YSGA 第95回定例会

(1997/05/25)


 今回はGJ誌を見て連絡をくれた新人の3さんや、静岡からASLマスターのEndohさん、昼過ぎに常連のK藤さんも参加いただいて総勢17人の盛況ぶりにて以下の9タイトル11プレイが展開されました。

(PWG)BLACK SEA * BLACK DEATH
4人キャンペーン2月3日夜間侵攻上陸終了まで。
Coa社から待望のシリーズ第4作目Operation Spark-1943年1月レニングラード/ヴォルコフ戦線が近日発売と聞き、同シリーズを三縦で連続対戦する企画(5月18日に(3W/CoSi)AACHENを対戦、次回5月31日にはゲームサークル坂戸に初めてお伺いして(CoA)Bolodino`41を対戦)の2回目。
伝説の2フィート上空からの直接空挺降下ばかりが有名なSGですが、デザイナーが考え得る限りの可能性をルール化した緻密なシステムにYSGA独ソ戦ファンは流れ落ちる涙が止らない。

<展開>
1943年1月末スターリングラードの独第6軍が降伏し、これに気を良くしたスターリンは赤軍参謀本部の危惧をよそに全戦線での反攻を指示、北方では今だ包囲下にあるレニングラード解放を目指すSpark作戦(シリーズ最新作)、南方ではカフカスから撤退する独A軍集団を袋の鼠とするべくロストフに突進すると共に、黒海沿岸のクリミア半島への渡河点であるタマン半島はノボロシスク市の背後に強襲上陸を敢行、一挙に守備隊の覆滅を計ったこの独ソ戦唯一の夜間大規模敵前上陸作戦がテーマ。今回は赤軍2人、独軍2人(それぞれ上陸海岸、ノボロシスク市正面)で全選択ルールを採用して対戦。
赤軍爆撃機全てを投入して夜間高高度爆撃(1ユニット10機単位の航空システムで急降下爆撃から局地制空任務まで8種類の任務有り)を行なうも闇夜に未確認爆撃じゃ、まぐれ当たりで痺れさせる程度、それでも初期隠匿配置された88ミリ高射砲に撃たれなかっただけマシか(88ミリFLAKだけが高高度を射撃可)。
そして売りである赤軍海兵空挺歩兵2個中隊が降下、対戦前夜ソロプレイで駒の落下傾向を研究した成果か目標に隣接するHEXに裏返し(混乱)で着地。でも1戦力の中隊2個で何を達成できるのか疑問?。
肝心の上陸もそこらの上陸戦SGと違って、最貧黒海艦隊のこと(オデッサやセバストポリを奪われ修理も満足にできない)上陸用舟艇の代わりに水雷艇やタグボート、はしけに海兵や戦車を満載しノロノロと海岸へ迫る。その遅さは艦種毎に着岸する時間に表され、はしけに積んだ戦車など夜明け直前にようやく揚陸される始末。岸に近付くと探照灯で補足され(この時爆撃してれば光源によって闇夜修正が免除されたのに)、近隣の沿岸砲台、88ミリ高射砲に撃ちすくめられる。
砲火を潜って上陸した赤軍海兵隊は探照灯を突撃で破壊し、陣地に篭る反共コサック部隊を叩き出してノボロシスク市郊外の魚缶詰工場に達する。随所で孤立した独軍砲台や20ミリ、88ミリ対空砲陣地が短機関銃装備の赤軍海兵隊と激戦を繰り広げるも次々陥落して強襲上陸の夜が明ける頃には2ヵ所の縦深のある橋頭堡ができ上がっていた。
また上陸に呼応してノボロシスク市前面のプロレタリア・セメント工場に対して赤軍第318狙撃兵師団が夜襲を敢行するも、開始時既に疲労状態にある為(上陸に先立つ2日間既に戦闘中)防禦射撃によって200人余りの損害を出して撃退された。夜明けの時点でスチュアート軽戦車を積んだはしけを撃沈するなど独軍が50VPを得ており、揚陸が史実以上の成功を収めたとはいえ今後の独軍の反撃を考えると状況は予断を許さないという所で終了とした。
感想としては、上陸手順が予想以上に時間が掛かった点と(上陸後から始まるシナリオ3がお勧め)、両軍とも事前に計画をしっかり立てておくべきだという所(独軍は沿岸砲台や高射砲をお互いに支援/十字砲火できるよう隠匿配置し、赤軍は海兵の積載計画)。泣ける程マニアックな戦闘序列が俄然ヤル気を沸き立たせるSG(士官懲罰大隊・ブランデンブルグ特殊部隊・反共義勇兵各種等)。
第1作目だけあってルールが丁寧に書かれており、とても分かり易い。例示が多いので今まで(3W/CoSi)AACHENや(CoA)Bolodino`41で疑問に思っていた所も解消された。31日坂戸での(CoA)Bolodino`41も大変面白く両軍の戦力が同程度なので攻防の移り変わりの激しい対戦を満喫できた。最新作スパーク作戦が待ちきれない想いだ。


