なく、総勢11人で以下の6タイトルが対戦されました。

(GMT)TIGERS IN THE MIST
 こんな簡単なシステムで、バルジがシミュレートできるんかい!?と半信半疑で始められた対戦であったが、予想外に面白く、白熱したまま最終ターンまで一気にプレイされた。道路渋滞のルールが絶妙で、ルービックキューブ(古過ぎ!?)並みのパズル的思考が求められる。これまでのバルジ物と違って、状況的に独軍の勝利条件が厳しく、まさにギャンブルに全てを投じる感じ。緒戦で米軍が凄じい損害を出すものの、お互いに10面体サイコロを振りまくるので退屈しない。
諸兵連合効果もセンスのいい作りとなっており好評だった。特に米軍の砲兵が凶悪で、史実同様独軍にとっての死に神となる。展開的には最終ターンまで独軍が殆ど得点を得ていなかったのに、米軍の油断でアーヘンが独軍に奪回され、北端からの突破得点で一挙独軍戦略的勝利となってしまった。なんでも同人ゲームだったコレをGMT社が気に入って出版したらしく、(AH)BITTER WOODS (Bulge)がAH社のドタバタで不幸な出来に終わったのとは対照的な出来栄えを誇っている。
希望を言えば将来、日本版コマンド誌が付録にしてくれると最高なんだけどな。

Paths of Glory×2
 既にユニットが擦りむけるほどソロプレイで研究しているUeMさんが、朝から昼下がりまでKobRさんと対戦し、夕方からはMiuさんに口頭説明して2回プレイされていた。1回目の対戦ではセダンに仏が軍を登場させなかった為、独軍に先攻され一挙に国境要塞全体が包囲殲滅されて投了。(小針<連合軍>註:実際にはシュリーフェンプランで要塞地区にいる仏軍が全滅後もプレイを継続し、その後マンシュタインプランで英軍が壊滅という散々な状態になってしまいました。)2回目の対戦では初プレイながらMiuさんが万能ぶりを見せつけ、熟達のUeMさんを押さえ込んでいた模様。
それでもUeMさんは「ロシアに大軍編成の猶予を与えると中欧列強必敗なので、西部で猛攻してロシアに活動を許さないか、西部攻勢を諦めて最初からロシア突入を狙うかしかない」と力説しておられた。

(BAN)風林火山
 傑作との風評しか聞いた事のないコレを、甲州出身で武田贔屓のDoBSさんと、会長とMiuさんとで上杉を分けて対戦。その場で読める程度でありながら良く出来たルールで、発見されない限り全ての駒は裏返され(勿論ダミー駒多数有り)、物見駒を派出して敵を偵察するなど唸らされた。驚いたのは1日が9ターンに細分され、全体で26日プレイ可能という点。ただし兵糧の量によって活動できる日数が制限され、長い期間のなかでいつ行動するかも考えさせられる。コマンドコントロールもしっかりあって好感が持てる。しかも相手を平野に引出して合戦に及ばなければ、結局小競り合いに終始するという風に出来ており、上杉勢による海津城攻めから、武田本隊の出現で包囲を解いて一斉に転進するところなど感動ものであった。今回の対戦では初プレイという事もあって9日目(18時ターン)までプレイされ、海津城が陥ちそうになった上、山の麓から現われた武田本隊を林の中で迎撃し、小競り合いの末上杉勢が、やや競り負けた形となった。いずれにせよまた是非再戦したい傑作戦国SGといえる。しかしゲームデザイナーは誰なんだろう?。

(TSR)コブラ作戦×2
 9月に買ったばかりのEndouさんがYoshKさんと対戦。連合軍のヤーボに脅かされて、独軍ボカージュで立ち往生。立場を入れ替えて2回プレイされていた。

(VG)第2艦隊
 月2回の例会でLegend Beginsと、この(VG)フリートシリーズを対戦し分けるFred.牛さんと現代艦船ファンSaKNさんとの大規模シナリオ対戦。6ターンまでプレイされ、ノルウェーのベルゲン沖合で激しく遣り合いノルウェーの小艦艇とソ連の潜水艦が沢山撃沈されていた。しかしソ連艦の対空防御力の強さにSaKNさんが疑念を訴えていた。それでもプレイは熱気に溢れ11月の定例会では遂に真打ち「第7艦隊」へ針路をとるとのこと。

(Jedoko)アフリカン・キャンペーン(第2版)
 来年2月発売の日本版コマンド誌付録予定のコレを、(GMT)霧中の虎を最後まで終えて1時間ほど時間の余ったYaGさんとSaKNさんが急遽プレイ。口頭説明で始めて小1時間程で12ターン(MayU,41)まで進み、トブルク周辺でロンメルと英軍が睨み合っていた。知りもしないくせに(AH)ドイツアフリカ軍団の類似品などと想像していたが、全くそんな事はなかった。まず驚いたのが、独軍装甲師団が6ステップあるという細かさ、しかも分割すれば4ユニットとなり、そのうちの1ユニットは88ミリ高射砲大隊(攻撃1、防御時3戦力の心憎さ!!やるね〜〜\(゚o゚)/)という芸の細かさ。これは師団1ユニットとして運用すればスタック制限的にも、攻撃戦力的にも強力で、分割すれば防御力及びZOC展開が広まる(1戦力ユニットでもZOCがある)、しかも分割されたそれぞれのユニットが兵科として異なり、移動力も異なるという運用面での細分化にもつながっている。シンプルなシステムでここまでやるとは、ジェドコって凄いメーカーなのではないか!。しかも感激したのは、枢軸軍に「燃料消費」の概念が取入れられており、1ターン半月で、月の始めにサイコロ振って受け取れる燃料の量を判定(僅かながら補充も)、ただし燃料は10ポイントまでしか蓄積できない上、個々のユニットが2移動力を越えて移動したら燃料を1消費する(ユニット数が少ないとは言え、これは最大でも10ユニットまでしか全移動力を使えないという事を意味する。分割して移動させる場合、この燃料にひっかかるという訳。なんとまぁ芸の細かい事!)。こうなると(AH)独ア軍団みたいに砂漠の奥地を大迂回といった作戦は難しく、史実同様やはり海岸道路沿いで大戦闘が起きる。以前、YSGAでこれの第1版をプレイした時は、40年のイタリア軍が強過ぎてアレキサンドリアまで陥落したが、第2版ではそれを改訂して「40年の英軍は攻撃時+2サイコロ修正」という特別ルールが用意されており、反撃によってイタリア軍を史実通り叩き潰せるようになった。そうなると初の1940年末のオコナー攻勢から、トーチ作戦直前まで通してプレイできるプレイアブルなアフリカ物と断言できる。燃料を蓄積する必要から待機するターンも必要なので、プレイはサクサク進む。そうじゃないと全50ターンあるから大変だしね(1ヵ月2ターンで1940年12月から42年10月まで)。これは(GAMERS)SCSアフリカでさえ1日プレイしても8ヵ月分ぐらいしかプレイできなかった事を考えると凄い事だ。もしかしたら(GAMERS)SCS:アフリカを上回る、シンプルにして心憎い、ソツのない好ゲームかもしれない!。

*その他、(BAN)Gundam Warカードゲームが数回行なわれていた。


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