通販カタログを差し上げます

■ペンネーム「水漏れ」さんからの投稿です。

 こんにちは。
 
 悪徳・・・と言う訳ではないのですが、なんか後味の悪い訪問販売が・・・。
「水」は水漏れ 「相」は相手です。
 
 マンションの外玄関のチャイムがピンポ〜ン♪
 
水 「はぁ〜い」
相 「通販の○○と申しますぅ。カタログを差し上げたいのですがヨロシイでしょうか」
水 「はい どうぞ。ポストに入れておいてください」
相 「あのぉ、もし気にって頂けて買って頂くときの為にチョットだけ説明をしたいのでお玄関先までヨロシイですかぁ」
水 「は〜い」 オートロック解除
 
 ドアを開けてみると浜崎あゆみのようにスタイルバツグン、可愛らしいオネエサンが。
 30分も立ち話をしたでしょうか。
 初対面だと言うのにオネエサンは自分の家庭の事まで話し出しました。
 家はどの辺で双子の子供がいて、それが男の子と女の子で今度 幼稚園に入ることになって 云々・・・。
 あの・・・通販の説明は・・・?
 
相 「私も通販が大好きで、これはパラパラッとめくって貰って『あ〜楽しいな』と思って頂けるだけで本当に嬉しいんです」
水 「そうですか」
相 「見ていただけますか?」
水 「はい」  見ますよ、見るだけで良いんなら
相 「わぁ、嬉しいです! それでですね、申し込みと言う事でこれにご記入をお願いします」
水 「え? 見るだけじゃないの?」
相 「ハイ、パラパラッと見て下さるだけで良いんです。で、『欲しいな』と思ってくださったら申し込んでいただくと言う事なんです。
 でも誰でも彼でも・・・と言う事になると、商品だけ受け取って逃げちゃう人もいるものですから キチンと所在の確認できる方だけにしかご利用頂かない事にしているんです」
 
 なんか正論のような違うような・・・。かつ失礼なような・・・。
 
水 「こう言うの、書かない事にしているんで やっぱり要りません」
相 「あっご主人の年収とかは書いて頂かなくて良いんです。住所と名前と電話番号と生年月日だけで。
 あっそれと、ケイタイはお持ちですか」
水 「持ってません」 持ってるけど
相 「固定電話でないと困るんです。ケイタイだと解約されるとそれまでになっちゃうんで」
 
 なんか正論のような違うような・・・。で、失礼なような・・・。
 
 う〜ん・・・。 目の前にはニコニコと可愛いアユのようなオネエサン。
 悪い人にはどうしても見えないけど・・・。
 なんだか押され気味に申し込んじゃいました。
 ○○通販会員に。
 
相 「では永久会員費として150円、頂くんですけれど」
水 (え〜〜なんで通販にお金が要るのよぉ。)
相 「150円の会費で永久に○○の会員として登録されて、その会員さんだけが受けられる色んな特典があるんです」
 
 なんか正論のような違うような・・・。
 
相 「では後日、私じゃないんですけど担当の者が会費を頂戴に来ますので。これ、カタログと粗品です」
 
 小一時間しゃべってオネエサンは帰って行きました。
 オネエサンが帰った後、即ネットで検索。
 あるにはあるけれど、ナントカワードを入れなければHPにも入れない!
 怪しい、怖い!
 何とか見つけ出した社長の名前で検索。
 蝶々に造詣が深く、本まで出している事以外判らない・・・。
 なんだか怖くなって来ました(-.-)
 担当の人が来るまで粗品は開けずにおきましょう・・・。
 でも、やっぱり怖い。
 
 またまた即 カタログや粗品一式持って電車に飛び乗り消費者センターへ!
 怖くて半泣きになっている私、センターの人(セ)は「フムフム」と話を聞いて
「その人布団の話をするはずです」
 
水 「えっ通販の会社じゃあないんですか」
セ 「布団屋です」 キッパリ
 
 あの世間では絶対に騙されるな!と言う、布団の訪問販売?
 