(GMT)Victory in the West/プラン・イエロー
3人キャンペーン:4ターンまで。
独軍担当で新婚1年目の名物会員が、奥さんの留守した1週間に3回ソロプレイして編み出した奇策「4年早いバルジ大作戦」発動。独空挺の全てをオランダ侵攻に投入、これを2日で降伏に追込み、装甲軍の主力はアルデンヌ丘陵を突破してベルギー海岸を目指す。リェージュやエバンエマール要塞地帯には手を触れず英大陸派遣軍全体を包囲する作戦は、出来星将軍ロンメル揮下の第7装甲師団を先頭とする装甲集団によってブリュッセル近郊にまで迫るも仏軍の必死の反撃に遭い、ロンメルの装甲師団包囲殲滅の危機に陥る。これに呼応して包囲網の内側から英軍も脱出を計り独軍は両面からの圧力に堪えきれるかといった4ターン目終了にてお開き。
このSGの売りである避難民に巻き込まれた仏軍司令部が解体されてしまうなど電撃戦の衝撃力を余すところなく伝え、戦況も僅か4ターンで英軍全体を包囲、独軍戦車隊が矢印のごとくアルデンヌからブリュッセル郊外まで突出戦線を築くなどフランス電撃戦の醍醐味を満喫させる展開となった。仏軍担当の副会長は非常にこのSGが気に入って早速購入を決めていた。

[補足]
オランダ、ベルギー、イギリス軍を担当しました。
オランダからブリュッセル方面に進出してきた装甲1個師団を包囲せんとして攻撃をしたまでは良かったのですが、イギリス全軍でその攻撃側面を防御していたために、ものの見事に逃げおくれ、ドイツ軍に全軍包囲されてしまいました。自力での脱出はほとんど不可能に近く、フランス軍が包囲網を突破しようと攻撃してくれたときには、フランス軍部隊が実に頼もしくみえました。
最後は、イギリス軍とベルギー軍の全部隊が包囲され、ブリュッセル陥落直前であるが、包囲網を構成するドイツ装甲師団のうち2個師団が逆包囲状態。次の攻防でどちらにころぶかといったところでした。(多分ドイツ軍に勝利の女神は微笑んだと思いますが...)
それにしても、1ターンで降伏なんて、もろすぎるぞオランダ軍!!



