updated Aug. 24 1998
派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)


質 問 と 回 答 例 (F A Q)

2440. 派遣労働者が派遣先の正社員に雇用されることはあるのですか?
 常用雇用を維持するという、労働者派遣法の本来の建て前からすれば、長期に派遣労働を導入することは法の趣旨に反します。ある職場で、臨時に専門的な労働で派遣労働者を導入したとして、それが長期に及ぶとすれば、派遣ではなく、常用雇用(正社員)として使用するべきです。したがって、派遣労働者が派遣先の正社員として雇用されることは、労働者派遣法としても大いに望ましいことなのです。

 労働者派遣法第33条は、派遣先と派遣労働者が派遣期間終了後に雇用契約を締結することを、派遣元が禁止してはならないと定めています。この規定は、派遣労働者が派遣先の正社員になることを予定しているとも考えられます。ドイツでは、このような例が多く(2〜3割ともいわれている)、実際には、派遣労働が一面では「試用労働」という意味をもっていると言われます。
 日本では労働者派遣法の運用が、いわば身分的に差別された派遣労働者を固定的に作り出す結果になっています。労働省も、派遣労働者が派遣先の正社員に雇用された例を調査さえしていません。しかし、派遣労働者自身が、労働組合と一緒にがんばって派遣先の正社員になった例が『がんばってよかった 派遣から正社員へ』に掲載されています。
 コンピューター関係の労働者からの相談では、派遣先に正社員としての雇用を求めたら、その職場に不可欠の人材であることを認めて、派遣先会社が正社員化すると内定したところ、それを知った派遣元が妨害に出で、話が中断してしまったという例が少なくないようです。
 派遣会社の営業担当者などには、派遣労働者が派遣先に正社員として採用されることが労働者派遣法の趣旨からも望ましいということを理解していないと思われる対応があるようです。派遣労働者の権利を制限したり、不当に妨害することは、法的にも許されない不法行為になることもあることをしっかりと理解して欲しいと思います。
 逆に、派遣労働者としては、派遣先の正社員になることは、何らやましいことどころから、労働者派遣法も望ましいとしていることに、しっかりと確信をもって下さい。もし、派遣会社が不当に妨害行為に出るときには、しかるべき法的措置も十分に可能です。
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