Otoshibumi Craft Lab 電気の森 The Forest Of Electric
+ Electronic Technorogy [1999]
電気回路編 第1章 オームの法則 Ver.3.x
Ver.3.0 Last updated : 1999/11/10
電気に関する現象には、さまざまなものがあります。これらのことを、順次、学んでいただくための最初のステップが、本章(A章)です。
本章では、電流、電圧、抵抗(コンダクタンス)などをキーワードとして、オームの法則についてまとめてみました。
私は、長年、工業高校の電気科で、電気を初めて学ぶ生徒に接してきました。このとき、いつも障害となるのが、オームの法則なのです。
「先生、オームの法則ぐらい知っているよ。」と生徒はいいます。しかし、そのイメージは、それぞれ異なったものであることが多いのです。小学校や中学校で学んだ時の印象も違います。知識の深さが違います。そして、多くの生徒にいえることは、「オームの法則のイメージ」がないのです。
オームの法則は、みなさん、ご存じのことと思います。しかし、再度、本書に目を通して下さい。電気を学ぶ上で、何か違いが生じると思います。
この章の目標は、オームの法則の正確なイメージを身につけることです。電気の現象は目に見えませんが、オームの法則があなたの目で見えるようにしていただきたいのです。
電気の現象は、目に見えません。ですから、イメージが重要なのです。「電気がわからない」のは、電気が見えないからです。電気が見えるようになるためには、相当、時間が必要です。安心して下さい。じっくり、ゆっくり取り組んでいただければ、電気は見えるようになるのです。
電気の現象は、身近にある現象に例えて説明されます。「類推」と呼ばれるものです。本書でも、オームの法則を説明するために、「水流モデル」という類推を用います。「電流」を「水流」に例えるのです。「ホースの中を循環して流れる水」がわかれば、オームの法則という電気現象がイメージとして見えるようになります。
本章の説明は、電磁気学の視点にたっていません。ですから、読んでいただいた後に感じる「なぜ、電流が流れるのか」とか「なぜ、オームの法則が成り立つのか」などといった疑問には、本章では答えません。
というのは、これらの疑問に答えるには、多くの知識が必要だからです。また、「学ぶにあたっての混乱をさけ、短期間のうちにイメージを理解してほしい。」という願いがあるからです。疑問に答えるメカニズムについては、またの機会に説明できればと思っています。
本章は、10ページで構成されています。学ぶコツを説明しましょう。まず、いっきに最後まで読み上げてください。このときすべてを理解する必要はありません。次に、じっくり詳しく読み上げてください。そして、正確なイメージを身につけてください。
このとき、いろいろな疑問が生じると思います。特に、「なぜなるのか」という物理的な視点に立つと多くの疑問が生じます。この疑問を大事にしてほしいのです。必ず、メモしてください。そして、問題解決に向けて、考えられるあらゆる努力して下さい。このことが、電気が見えるようになる近道だと、私は、信じています。
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