(AH)ASL シナリオ4 THE COMMISSAR'S HOUSE
3人戦:5ターンまで
その名も高きASLマスターEndohさんに、7月19日20日のASL歴史モジュール多人数対戦の打ち合せがてら参加していただいてYSGA ASL普及委員会のNさんと、結婚して日本国籍となった元アメリカ人FUさんとの対戦。YSGAの2人は今年になってから本格的にASLをはじめたので熟練のEndohさんが操るソ連軍の戦いぶり(火線構成、回復天国、政治将校の運用、隠蔽獲得)に感心することしきり。
COMMISSAR'S HOUSEの名に恥じぬよう赤軍指揮官を政治委員に取り替えたソ連軍は、強攻する独軍を寄せつけず頑強に防禦戦を展開。現役工兵将校のNさんは独突撃工兵を操りビルの上階にいる赤軍政治将校もろとも爆薬で建物全体を爆砕しようとするも勝利得点的に不利と知り、爆薬の設置まで終えていたのに直前で中止、工兵の意地を見せつけた。
肝心の7月19-20日は最新モジュール「ペガサス・ブリッジ」戦役シナリオ2を広く内外に参加を呼びかけて対戦する事に決定。


ASL シナリオ−T1 GABIN TAKE
BLACK SEA *を終えた2人がEndohさん達の対戦に触発されてプレイ。米82空挺のギャビン准将揮下の空挺兵が集結地に向かう途中、独軍の篭る村に遭遇するという状況でSLソロプレイ歴10年の訳聖さんとの対戦。
僅か5ターンで盤端の道路から突破しないといけない米空挺は兵力の半分に村の両翼を迂回させ、残りで村の独軍を制圧する。独軍も石造建物の二階に機銃を据え抵抗。迂回する米軍に対しても兵力を派遣して妨害。3ターンには村の独軍ほぼ制圧されるも迂回した米軍も身動きとれずギリギリの状況でお開きとなった。今春九州から防大に着任したNさんは「ASLが同時に2セット広がってるなんて夢の様だ」と感激されていた。


(EP)D-DAY:3人戦
何をプレイするか迷うと必ず挙る定番傑作SG。英軍担当の¥さんが米独担当者の警告も聞かず大胆な攻勢を発動し、一切の補充を消費し尽くして頓挫、久しぶりのD-DAY対戦ではルールの忘却振りに戸惑うなど白熱したとなっていた。


(日本版COMMAND)ブダペスト1945
SGソロプレイ歴は長いが対人戦は殆ど無いという初参加の3さんとGJ誌に寄稿している大林さんとの対戦。先日(HJ)Bitter Endをやった大林さんが独軍を担当してブタペシュトに攻め上る。Bitter Endと違って南方展開は出来ないようになっているが、その必要が無いほどの戦力を持つ独軍は、分遣隊を出しては赤軍の後方に回り込ませて補給路を断ち森を抜ける。赤軍はブタペシュトの独軍を全力攻撃して救出される前に全滅させようと務めるも、後2ステップを残すとこまで追い詰めた所で独軍第8装甲師団が市街に突入してきてサドンデス終了。
バルバロッサ作戦SG(3W)ブリッツクリーク・イン・ザ・サウス並みの電撃戦システムには少々疑問の残る展開となったが、対戦した2人は非常に楽しめたとのこと。


(3W)AICENTS:カンナエ」×2
GJ誌最新号に触発されて3さんが購入した簡易古代戦SG。ブタペシュトを終えて続けてプレイ。陰謀ルールのないバージョンだったので、史実の様な大殲滅戦とはならず騎兵運用の激しい緊迫した展開となっていた。お互い陣営を入れ替えて2回対戦。


(翔)SS-ワーテルロー
D-DAYの対戦を終えた我が会唯一のナポレオニッカーとYoshiさんとの対戦。ナポレオニックの史実に疎い仏軍はウーグモン城館を無視して英軍左翼を全力攻撃、これを受けて仏軍もウーグモン城館を軸点として仏軍左翼を襲うも、引き返してきた仏軍主力と拘置しておいた予備兵力とで狭撃、英軍大損害を受ける。


(EP)戦国大名8人戦
大半のSGが終わってミーティングまでの1時間でマルチ。初参加の3さんはソロプレイながら戦国大名EXまで揃えているそうで、いつもながらの盛り上がったプレイに大変楽しんで貰えた。


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