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鉄腕グリエルモ
Gugliermo Braccio di ferro
アプーリア伯(1042-1046)
オートヴィル兄弟最初の成り上がり者
グリエルモのようなノルマン系傭兵たちは、当時の南イタリアにうようよいたらしい。
西ローマ帝国の滅亡後、東ゴート王国の建国、ビザンツ皇帝ユスティアヌスによる再征服、ランゴバルド王国の建国と、イタリアの支配者は目まぐるしく変わった。
その後、フランク王国のシャルルマーニュがランゴバルド王国を滅ぼし、南イタリアはぐちゃぐちゃになる。南イタリアでは、ランゴバルド系の領主たちが生き残った。ビザンツ帝国領もしぶとく残っていた。イスラム勢力もまた、シチリア全島を支配し、イタリア半島部への勢力拡大を図っていた。
様々な勢力が争う状況。しかも、みんな毛色が違う。こうなると、教皇も、神聖ローマ皇帝も、彼らの性分として一言くらいは言いたくなる。「その領地、ホントは全部おれのもんなんだぞ」と。
だから、収拾がつかない。誰も決定的な主導権を握れない。戦争に次ぐ戦争。
傭兵の需要は大きかった。はるかノルマンディーからも大勢の騎士がやってきた。チャンスを求めて、貧乏な田舎騎士が続々と集まってきたのだった。
そんな傭兵の出世頭がグリエルモだった。ノルマン人傭兵のリーダー格としてメルフィの街の領主となり、1042年にはアプーリア伯に出世する。
一人の傭兵に過ぎなかった若者が、英雄となり、やがて立派な領主となったのだった。
かつて、グリエルモとともにオートヴィル村を出発したその兄弟には、ドロゴーネ、ウンフレードがいた。グリエルモの死後は、彼らがアプーリア伯の地位を引き継ぐ。
こうして、歴史家ギボンが”ロマンティック”と書いた、オートヴィル兄弟の英雄騎士の物語が始まった。それは、ノルマン不敗神話の始まりでもあった。
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