蝦夷親不知・旧道の痕跡



国道229号線の瀬棚から茂津多へ至る道筋は今でこそ全線快適な2車線の道路が続きますが随所に旧道の痕跡を見ることができます。瀬棚から6km程北にある蛇羅トンネルは昭和47年に完成したもので、開通前の旧道は蝦夷親不知と呼ばれた断崖絶壁の下を通っていました。南側の蛇羅の集落からはか細い旧道をの覆道、トンネルを望めますがそれら施設は30年の時代の経過によりかなり劣化が進んでいる気配でした。私は人目もある南側からの進入を避け、北側にまわることにしました。写真は北からのトンネルと旧道の全景です。



しかしながら旧道は荒々しく崩れほとんどその跡をたどることは残念ながらできませんでした。わずかながら旧道を歩き、あとは海岸の岩場から旧道のトンネルを眺めるほかなかったのです。そのトンネルの前には施設の残骸と思われるものがひしゃげて鎮座していました。



さらに北に向かい美谷漁港の脇の美谷トンネルの海側に旧道を発見しました。獅子岩の張り出した岩塊を昔は本当に小さなトンネルで抜けていたのです。写真左が北側から、写真右が南側からのもの。



さらに北に行った先に見つけた道路脇のトンネル。新道はこのトンネルよりも海側を抜けていきます。今となっては想像することも困難になっていますがこの岩場まで海が迫っていたと考えられます。素掘りのトンネルは訪問時にはかなり高さも低く狭かったのですが完成時にはもう少し路盤自体も低かったのではないでしょうか。



(地域別情報4-2-3.瀬棚に地図と周辺案内があります。)


北海道旅情報巻頭  3-9.ぐるり海岸線紀行
蝦夷親不知・旧道の痕跡