セ 「そうです。でも、悪徳業者のリストには載っていませんよ。欲しければ買ってもまあ問題はない会社ですが。
 高いと思えば高い。高くないと思えば高くない。そう言う布団です。今のところ一件だけ苦情が来ていますよ」
水 「じゃあ、150円は・・・」
セ 「払っておきなさい。タダほど怖いものはないんですから たとえ150円でも払っておけばこっちの方が強いんです
 
 なるほど・・・。
 
水 「でも住所や生年月日まで書いちゃいました」
セ 「そのくらいの情報は懸賞葉書きを出す時にだって書くでしょう。問題になるほどの個人情報ではないですよ。大丈夫」
 
 う〜ん、正論のような違うような・・・。
 
セ 「断る時も勘定的にならないでね。逆恨みがないとは限らないですから。
 気持ちよくしゃべらせて、気持ちよく断りましょう。お互いのためですよ。粗品は貰って置いてよいでしょう」
 
 正論のような違うような・・・。
 
 後日、その担当と言う人が来ました。
 今度はアユには似ても似つかぬ ごっついオネエサンが。
 
相 「15分だけ詳しい説明をさせてくださいね〜」
 
 とそれから先 口も挟めぬ程 立て板に水、妙に馴れ馴れしい口調で これはしゃべりのベテランだな・・・と。
 しかも「ちょっと座らせてね。ドッコイショっと」と玄関に座り込んでしまった・・・。
 15分どころか30分以上、途中「ねぇこのストラップ、可愛いでしょう!この間ディズニーランドに行った時、子供とお揃いで買ったの!」とか「ほら、これキラキラ光るの! 水漏れさんはこう言うのスキ?」とか、どこが説明でどこが世間話か判らないほどの しゃべりのテクニック!
 なもので、話の切れ目が掴めない!
 
相 「では150円頂きます。ハイ領収証です」
水 (案外まともな領収証だな・・・)一寸だけ安心?
相 「あっ それから会員を継続してもイイな〜とお思いになったら、一年ごとにご連絡を下さいね。電話でもファックスでも良いですから」
 
 って、ええ〜〜永久会員じゃないのぉ?!
 
水 「こっちから連絡するんですか?!」
相 「ハイ!」
 
 なんか脱力・・・。
 案の定、何気に布団のレンタルに話が行きましたが 消費者センターで色々教わっていたので「通販と言うので その話以外はチョット・・・」と、キッパリ(?)上手に断りました!
 逆恨みが怖くて、延々と話を聞いたあとに。
 
 ちなみに粗品はカタログでは1700円の「ヘアブラシ」でした。

■水漏れさんから、三回目の投稿です。いつもありがとうございます!
 
■はい、このパターンはズバリ「布団屋による会員制の通信販売」です。
 通信販売それ自体は別にフツー。
 ただ、入会特典とか会員特典といった名目で、高級布団レンタルや高級布団販売をもちかけてくる、と。
 
 大体、最初の訪問時にカタログと粗品を渡し、後日に会費を徴収するってのは、無駄が多すぎます。人件費って高いんですから。
「布団レンタル(or 販売)の営業です」と言われて、玄関口に出てくる人はあまりいないでしょうが、「通販のカタログを差し上げます」なんて言われると、ついつい玄関を開けてしまいますもんね。
 でも、そこでイキナリ「布団買いませんか」では、あまりに露骨すぎて警戒されること間違いなし。思いっきり特商法違反だし。
 と言うわけで、一旦会員登録と言う形で引き下がり、後日改めて「会員特典」と攻める、と。こういう筋書きなのだと思います。
 
 と、まあ、業者さんも随分まわりくどく頑張っているみたいですが、販売目的を隠して訪問している事には間違い無いので、このパターンも立派な「訪問販売」です。よって、特商法の規制の下でクーリングオフも適用されます。不意打ち販売には変わりがないですからね。
 
■消費者センターの人、流石プロ。的確なコメントに頭が下がります。
 しっかし、「気持ちよくしゃべらせて、気持ちよく断りましょう。」には参りました。・・・この技が出来るようになるのは、なかなか難しいんですよねー(苦笑)。私もまだまだ修行不足なもんで・・・。

(2006.5.23)
(参考)
この他の、水漏れさんの投稿は以下の通りです。
6と0とではずいぶん違うと思う
朝日ィ新聞でェぐぉざいます
イオンの力でクリーニング