2001年1月12日(金)〜13日(土)
「2001年の憂鬱を超えて」
皆さん、お久しぶりです。本年もよろしくお願い申し上げます。今年最初の「今日の話題」をパリ行きの機内で書いています。12月から年末年始の公私にわたるドタバタで、公約(?)通りパリからの発信になります。
さて、今日の話題は、オフハンドで思いつくままに“雑感”を述べたいと思います。題して“2001年の憂鬱を超えて”です。今日は、最近の“円安”“株安”“物価安”の3つの“安”を話題にしたいと思います。肩の力を抜いて、ファイト!さんの「雑感」にあやかりたい、と思うわけです(笑)。
先ず、日本でフランに換えようと思って某都市銀行の自動為替両替機にいって驚いたのは、いつのまにか対フランで円安になっていた点です。1、2ヶ月前は、1フラン15円前後で、対ドルでは円安傾向でしたが、まだ対EU諸国通貨では顕著な円安ではありませんでした。
ところが、11日に500フランのパックを両替したところ、1万円でおつりが260円でした。以前は1,500円程度のお釣りくるものと想定していたのですが、暫く為替のチェックをしなかったら随分円安が進んだものですね。
90年前後や95年頃の1ドル80円台の円高メリットを享有したasktakaにとっては、海外滞在中の円安傾向は何ともアンラッキーな思いがしますね。ただ、こうした円安はasktaka個人としては“憂鬱”でも、輸出に好影響が及ぶことが考えれば、まぁ良しとすべきですね。
次に、世の中では株安で、実業界や政界などが騒いでいるようです。これも、あれよあれよいう間に、日経平均が1万3千円台にまで下落しました。日経平均は米国の株価と連動している上に、金融機関の3月決算対策として株式持合いを解消して、時価の低い株を売りに出していることも影響しているようです。
株価は企業収益と相関があるので、こうした株安は株式投資家ならずとも、何とも“憂鬱”な思いがします。民間投資と消費支出主導の本格的な景気回復が期待されているのですが、こうした株安を見るとどうも一抹の不安を禁じえませんね。
最後に物価安です。90年代後半の日本経済の特徴の一つは、価格破壊の波を受けて物価安になり実質消費支出が伸び悩んだ点にあると思います。この影響は、特に小売業界において強く、百貨店や量販店(総合スーパー)が軒並み対前年の売上を割っているのも、量と価格の掛け算のうち後者の下落が効いている点を見逃せません。
こうした物価安は消費者の懐から見ると、実質的な可処分所得を増加させるので、プラスの効果も期待できるのですが、何せ先行きが見えない点が効果を相殺しています。
一方、物価安は、一層の低価格化に対応できない、つまり、ビジネスシステムやコスト構造を変革できない企業に退出を促します。外資流通の日本上陸の極めつけとして、来年にも米国のウォルマートが日本進出する予定です。asktakaには、こうした環境下こそ、日本の流通業界の新旧交代や新たなビジネスチャンスが生じる好機だと考えるのですがね。
このように憂鬱な話題も多い今日この頃です。だが、こうした問題も、考えようによっては、企業が大きく変身する契機を与えると考えるべきではないでしょうか。2001年は21世紀の最初の年として、皆さんの会社に新たな歴史を加える年になることを祈っています。
ということで、暫く「話題」から遠ざかっていたせいか本調子ではないですが、ぼちぼち通常のペースに戻したいと思います。先ずは、パリ滞在中は『パリからの話題』を「今日の話題」特別号としてアップしたいと考えています。ではまた。
お知らせ:昨日の話題は「2001年の飲食業界を考える」
でした。
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