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ダイヤルアップの設定

モデムの設定

モデム・TA の設定ファイルは /usr/local/etc/ppxp/modem にあります。ほとんどのモデムは "generic" という汎用の設定ファイルが使えますが、TAの場合は機種毎の設定ファイルが必要になります。まず、使用機種の設定ファイルを探してください。無ければ自分で作成します。

私が使用している TA-B64DSU のは無かったので、"tab64" というファイルを作成しました。中身は次の通りです。

# PPxP mi file for TA-B64DSU

include	standard

Name		"TA-B64DSU 64k PPP"
Initialize	"AT%X10S2=128*L0"
MaxDTESpeed	115200
重要なのでは "Initialize" の行です。何を書いて良いか分からない場合、Windows用のドライバに含まれる *.inf というファイルが参考になるでしょう。

このファイルでは、最初に "standard" という標準的な設定ファイルを読み込み、そこから後で "standard" と違う部分だけを記述します。だから、"standard" を修正して次の様に書いても同じ設定になります。

Name		"TA-B64DSU 64k PPP"	← 修正した部分
Initialize	"AT%X10S2=128*L0"		← 修正した部分
InitialEcho	"AT"
InitialTimeout	1500
Dial		"ATD\p"
PulseDial		"ATDP\p"
ToneDial		"ATDT\p"
IsdnDial		"ATD\p"
HangUp		"\5d+++\5dATH0"
PickUp		"ATH1"
Answer		"ATA"
AutoAnswerOn	"ATS0=1"
AutoAnswerOff	"ATS0=0"
MaxDTESpeed	115200			← 修正した部分
Ok		"OK"
Connect		"CONNECT"
Ring		"RING"
Error		"ERROR"
Busy		"BUSY"
NoCarrier		"NO CARRIER"
NoDialTone	"NO DIALTONE"
NoAnswer		"NO ANSWER"
Delayed		"DELAYED"

接続の設定

PPxP の設定は qdial というコマンドを使うと簡単です。ただし、Telnet接続では うまく使えませんでした。面倒ですが、一旦Linuxマシンに戻って作業します。 次の様に入力してください。
root@mypc:~#modprobe userlink
root@mypc:~#ppxp
PPxP version 0.99120923
interface: ul0
ppxp>qdial
quot;QUICK DIALUP" というメニューが表示されるので、順に入力していきます。
Device Name:[/dev/ttyS0]	← COM2に接続している場合は "/dev/ttyS1" を指定
Dial Type:{Tone}
Phone Number(s):[******]
Login Name:[******]
Login Password:[******]
Password(again):[******]
<More...> を選択し、次のメニューを開きます。
Authentication Protocal:{PAP}	← プロバイダによって違います。
PPP Mode:{active}			← プロバイダによって違います。
Modem Type:{/tab64}		← 先ほど作成したモデム設定ファイル
Idle time [300]			← 切断までの待ち時間
IP Masquerade:[ ]
VJ compression ( )
Create resolv.conf: ( )
DNS Servers:[***.***.***.***]	← プロバイダのDNSアドレスを入力
<Back> で元のメニューに戻り、<Save..> を選択して保存します。保存名は、ここでは "myisp" とします。<Dial> を選択すると、保存した設定で実際にダイヤルします。接続中はプロンプトが次の様に変化し、ある程度状態がわかります。

dial> → PPP+p> →  PPXp> → PPXP>

これで接続完了です。試しに外部のサーバーにping を打ってみます。応答があれば次の様に表示されるので、Ctrl+C で停止させます。

PPXP> ping www.yahoo.co.jp
PING www.yahoo.co.jp (210.152.236.50): 56 data bytes
64 bytes from 210.152.236.50: icmp_seq=0 ttl=247 time=95.9 ms
64 bytes from 210.152.236.50: icmp_seq=1 ttl=247 time=100.8 ms
64 bytes from 210.152.236.50: icmp_seq=2 ttl=247 time=100.8 ms
SIGINT: ping www.yahoo.co.jp

--- www.yahoo.co.jp ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max = 95.9/99.1/100.8 ms
PPXP>
PPP の切断は "q" を入力します。ここからは、再び Windowsマシンで Telnet を使って設定できます。

オンデマンドの設定

PPxP には、必要に応じて自動的にダイヤルする "auto" モードがあります。次の様に起動します。
root@mypc:~# ppxp myisp -C auto
ちゃんと動くかどうか、PPPを切断した状態から再び PING コマンドを打ってください。自動的にダイヤルされるはずです。Linux 起動時に起動するには、/etc/rc.d/rc.local に次の行を追加します。
/sbin/modprobe userlink
/usr/local/bin/ppxp myisp -C auto

IP Masqueradeの設定

IP Masquerade というのは、LAN側のIPアドレスとインターネット側のIPアドレスを動的に変換する技術です。この機能を使うとLANの中からLinuxマシンを経由してインターネットへ接続できます。難しい話は抜きにして、次の様に起動してください。
root@mypc:~# ipchains -P forward DENY
root@mypc:~# ipchains -A forward -s 192.168.0.0/24 -j MASQ
これで、Linuxマシンがルーターとして動作します。LAN内の Windowsマシンで WWWブラウザを起動し、適当なサイトに接続してみてください。Windowsマシンのゲートウェイは予め 192.168.0.1 に設定しておきます。

Linux起動時に起動するには、/etc/rc.d/rc.local に次の行を追加してください。

/sbin/ipchains -P forward DENY
/sbin/ipchains -A forward -s 192.168.0.0/24 -j MASQ
FTP や RealAudio 等を使用するには追加モジュールが必要になります。/etc/rc.d/rc.modules の次の行の"#"を外してください。これも Linux起動時に実行されます。
/sbin/modprobe ip_masq_ftp
/sbin/modprobe ip_masq_raudio
/sbin/modprobe ip_masq_vdolive
/sbin/modprobe ip_masq_irc

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