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第109回  工房の 大 自 慢 大 会     その3

「じゃ〜ん、
 俺の自慢のボタンは、 コイツ だっ! 」


  そこには、なにやら 怪しげな ボタン が あった。


 「じゃ〜ん、どうだい、輝豸雄っ!
  凄いだろう!」

 「た、確かに、、、凄いけど、、、。
  コレって、、、。
  もしかして、、、。」

 「ど〜だっ、麝弐猪っ!
  格好いいだろう!」

 「か、格好いいねぇ、このボタン。
  大きいし、
  四角いし、
  黄色いし、黒いし、赤いし!
  欲しいなぁ、これ。」

 「ね、、ねぇ、、、。」

 「なんだよ、輝豸雄。」

 「いやぁ、僕の記憶が間違ってなければ、、、。」

 「う? 何だよぉ。」

 「このボタンによく似たボタンを、
  知っているんだけど、僕。」

 「なになに? 一体なんなの、このボタン?」

 「コイツはなぁ、
  工房の自爆装置の、機動スイッチなんだぜっ!」

 「やっぱり、、、。」
 「えぇ〜!じ、じ ば く そ う ち ぃ 〜 ?」
 「なんで、そんな危険なボタンが、ココに、、、。」
 「ねえ、ねえ、じばくそうちって何? おいしいの?」
 「どうして、、、、。ここに、、、、。」
 「貰ったんだょ、くま旦那に。」
 「 ! 」
 「いいなぁ、ぼくも欲しかったなぁ、、、。」
 「なんでまた、、、、。」
 「酔っ払うと、何でもくれるんだよね、くま旦那って。
  いやぁ、前から欲しかったんだよね、機動スイッチ。」
 「あ、あの人は、、、、、まったく、、、。」
 「いいなぁ、それ!」
 「いいだろう〜! 
  今日の自慢大会は、俺の優勝だな! 圧勝だな!」
 「いいなぁ、 ぼくにも触らせてよぉ〜。
  押させてよぉ〜、一寸でいいからさぁ。」
 「だ〜め! 俺のボタンだも〜ん。」
 「ねぇってぇ〜、、、、、。」




   自爆装置、それは、男のロマン 。
      自爆装置 それは、人類の叡智 。

 工房に自爆装置を取り付けてしまった くま旦那の気持ちが痛いほど解かる 輝豸雄だった。


                                                   第110回に続く