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第109回  工房の 大 自 慢 大 会     その2

「よ〜し、次は、輝豸雄だっ!」
「お、俺かよ。」

 工房の食堂で始まった ボタン自慢大会は、
 盛り上がりながら、進んでいた。
 いよいよ、輝豸雄の順番がやって来た。

 
 「じゃぁ、次は輝豸雄だっ!
  自慢のボタンを見せてくれっ!」
 「待ってました!輝豸雄くんっ!」
 「でへへ、、、じゃぁ、、、、。」

   輝豸雄がポケットから取り出したのは、、、
   赤くて、大きな、、、、、ボタン? だった。


 「輝豸雄く〜ん!!
  す、凄いねぇ!、、、、。
  ど、どうしたの、ソレ?」

 「ふんっ、
  た、確かにす、凄いけど、、、。」

 「凄い凄い、凄いよぉ。
  どうやって、手に入れたの?」

 「俺にも、教えろよぉ〜。」

 「いやぁ、、、、。
  何というか、、、、。
  学校の彼方此方に有ったんで、、、。」

 「う? 有ったんでぇ?」

 「有ったぁ?」

 「貰ってきちゃった。 てへ(笑)」

 「・・・・・・、・・・・・・。」
 「てへ って、、、。ったく、、、、、。」

 「いやぁ、校内中の警報は鳴り響くは、
  消防車は来るは、
  お巡りさんには怒られるは、
  町内新聞には載っちゃうは、
  大変だったんだよぉ〜。      てへ。」                           




     工房の食堂に、沈黙が訪れていた。




 「よ、よ〜し、も、盛り上がって来た所で、
  いよいよ、真打の登場だな!」
 「自分で、そこまで言うヤツも珍しいよな。」
 「そうだよ。 
  人のことを散々言ったんだから、期待しちゃうからね〜。」

 「まっかっせっなさ〜い!。」

                                                   第109回 の その3 に続く