Otoshibumi Craft Lab 電気の森 The Forest Of Electric
+ Electronic Technorogy [1999]
電気回路編 第1章 オームの法則 Ver.3.x
Ver.3.0 Last updated : 1999/11/10
電気を量としてあらわしたい。そこで、「電気量」という値を定義する。
昔、昔、その昔...まだ、「電気」という言葉が世の中に存在しなかった頃、人々は説明できない不思議な現象に気づいていました。例えば、次のような現象です。
現在の私たちは、これらの現象が「静電気」によるものであることを知っています。しかし、この現象の起こるメカニズムについて、知っている方は少ないでしょう。
「電気」に関する研究は、静電気の観察から始まりました。静電気は、当時、自然界で観察できる唯一の電気現象だったからです。本格的な研究の始まりは、1600年のイギリスの科学者ギルバート(William
Gilbert)が発表した「磁石論(または、「磁石について」)」からだといわれています。以後、多くの研究者の努力によって、電気現象のメカニズムが明らかにされていきます。
当時の研究者が最初に考えたこと。それは、電気という不思議な現象そのものを「量」として定義したことです。この量が「電気量」なのです。
電気量の量記号に、Q、または、qを、単位記号に、[C](coulomb、クーロンと読む。)を用いる。
電気量の量記号Qまたはqは、英語の「quantity of electricity」の頭文字を用いています。単位記号の[C]は、フランスの科学者クーロン(Charles Augustin Coulomb)の名が使われています。クーロンは、電荷に関する研究を行い、1785年、「クーロンの法則」を発表しています。
本書では、あえて、「電気量」と次項で述べる「電荷」とを明確に区別することにします。多くの文献をでは、「電気量と電荷は同じもの」という視点で解説されています。
静電気に関する実験によって、「2種類の電気がある。」ことがわかった。一方を「正の電気」、もう一方を「負の電気」という。
電気を粒子と考えると、電気に関するいろいろな現象を考えるにあたって、都合のいいことがわかった。そこで、「電気を持った粒子」を考える。この粒子を電荷という。
「電荷」は「電気を荷(にな)っているもの」という意味で名づけられたのです。
正の電気を持っている粒子を「正電荷」といい、負の電気を持っている粒子を「負電荷」という。本書では、今後、図.A−1−1のような図を用いてあらわすことにする。
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